中国における日本のアニメ文化
私の住む中国広東省広州市では、日本のアニメが大人気です。こちらで10代~20代の地元の人とお喋りすると、ほぼ例外なく「日本のアニメが好きだ」と言ってきてくれます。
アニメについて熱く語り出す若者もしばしば・・・イマドキの中国の若者は、私などよりもずっと日本のアニメに詳しいんですよ。
特にダントツ大人気なのは「ONE PIECE(ワンピース)」です。中国では「海賊王」として知られていて、日本のアニメ=ワンピース!と言ってもおかしくない勢いなんですよ。ワンピースに次いで人気なのは「NARUTO-ナルト-」で、こちらは中国語で「火影(ほかげ)忍者」となっています。

中国でも大人気の日本アニメ。
中国の若者と話していると、「ハイゼイワンはさぁ~」とか「フォインレンジャいいよね~」と突然言ってきたりして一瞬戸惑います。「ハイゼイワン」とは中国語の海賊王、つまりワンピースのことで、「フォインレンジャ」は火影忍者、ナルトの意味です。
中国語では外来語の扱いが難しく、日本語のようにカタカナで外国語を表現できたら便利なのになとよく思ってしまいますが、これは覚えるしかありません。日本語がわかる人でも「海賊王」、「火影忍者」の名前しか知らないので、アニメ好きの人は中国に来る前に予習しておきましょうね。

こちらのお店は大量の日本のアニメグッズを扱っています。
中国のアニメを見ると、子ども向けなのに絵が可愛くありません。私が詳しくないのは多いにありますが、有名なアニメと言えば2~3個ですし、日本のアニメと比べるとあまり見応えがないように思います。
それに対して、だいぶ前から中国では日本のアニメがテレビ放送されていたそうです。今20代~30代前半くらいの人たちは「子どもの頃に日本のアニメ『一休さん』や『ドラえもん』、『ちびまるこちゃん』をよく見ていた」と言っています。当時は中でも「一休さん」が人気だったのだとか。

お店によってアニメの種類は様々です。
前置きが長くなってしまいましたが、中国ではだいぶ前から日本のアニメが歓迎されていて、すごく人気があるんですよ。
では、ここからはお待ちかねのアニオタ天国、広州市の「公園前駅」駅地下にあるちょっとディープなスポットをご紹介しましょう。
公園前駅の駅地下アニメスポットとは?
今回ご紹介するアニオタスポットは、広州市の越秀区にある「公園前」エリアにあります。アクセスは大変わかりやすく、まずは広州地下鉄1号線と2号線が交わる公園前駅で下車しましょう。
公園前駅の駅地下には、大きなショッピングモールが張り巡らされています。地下鉄の改札を出たらショッピングモールの入口が幾つもあるので、初めて行く人でもすぐにわかりますよ。

地下鉄の駅からさらに地下に降りるとそこは・・・
地下鉄の駅は地下一階となりますが、今回ご紹介するスポットは公園前駅の地下二階となります。地下鉄駅からさらにエスカレーターを下っていくと、お目当てのアニオタ天国登場です。早速覗いてみることにしましょう。
地下2階にある「动漫(アニメ)特区」

ここが「アニメ特区」の入口です。
地下二階に下りるとすぐ目に入ってくるのが「动漫特区」という看板です。「动漫」とは中国語でアニメのことで、いかにもな感じの入口風景となっていますが、臆せず入ってみましょう。

熱心にフィギュアの写真を撮っている女の子。
こちらのアニメ特区で全体的に目につくのは、アニメフィギュアを販売しているお店です。数限りない種類のアニメのフィギュアが勢揃いしているので、お目当てのアニメキャラクターのフィギュアが見つかること間違いなしです。
上の写真の女の子のように、お店の外からフィギアに釘付けになっている人、何人か見ましたよ(笑)フィギュアを見つめる目が、みんな真剣そのものです。

