【中国広東省】東洋のユダヤ人と言われる客家(はっか)人!客家文化に触れながら本場の「客家料理」を味わってみよう

【中国広東省】東洋のユダヤ人と言われる客家(はっか)人!客家文化に触れながら本場の「客家料理」を味わってみよう

「食は広州にあり」と言うように、グルメ家の舌をうならせる広東料理の中心は省都広州の「広州料理」です。でも実は、広い広い広東省には広州とは文化も言語も習慣も全く違うエリアがたくさんあり、土地ごとに様々な自慢の味があります。今回記事でご紹介するのは、中国の「客家(はっか)人」と呼ばれる人々とその伝統料理、「客家料理」です。


中国広東省の「客家(はっか)人」とは?

客家人ってどんな人たち?

客家人とは、中国北方(古代中国王朝の中心だった「中原」と呼ばれるエリア)から、戦乱を逃れて中国南方に移り住んで来た人々のグループです。その後もグループとして、ずっと移住を繰り返してきました。

民族的には、中国人民の大多数を占める漢民族です。ただ客家人は長い間山間部で他の文化と接することなく生活してきました。客家語と呼ばれる独自の言語を発達させてきたこと、またその独特な文化・風習から、同じ中国人からも特異な存在と思われている傾向があります。

客家料理チェーンの店内様子。

中国の広東省や福建省、江西省に多くの客家コミュニティーがあり、特に梅州、恵州、汀州、贛州のエリアは「客家四州」となっています。

中国国内だけでなく、早くから多くの客家人が海外にも移住して行きました。今では、海外移住している中国人の約三分の一が客家人だというデータもあるくらいです。

「客家」という呼び名の由来は文字通り「お客さん」の意味で、つまりどこに行っても「よそ者」だということです。絶えず移動を繰り返し、他と交わらずに独自の伝統や生活スタイルを守り抜いてきた彼らにはピッタリの呼び名かもしれませんね。

※「客家」という呼び名に差別的な意味合いはありませんよ。

色々な客家料理。

客家語と広東語は似ている?

客家人の話す「客家語」ですが、中国の友人たちによると広東語とは全くの別物です。広東語が母語の人でも、大抵客家語を聞き取ることはできません。

ただ面白いことに、客家人は割と広東語を聞き取ることができます。一般に、客家人が広州など広東語のエリアに数ヶ月も住んでいれば広東語を完全に聞き取ることができるようになりますし、広東語を流暢に話す客家人も珍しくありません。

客家語と広東語は全く違うとは言っても、似ている部分は多分にあるようですね。よく聞く話では、広東語よりも客家語の方が難しい言語なので、広東語の人は客家語ができないけれど、客家人は広東語ができると。私からしたら、広東語も中国普通話に比べてだいぶ難しいのですが(汗)

私は今広東語を勉強中でまぁまぁ聞き取ることができますが、そんな私にとって客家語は全く別の言語に聞こえます。時々路上で全くわからない言葉を喋っている人とすれ違いますが、客家語の可能性大です。当然ながら、一言も聞き取れません。

「東洋のユダヤ人」と呼ばれるのはなぜ?

客家人は「東洋のユダヤ人」とか「中国のユダヤ人」と呼ばれることがあります。恐らくユダヤ人と共通しているのは、どちらも国土を持たずに多くの地域に増え広がってきたということと、教育に対する関心が高く、優秀と言われる人材をこれまで多く生み出してきたことにあるのでしょう。

客家人は常に「よそ者」であるため土地の所有ができず、古来から商いをする人が多いです。教育熱心で、特に商売に関しての才能は秀でたものがあると言われています。

政治にも関心が高く、歴史に名を残す政治家や実業家の中には実は客家人も多いんですよ。例えば、中国の鄧小平や台湾の李登輝などがいます。中国・台湾の他にも、香港、タイ、シンガポール、マレーシア他多くの東南アジア諸国の大物が実は客家人なんです。

広州市内でも、客家料理のお店をそれなりに見かけます。

筆者が住んでいる中国広東省広州市には、商売や子どもの教育のために移り住んできている客家人が大勢います。一般に客家人は「自分は客家人である」という誇りを持っていると言われていますが、実際に客家人と接してみて確かにそうだなと感じます。

皆さん親切で決して尊大なわけではないのですが、良い意味で客家文化に対する愛着やプライドが強いと感じます。客家の人と接する時には、特に最初は客家の文化や歴史・おススメのグルメなどを教えてもらうようにすると良い勉強になりますし、会話が弾むと思いますよ。

客家料理の特徴とは?

移住を繰り返す生活を送っていた客家人たちは、乾物や漬物など保存がきく料理を発達させてきました。また食べ物を無駄にしたくない倹約的な性格でもあり、客家料理には食材を無駄にしないような工夫が凝らされています。

ではここからは、広州市にもたくさんある大変リーズナブルなタイプの客家料理チェーン店を覗いてみましょう。

広州市の客家料理レストランチェーン

今回ご紹介するお店は、緑の看板に黄色の文字が目印となっています。広州市に何店舗も展開している客家料理専門レストランチェーン「陳記三及第(チェンジーサンジーディ)」です。

広東料理レストランほどではないものの、広州市内にはいくつもの客家料理レストランがあります。今回ご紹介する陳記三及第は、中でもお手軽に客家料理を食べることができるお店です。もう少し高級な客家料理レストランもあり、どこも美味しいですよ。

