アンダルシアのカソルラ山脈にある美しいホテル「コト・デル・バジェ」は1人の男の夢の結晶

アンダルシアのカソルラ山脈にある美しいホテル「コト・デル・バジェ」は1人の男の夢の結晶

最近、ヨーロッパとアメリカでブームになっているカソルラ山脈。大自然の中に生まれた美しいホテル、「コト・デル・バジェ」は、贅沢な時間を過ごせる山荘タイプのホテルです。オーナーが趣味で作っている建物なので、細かなところにこだわりを感じられるのも魅力です。


カソルラ山脈にあるホテル、コト・デル・バジェ

正面からはこのような感じ、噴水が見えます。噴水は、コケをたくさん生やす予定だったそうですが、天気が良すぎて10年経ってもまだコケが生えません。(当たり前ですが。)

人間って夢をいつでも見てますよね。肉体労働をしながら、芝居をしている人や小説を書いている人。そのように、仕事と夢とを切り離している場合もあれば、仕事そのものが「夢」という場合もあります。カソルラ山脈にあるホテル「コト・デル・バジェ(Coto del Valle)」は、仕事そのものが夢だった男の作品です。オーナーは、中学を出たあと、建築現場で働き始め、少しずつ土建業での実力を上げていった人。カソルラ出身で、マドリードで土建業の会社を立ち上げました。仕事は設計事務所で設計されたものを、作ること。しかし、いつか自分の好みの建物を作りたいと夢見るようになったのです。そして、作られたのが故郷のカソルラ市に隣接する自然公園カソルラ山脈のホテルでした。

ヨーロッパで2番目に広大な自然公園・カソルラ山脈

霧が深い日

カソルラ山脈は、ヨーロッパでは2番目に広大な自然公園です。1番はもちろんアルプス。カソルラ山脈には、狩をするために、世界中のお金持ちが集まります。スペイン国内だけではなく、ドイツ、ベルギー、フィンランド、アメリカ合衆国、カナダからまでやって来るのです。狩と聞いて眉をひそめる人も多いかと思います。しかし、狼のいなくなったカソルラ山脈では、狩は必須の存在です。その上、狩をするためには、かなりの金額を支払わなくてはならないので、そのお金はカソルラ山脈を保護するために使われます。

狩について

狩のシステムについて紹介します。狩をするためには、許可が必要です。その許可は、銃所持とかの基本はもちろんですが、「カソルラ山脈で狩をする許可」で、600ユーロ以上必要です。その他、カソルラ山脈に入るためには、1人につき1人のガイドを雇わなくてはいけません。ガイドは国家認定資格所持者で、山専門です。ガイドは山を案内するというのが表向きの理由で、実際には、山で「違法行為」をしないように見張ることと、殺傷した動物をチェックすることが仕事です。殺傷した動物をチェックするのは、殺傷するたびに支払いが生じるからです。1頭につき、1000ユーロ前後です。オスで角の美しいリーダー格はさらに高価になります。

基本的にドイツ人やベルギー人など、ヨーロッパ人は値段を気にせず、狩をしていますが、アメリカ人は撃つ前に「こいつはいくらだ?」とガイドに質問するそうです。そして、あまり高価すぎると、撃つのを断念し、「予算に合った」獲物を探します。狩をするときにも「金銭感覚」などのお国柄が出てしまうというのもおもしろいものです

カソルラ山脈にあるホテル、パラドールは自然を満喫するための場所

レセプション

そのような場所柄、カソルラ山脈にあるパラドール(古い建築物を利用したスペイン国営ホテル)は荘園形式の狩人御用達パラドールでした。しかし、現在は、コト・デル・バジェがパラドールに代わって、狩人御用達になりました。

とはいえ、もちろん、コト・デル・バジェは狩人ばかりを泊めているわけではありません。現在、カソルラはヨーロッパ中で人気スポットになっています。カソルラ市の町はもちろん、カソルラ山脈の大自然を味わうために、カナダやドイツ、フィンランドなど自然豊かな国々からまで、わざわざやって来る人がたくさんいるのです。それは、平地ではない、歩きにくい山並みと自然好きにはたまらない自国にはいない別の動物を見るためです。そのため、コト・デル・バジェは、自然の要素をふんだんに用いて、まるで山荘に滞在しているかのように感じさせるためにデザインされたホテルです。


コト・デル・バジェのカフェテリア

カフェテリアは、窓部分がカーブしていて全面クリスタル。

天井はドーム型。中央に天窓がついているので自然の光が入りやすい。

紅茶の種類も豊富なのは、イギリス人もお客様も多いから。

レトロなゴミ箱

コト・デル・バジェの客室部分

客室部分のパティオ(中庭)

客室の入り口は個人宅の山荘のよう。

山に囲まれているので、朝、窓を開けると爽やかな空気が約束されています。

コの字型に配置された客室から階段を降りて裏庭へ。

コト・デル・バジェの庭やプール

刈り込まれているオリーブの木。
最近はこういう感じに刈り込まれているオリーブをよく見るのですが、やっぱりジャパニズムの一端なのでしょうね。日本の盆栽もここまで人工的ではないと思いますが。

プールサイドのバル。
プールで泳がなくても、子どもたちが泳いでいたらここで見張りながらビールを一杯ということになるのです。

プールのシャワーがちょっとしたオブジェのよう。

庭というより、森の一部。もちろん、夜になるとキツネやイノシシも登場します。

大自然の中にあるホテルは存在感があります

冬の間はつららも見られるカソルラ山脈。最初の写真で噴水を紹介しましたが、その噴水から垂れ下がるつららです。

ホテルの番犬

レストランに住み着いているねこ

自然の動物だけではなく、なんとなく住み着いてしまった犬や猫、そして、オーナーの大好きな馬が数頭います。このくらい自然の中にいると、どこまでがドメスティックなのかわからなくなりますね。結構イノシシも餌をくれと言いながらやって来ますし。

コト・デル・バジェへのアクセス

車で行くというのが正当ですが、カソルラまでバスで来て、そこからタクシー。20ユーロくらいです。時間によってはバスが運行している場合もあります。

カソルラまでのバスは、グラナダから直通、アルサ(ALSA)社です。グラナダから約3時間。

ブッキングのページには、ペット不可と書いてありますが、ペットの預かりはしてもらえます。客室には入れられませんが、ペット専用のスペースが用意されているので、相談してください。

自然と仲良く過ごすコト・デル・バジェ

コト・デル・バジェにぶらさっがっている時計

コト・デル・バジェには、もちろん素敵なレストラン、結婚式に使うサロン、そしてスパがあります。オリーブオイルで作られたナチュラルな石鹸も、切り売りしているのでぜひ使って欲しいと思います。ただし、スパは、温水プールと思って入ったほうがいいです。日本の温泉のようには熱くありません。スペインの大自然を楽しみにいらっしゃいませんか。ヨーロッパ貴族と知り合えるかもしれません。

この記事のライター

スペインに住んで18年になります。小さな素敵な町やお祭り、工芸品などスペインらしいスペインの旅を楽しむ情報をお届けします。

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