フィギュア以外にもアニメグッズの数々。
もちろんアニメグッズはフィギュアだけじゃありません。アニメ雑誌や写真集のようなもの、ポストカードやサウンドトラックCD、ポスターやアニメ関連のゲームの攻略本などなど本当に様々なアイテムがあります。
アニメ特区は一見ディープな空間ではありますが、子連れの若いお母さんがいたり、小学生くらいの子どもたちがいたり、アニオタではなかったとしてもそれ程入りにくい感じはありませんよ。(かくゆう筆者もアニメにはあまり詳しくないのです。)

廊下には魂ネイションズのオブジェが。
アニメ特区の中には、あちこちにアニメやゲーム関連のオブジェが設置されています。それらオブジェの前で写真撮影している人が結構いました。
上の写真は、大人のためのフィギュアブランドでこの業界で10年以上の歴史を持つ「魂ネイションズ」のオブジェですね。

魂ネイションズの特設コーナーもあります。
魂ネイションズの商品を展示しているのか、ここに「魂ネイションズ広州スポット」なるコーナーもありました。中国でもなかなか人気のようです。
この先には軽食を扱う売店&休憩所があります。軽食メニュー自体はいたって普通のもののようでしたが、まだまだアニメ特区を詳しく見ていきたい人やお子さん連れなどちょっと休憩したい人にとっては、この休憩所は便利だと思います。
ここは「西区(ウエストエリア)B2」です。トイレもこのすぐ近くにあるので、チェックしておきましょう。

ベンチにはあのまるちゃんが。
アニメ特区にあるベンチには、ちびまるこちゃんとその親友のたまちゃんがちょっと間を空けて座っています。今は若い夫婦がベビーカーをまるちゃんの隣に寄せて、記念撮影をしようとしていますね。
若い男性がたまちゃんの隣でスマホをいじっていますが、この空間が好きなのか、はたまたベンチには最初からまるちゃんたちが座っていて仕方なくその間に座っているのか(笑)ちょっと気まずそうに見えました。

店名はなぜか「千葉」。
なぜか「千葉」という名前のお店があります。アニメと言ったらアキバではないのでは?実際、中国の日本に興味がある若い子たちの多くが「日本で行ってみたい場所は秋葉原」だと言います。
今は中国でも日本旅行や日本への留学者が増えているようですが、やっぱり日本アニメの人気は海外での日本人気に一役も二役も買っているようですね。

またまたフィギュアです。
フィギュアを買おうと思ったことがない筆者なので全く相場がわからないのですが、上の写真のフィギュアは上段のもので日本円で10000円~17000円となっていました。フィギュアって高級なんですね!
中段や下段にある台座付きフィギュアはきっともっとお高いのでしょう。商品名は全て中国語でしたが、こちらのお店では価格は日本円(税抜き)表示となっています。

大型のフィギュアも取り揃えています。
アニメ特区はイマドキのアニメだらけなのかと思ったら、私でもよく知っているウルトラマンや仮面ライダーなどの昔懐かしいキャラクターフィギュアもたくさん置いてありました。日中ともに、ガンダムは今でも根強い人気のようです。
アニメ特区では、店先でアニメ動画を流している店が多いです。ここでは動画も各店内でかかっているBGMもほとんど日本語のものなので、だんだんと日本にいるような気分になってきます。

ぬいぐるみやキャラTシャツ専門店。
日本のアニメキャラを中心としたぬいぐるみやキャラTもいっぱいあります。個人的にちょっと意外なのですが、中国の若者の間では「クレヨンしんちゃん」の知名度はかなり高く、しんちゃんグッズをよく見かけます。クレヨンしんちゃんは中国語で「蝋筆小新(ラービーシャオシン)」です。
ちなみに、今はネットで簡単に中国語版の日本のアニメを見ることができます。吹き替え版も字幕版もありますが、中国の若者たちは「日本のアニメにはまる→日本語が少しわかるようになる→日本語に興味を持って勉強を始める」という図式になっている人が結構多いようです。
私も以前は中国語の勉強のために、ネットでダウンロードした「ちびまるこちゃん」をよく見ていました。中国語吹き替え&字幕付きで内容も複雑ではないので、少しずつ何を言っているかわかってくるんですよ。
レベルアップして来たらシャドウウィングの練習をして・・・と、アニメは語学の勉強に本当におススメです。特に家族や友達との日常をテーマにしたアニメだったら、普段の生活で役立つ語句が身に着くはずです。外国語を勉強中の方は是非お試しくださいね。

