世界中から来た移民と会えるのがトロント

カナダは世界各国からの移民で成り立っている国ですが、その中でもトロントは「人種のモザイク」と呼ばれるように本当に世界各国の人が共に暮らしている街です。
どのぐらいモザイクかと言うと、私の住んでいるコンドミニアムで知っている人の人種構成は日本人、インド人、アフガニスタン人、ベトナム人、韓国人、ポルトガル人、イラン人、そしてカナダ人といった感じです。
外を歩いていても同じような感じで、すれ違う人が英語以外の言葉を話しているのなんて当たり前!私の夫は日本に初めて行った時に「日本人しかいない…。」と驚いていましたが、私が初めてトロントに来た時にはあまりの人種の多さに「カナダ人が少ない…。」と思ったものです。
そして、同じ国からの移民が集中するエリアがトロントのあちらこちらにあり、リトル〇〇とか、〇〇タウンとか呼ばれたりします。日本にも横浜と神戸にチャイナタウンがありますが、イメージは同じような感じです。
本場の食材を売っているスーパーマーケットがあったり、レストランがあったりするほか、その国ならではのお祭りが開かれることもあります。
面白いのはトロント市内にはそういうリトル〇〇がたくさんあること。「美味しい中国料理を食べにチャイナタウンに行こう。」という日もあれば、「イタリアのお祭りがあるからリトルイタリーで美味しいジェラートでも食べよう。」なんていう週末もあり、トロントにいながらにしてまるで世界旅行をしているような気分に浸ることができるというわけです。
今回はトロントの代表的なリトル〇〇をご紹介するとともに、実際に食べてみて美味しかったレストランもご紹介してみたいと思います。
リトルチャイナ(チャイナタウン)

夜のチャイナタウン。赤い照明が中国っぽいですね。
世界中どこに行っても必ずといっていいほど見かけるのがチャイナタウンですね。ここトロントにもかなり大きな規模のチャイナタウンがあり、いつ行っても活気にあふれています。
場所はSpadina(スパダイナ)通りとCollege(カレッジ)通りの交差点から南にのびており、King(キング)通りの手前ぐらいまではかなり中国色が強いです。
カナダはイースターやクリスマスなどの祝日にはスーパーマーケットはもちろん、かなりの数のレストランもお休みになってしまうので、うっかり食材を買いだめしておくのを忘れると大変なことになってしまうのですが、そんな時は356日開いているチャイナタウンに行くのが生活の知恵。

漢字でなんとなく意味が分かるのが面白いところ。
そして日本人にとって何より嬉しいのが日本の食べ物が手に入るという点です。もちろん中国の食べ物が中心ではありますが、よく探すと日本のものもたくさん。個人的にはゴボウが買えるのが非常に助かります。
また、中国本場のマッサージが受けられるお店やバブルティーのお店もありますし、携帯電話の修理のお店なども。
意外と思われるかもしれませんが、中国やアメリカから来る中国人観光客を狙ってかカナダ土産のお店も多いです。しかもチャイナタウン価格ということで他で買うよりもちょっと安いこともあるので、お土産探しに行くのもおすすめです。

マザーズ・ダンプリングはどのメニューもボリュームたっぷりです。
チャイナタウンでおすすめするレストランはMother’s Dumplings(マザーズ・ダンプリング)というお店。チャイナタウンには他にも餃子が味わえる店がありますが、混みすぎていたり、美味しくてもちょっと衛生状態が気になったりするのですが、こちらのお店はどれも完璧。
しかも店員さんに日本人の方がいらっしゃるので困った時は日本語で質問することも可能です。場所はSpadina(スパダイナ)通りとCollege(カレッジ)通りの交差点を少し南に行ったところ。チャイナタウンの北端にあたります。
リトルグリーク(グリークタウン)

ギリシャ文字の看板
続いてご紹介するのがGreek(グリーク)、つまりギリシャ人街です。日本からギリシャはかなり遠いのでなじみが薄い人が多いかもしれませんが、トロントではPape(ペイプ)駅からChester(チェスター)駅の間、Danforth(ダンフォース)通りに沿ってギリシャ人街が広がります。
街灯にはギリシャの国旗がたなびいていたり、ギリシャの英雄の銅像があったり、看板の文字がギリシャ語だったりと天気のいい日にはぜひ散歩してほしいエリアです。
また、夏にはTaste of the Danforth(テイスト・オブ・ザ・ダンフォース)と呼ばれるストリートフェスティバルが開催され、ギリシャ料理の屋台が出たり、子ども向けの遊具が設置されたりします。
このフェスティバル、トロントで数多く開催されるフェスティバルの中でなんと人気第1位を誇るフェスティバルなんです。もちろん、第1位とあって人混みもかなりすごいので、お出かけになる場合はちょっと気合が必要です。