リーズナブルな客家料理チェーン「陳記三及第」。

陳記三及第は、朝の時間帯に10元(*約172円)の超リーズナブルな朝食セットをたくさん用意していくれています。お粥やスープを中心とした優しい朝食が主です。また夜は24時まで営業していて、夜遅くまで軽い夜食を楽しむこともできます。では、詳しいメニューを見ていきましょう。

客家料理レストランのメニュー

店内には大きなメニューが二つ掲げられており、一つは写真付きのダイジェスト版メニュー、もう一つは漢字のみの全メニューです。写真付きのメニューには、全部ではないものの人気でおススメのメニューが出ています。どんなお料理かわかりやすいので、初めてでも安心ですね。

わかりやすい写真付きメニューあり。

基本的なメニューは、スープ麺ものと肉魚+野菜のご飯もの(セットメニュー)です。特にここの売りはメニュー左、上から二番目の「三及第湯」というスープで、店名にもなっている看板メニューです。各セットメニューには、ご飯と共にこのスープも付いてきます。

単品で15元(*約258円)もするスープがセットの場合、16元(約276円)~20元(約344円)でいただけるので、セットメニューはだいぶお得感がありますね。

三及第湯が猪肝(豚レバー)・痩肉(赤身の肉)、粉腸の三種のスープとなっているのに対して、五及第湯はプラス猪心(豚の心臓)と猪腰(豚の腎臓)で五種の材料を、六及第湯はさらに追加で生腸の六種を使っています。

もうお気付きかもしれませんが、中国語で「猪」はイノシシではなく豚の意味なんですよ。どれもとっても活力がつきそうなスープですね!お味については後程レポートします。

さらに詳しいメニューも。

漢字のみのメニューには他にも色々載っていて、例えばセットメニューだとジャガイモやエビなどがメインのものもあります。またセットメニューの中で気になるのは「梅菜扣肉飯セット」です。

「梅菜(メイツァイ)」とは、客家の故郷の一つ中国広東省の梅州特産の漬物で、日本の高菜に少し似ています。「扣肉(コウロウ)」とは、豚バラなど脂身の多い肉をしっかり煮込んでトロトロにしたものです。

今回筆者は写真付きのメニューしか見なかったので見落としてしまったのですが、この梅菜扣肉飯セットは客家菜らしいメニューかなと思うので、おススメです。中国語がわかる人は漢字のみのメニューも参考にできますね。ちなみに梅菜扣肉飯セットは20元となっています。

他にも牛肉の肉団子スープやスープ麺などがあるようです。また、中国語では「青菜」と呼ばれる青野菜を10元でつけてもらうことができます。青菜とは、チンゲンサイなど青野菜の総称です。その日によってどんな野菜が使われるかはわかりません。

ただの野菜をあえて注文しなくてもと思うかもしれませんが、中国人にとって青菜はかなり大事で注文する人が多いです。中華らしくて美味しいですし、栄養バランスも良くなります。中国人になりきって是非試してみましょう。

「客家料理」のお味は?

私が今回注文したのは、16元の「三及第湯+ご飯」です。あまりお腹が空いていなかったので、中国人の友人(広州人)のおススメの中から軽くスープにしました。

この店の看板メニューの一つ「三及第湯」。

三及第湯は、豚レバーを主としたあっさり味のスープです。本当にあっさりしていて、味付けはほとんど肉の出汁なのかなと思うくらいでした。思ったほどご飯が進む感じではありませんでしたが、主張せずに体に良い、食しやすいスープとなっていました。

各テーブルに醤油や辛味調味料など3~4種類置いてあるので、ちょっと味が足りないと思っても自分で調整すれば問題ありません。ご飯はとても盛りが良く、女性で昼食だったらこのスープとご飯のセットだけでも十分足りるのではと思います。

揚げた魚の味噌煮っぽい感じです。

私のスープ&ご飯があまりにも寂しいと思ったのか、一緒にいた中国人の友人が魚のオカズを分けてくれました。初めて食べるものなので遠慮なく味見させてもらったのですが、魚は軽く揚げてあって、味付けは少し味噌煮に近いもののやっぱり初めて食べる味でした。

客家料理は保存や栄養をよく考えられた料理が多いと紹介しましたが、薄めの味付けや健康的なところが日本料理と共通していて、日本人の口にもよく合うと思います。

レジの様子。

今回ご紹介したのは、客家料理レストランの中でもとってもリーズナブルな「陳記三及第」です。お料理は美味しかったものの、個人的にはそれ程インパクトがなかったかなとも思いました。

実はだいぶ前にもっと高級な客家料理レストランにも行ったことがあり、そこはどのお料理もかなり美味しかったですよ。また機会があったらレポートしたいと思います。

客家文化の他にも様々な文化・言語が存在する中国広東省

中国には実に多くの少数民族がいますが、同じ漢族の中にも様々な文化が存在しています。私の住む広東省も、広州だけではなくたくさんの文化や伝統・言語に接することができるとても面白い場所です。

グルメでは、中国広東省と言えば飲茶やローストダッグなどの広東料理が有名ですが、そればかりではありません。

日程に少しゆとりを持った広東省(広州)旅行を計画する場合、是非省都広州市だけでなく、客家四州を散策して広州とはまた違った文化や味わいを楽しんでみることをおススメします。

*レートは全て2018年5月のものです。

この記事のライター

中国広東省広州市に住む30代主婦です。今の目標は広東語をマスターすること!大好きな広州を、楽しく詳しくレポートしていきます★

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