アニメキャラバッジがこんなに。
今回取材のためにバシャバシャ写真を撮っていたのですが、一部撮影禁止の商品がありました。ガラスケース越しにアニメキャラカードの写真をバシャッと撮ってから気付いたのですが、ガラスに手書きの注意書きがあったんです。
「写真撮影禁止。発覚した場合、カード1枚撮影に付き5元。」と書いてありました。中国語の手書きの注意書きだったので、パッと見わかりませんでした。ワンショットでかなりのカードの写真が撮れてしまってたので焦りましたが、幸い発覚しなかったので慌てて消しました。すみません。
ここではお買い物&写真撮影に夢中になりがちなので、くれぐれも注意しましょうね。

可愛い系もあります。
最近のアニメばかりでなく、マイメロもいましたよ。可愛い系でアクセサリーもある、女の子が嬉しいお店です。
私が行った時にはシャッターが閉まっている店が幾つかあったのですが、そのシャッターさえも凝っていました。色々なアニメのペイントがなされたシャッターにも注目です。

ジブリアニメのお店もあり、ちょっとホッとしました。
実は筆者はアニオタではないどころか、あまりアニメに詳しくありません。今まで見てきたお店のアニメはほとんど知らないものばかり(汗)。でもここに来て、私も大好きなジブリグッズを目にしてちょっとホッとしました。本当に色々なジャンルのアニメがここに集結しています。

アニメ特区のプリクラに近いマシーン。
中国にも日本と同じようなプリクラがあるのですが、ここのは少し違うようでした。完全にオープンな中で自撮りするのはちょっと恥ずかしい感じもしますけど、こちらの人はよく路上で自撮りしているので、大丈夫なのかな?
初めて知ったのですが、癒し系のことを中国語では「治癒系」と言うようです(笑)

やっぱり!コスプレグッズ販売店もあります。
コスプレグッズ販売店、その名も「制服少女」。日本の女子高生風の制服がメインでしたが、他にも色々あるようでしたよ。他の国でもそうかもしれませんが、中国ではコスプレも「日本の文化」という位置付けです。

日本のものに限らず色々なアニメを扱っているお店も。
中には日本に限定せず、海外のアニメをテーマにしているお店もあります。こちらのお店にも、ディズニーやピクサー、スーパーマリオなどいますね。アニメって本当に奥深いです。

日本の漫画コーナー。
アニメ特区の極めつけはこちら、「中国語版日本の漫画本」専門店です。基本大人向けアニメとなっているようでしたが、それなりに種類が多く、欲しい漫画本があれば店員さんも一緒に探してくれます。
アニオタの皆さん、中国広州旅行の記念に一冊中国語の漫画本はいかがですか?
公園前駅の「アニメ特区」まとめ

夜と週末は大勢の若者が行き交うアニメ特区。
こちらのアニメ特区は、アニオタではない筆者も割と気軽に入ることができました。ちょっと独特な雰囲気は否めませんが(笑)日本のアニメ文化が中国でどう捉えられているのかを見ることもできる不思議な空間です。
公園前駅は有名な観光地「北京路」とも近く、このアニメ特区は観光の合い間に立ち寄りやすいスポットとなっています。是非ちょろっと覗いてみてください。アニオタの方は迷う必要はありませんね。ガッツリ時間を取って「アニメ特区」を堪能してきてください。
中国広東省広州市に住む30代主婦です。今の目標は広東語をマスターすること!大好きな広州を、楽しく詳しくレポートしていきます★