スペイン人はパン無しでは生きられない? アンダルシアで行われたパンのイベントに行ってきました

スペイン人はパン無しでは生きられない? アンダルシアで行われたパンのイベントに行ってきました

スペイン人にとって一番大事な食べ物といえばパンです。食事には必ずパンが必要。料理を味わうためにも、味があまりないパンで一度口をリセットします。料理の風味を大事にするために、絶対バターは使いません。常に料理の味が第一というのがスペインの考え方です。そんな大事なパンを紹介するイベントがカソルラでありました。


パンのイベント コンクールとプレゼンテーション

フランスのパンについて書かれたホームページの情報によるとパンを消費する量はスペインがダントツで多いそうです。食事のときに必ずパンをしっかり食べますし、料理だけ食べていると必ず父親がパンを食べなさいと叱ります。料理をフォークでとって口に入れるときも、取りにくい場合はパンをちぎって軽く料理に添えてフォークにつけるようにし、口に運びます。

スペイン料理でかなり有名になったアンダルシアを起源とする『ガスパチョ』は、小さく切ったパンを入れてスプーンですくって食べます。エリザベス女王がスペインにいらしたとき、前国王の真似をしてきちんとスープにパンをちぎり入れて召し上がっていました。イギリスではあまりパンをスープに入れたりしないようですが、「ローマにあってはローマ人に従え!」ということでしょう。

私の住んでいるアンダルシア東北部にあるハエン県カソルラでは、昨年から若いパン職人のコンクールが始まりました。カソルラの自治体でするしょぼいコンクールではなく、ちゃんと国が企画している国立コンクールです。なぜカソルラが選ばれたのかはわかりませんが、石臼で挽いた修道院で作られた小麦粉を使って贅沢にパンが作られます。

写真はパンイベントの一環で国中から選ばれたパン職人が自慢のパンを作っています。こちらはコンクールが開催されている3日間、朝から晩まで作り、人々に試食してもらっています。

パンがいっぱい!パン職人もいっぱい!

オートミール、チアシードなどがのっているパン

かぼちゃ入りパンの材料を揃えた女性のパナデーロ(パン職人)

パンをこねて形作り

田舎パン

パンの形はもともと丸いのが普通でした。バゲットのように長い形を作ったのはフランス人。
自分でパンを作るとわかるんですが、250グラムの生地でパンを丸く作ると小さい。
でも、長くするとそれなりの形になって商品価値が上がります。

昔は1キログラムくらいのパンが普通にどこの家でも食されていたのですが、だんだん家族構成も小さくなって夫婦だけ、夫婦に子供だけ。家で食べるご飯は一回だけということになり、250グラムのバゲットが売れるようになりました。

ただ、丸い形の方が、ふわふわのところが多くておいしいという意見もあります。
ドーナツ型になったのはロタ(壊れた)と呼びます。
丸いパンもロタも、500グラムから。

オーブンから取り出したり、オーブンに入れるのに使うおしゃもじのようあもの。

トッピングもいろいろ

スーパーフード(チアシード、キヌア2種)

わさびを入れた緑色に染まったごま

きれいな緑色なので、着色料を使っているのかと思ったら、わさびを使っていました。
わさびは染色力も強く、香りも独特です。

もちろん黒ごまもあります。

焼き上がり。奥に見えるレーズンパンのようなのが下のさくらんぼの章で紹介するさくらんぼの入ったパンです。手前にある緑色がわさび入りごま付きパン

模様をくり抜いて、小麦粉をパラパラ降って焼く。

こちらは違う模様のパン

これは真似できますね。上からかけているのは普通の小麦粉です。

ハエンはさくらんぼも有名! さくらんぼ入りパンも

『サン・マルコ』という種類のさくらんぼを紹介しているカセッタ(テント)

実はハエンはスペインで2番目のさくらんぼ生産地です。
おいしいさくらんぼができる条件は、寒い冬と春の光が十分であること。
朝と夜の気温差も激しい方がいいそうです。

そういうわけで、ハエンではおいしいさくらんぼができます。
1位はエストレマドゥーラです。

これはハエン県トーレ市で作るサンマルコスと名付けられたさくらんぼ。
果肉がたっぷりでジューシー。
甘く、その中に酸っぱさもあってとてもおいしかったです。

甘くて酸っぱさも程よくあって美味しいさくらんぼ

さくらんぼを使ったパンを作る

パン生地にのせて捻ってパウンド型に入れて焼きます。

スペインのパン!3種類を紹介

スペインでよく食べられるパンの種類を紹介します。
もちろん、地域で差があるし、名前も違いますが、チャパタとレガニャはほぼスペイン全土で同じだと思います。

スペインで一番人気はチャパティ

チャパタ

赤いテントの下なので写真写りがあまり良くないのですが、これがチャパタ(または、チャバッタと呼ぶ地域も)です。バゲットに比べ、大きめで低温で焼いています。それから、小麦粉の種類も違います。採りたての若い小麦を使うのです。白いふわふわな部分が多く、「主食のごはん」を彷彿とさせる感じ。あくまでも料理を引き立ておいしい食事をするために作られたパンです。イタリアを起源にしているため、名前もちょっとイタリア語っぽいですよね。

こんな感じで形作りをして、焼きます。

こういう木の大きなおしゃもじ状のものにパン生地を置いて、そのまま、オーブンにパン生地だけ入れるのですが、どうやったらパン生地を壊さないで、オーブンに入れられるのでしょう。ジッと見ていたのですが、まるで魔法のようでした。

アラブの影響?薄いクラッカー状のレガニャ

左にある薄いパンがレガニャです。赤いテントの影響で画像の色がちょっと変ですが。

レガニャは、セビージャの典型的な食べ物と言われています。正確に言えばセビージャの東南部にある アルカラ・デ・グアダイラ(Alcalá de Guadaíra)で作り始めました。

作り方はシンプルで、小麦粉をオリーブオイルとワインでこねて、薄くのし、焼くだけです。ごまなどを混ぜる場合もあります。

パリパリとおせんべ感覚で食べます、ぽりぽり。

薄く焼いたパン、レガニャ(regañá )は、わかりやすくいえば、イタリアのグリッシーニのようにぽりぽりと音がするようなパンです。クラッカーのようなものと言った方がわかりやすいかもしれませんね。ただし、塩味はほとんどありません。パンの塩味くらいです。ポテトサラダのようなおつまみにくっついて出てきます。スーパーで売っているレガニャは、四角く切って袋に入っているタイプです。レガニャによく似ているものにフィンガータイプの『ピコ』があります。これも袋に入ってスーパーで購入できます。

バン・カテット

パン・カテット。カテットというのは田舎者という意味

角パンのように、少し端っこが細くなっています。
500グラムタイプと1キログラムタイプがあり、余ると薄切りにしてトーストにします。
ハエンでは、朝はトーストが主流。
オリーブオイルとトマトのすりおろしをつけて食べますが、このタイプのパンで作るのが一番おいしいです。

パンを試食!楽しいパンの祭典

試食用のパンを切っているところ

カソルラでは毎年、6月の第1週にパンコンテストを兼ねたパンのお祭りがあります。
パンの香りが町中に漂い、いろいろなパンを試食できますから、ぜひ、いらしてくださいね。
カソルラへの行き方は、グラナダからバスが便利です。グラナダのバスステーションからアルサ(ALSA)社のバスでカソルラ(Cazorla)行きに乗ります。約3時間くらい。1日に4本くらい。

スペインの旅行は、それぞれの街のそれぞれのイベントをチェックするとさらに楽しくなりますよ。

この記事のライター

スペインに住んで18年になります。小さな素敵な町やお祭り、工芸品などスペインらしいスペインの旅を楽しむ情報をお届けします。

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