アストリアでは絶対的にラム肉がおすすめ。これでスモールサイズです。
私もトロントに来た当初は毎年行っていましたが、今はお気に入りのレストランができたのであえてフェスティバルの期間を避けて訪れるようにしています。そのレストランとはギリシャの家庭料理を出すASTORIA(アストリア)です。
地下鉄のChester(チェスター)駅からすぐという便利な立地にあるこのレストランは、ファミリー向けのレストランといった雰囲気で小さな子どもを連れて行っても大丈夫なところもうれしいポイント。何を食べても美味しいですが、ぜひラム肉を食べてみてください!
リトルイタリー
次にご紹介するのはCollege(カレッジ)通り沿い、Bathurst(バサスト)通りからOssington(オジントン)通りまであたりに広がるイタリア人街です。
とにかくここは陽気な感じ。ピザ屋やジェラート屋、おしゃれなカフェなどが立ち並び、ショーウインドーを眺めているだけでも気分がウキウキしてきます。パティオを出す店が多いので訪れるなら絶対的に夏がおすすめ。
ジェラート屋やアイスクリーム屋がたくさんあるので、みんなそれを食べ歩きながらトロントの短い夏を楽しんでいます。ギリシャ人街にフェスティバルがあったように、このリトルイタリーでも夏にはフェスティバルが開催されます。

ランチのピザ。もちもちカリカリです。
このリトルイタリーからのおすすめレストランですが、ランチセットがお得なお店をご紹介しましょう。リトルイタリーからは徒歩で8分ほど行ったところになりますが、Ossigton(オジントン)通りとDundas West(ダンタスウエスト)通りの交差点を少し南に行ったところにあるPizzaria Libretto(リブレット)です。
何を食べても美味しいのですが、前菜はカプレーゼがおすすめです。
リトルインディア
続いてはインドへ行ってみましょうということで、リトルインディアをご紹介します。
場所はトロントの東側、Gerrard(ジェラード)通りに沿って Greenwood(グリーンウッド)通りと Coxwell(コックスウェル)通りの間は、店頭に美しいサリーが飾ってある洋服店やインド料理のお店、インドの食料品を扱うお店などが立ち並び、どこからともなくスパイスのいい香りが漂ってきます。
この周辺を歩く人もインドの民族衣装を着ている人が多く、日本人の私からするとまるでファッションショーのような華やかさです。そしてこのエリアからのおすすめのレストランはLahore Tikka House(ラホールティッカ)です。
インド・パキスタン料理を出すこちらのレストラン。席数のかなり多いレストランですが、いつも大勢の人でほぼ満席です。決して豪華な内装ではありませんが、味は抜群!量が多いので大勢で行ってシェアするのがおすすめです。

Lahore Tikka House - Delicious Halal Food
http://lahoretikkahouse.com/The one and only Lahore Tikka House is home to delicious Halal food in Toronto's east side! 1365 Gerrard Street East, Toronto, M4L 1Z3
リトルコリア(コリアタウン)
そして最後に紹介するのがコリアタウンです。Christie(クリスティー)駅を出るともうそこは韓国かと思うぐらいハングルが目に飛び込んできます。
スンドゥブチゲの美味しいお店や、韓国冷麺の美味しいお店、スーパーマーケット、美容院、洋服店、そして化粧品店と韓国の物ならなんでも手に入るのではないかと思うほど。
特に嬉しいのは、韓国のスーパーマーケットです。日本の食材も扱っていることが多く、日本人にとってはなくてはならない存在!一番人気のスーパーマーケットは、Christie(クリスティー)駅から徒歩3分ほどのところにあるP.A.T.(ピー・エー・ティー)です。
味噌や醤油はもちろん、日本のインスタントラーメンや焼きそば、うどんはもちろん冷凍ですが納豆もあります。そして貴重なのが薄切りの肉!日本料理に欠かすことのできない薄切り肉ですが、海外では手に入れるのが以外と難しく、日本のように予め切ってパックされているものはなく、肉屋さんでわざわざ薄く切ってもらわないといけないのです。
ところがこのP.A.T.(ピー・エー・ティー)には薄切りの豚肉と羊肉がすでに切られた状態でパックされており、特に豚肉はかなり美味しいのでおすすめです。私も1か月に2、3回は何かが足りなくなってP.A.T.(ピー・エー・ティー)に買い出しにいっています。
そしてこのエリアで一番のおすすめは絶品のスンドゥブチゲが10ドル以下で食べられるというBuk Chang Dong Soon Tofu(バック・チャン・ドン・スンドゥブ)です。ここのスンドゥブを食べたら他のは食べられなくなるぐらい自信を持っておすすめできるお店です。
ランチやディナータイムになると行列が出来ていることも珍しくないので、時間に余裕を持ってお出かけください。
Buk Chang Dong Soon Tofu - Good food when you are hungry
http://www.bukchangdongsoon.com/Good food when you are hungry. Come, eat and leave happy.
リトルジャパン?

イートンセンターに出来たユニクロ
では、リトルジャパンはあるのかというと、出来かけているというのが現状です。場所はDundas West(ダンダスウエスト)通り沿い、Yonge(ヤング)通りからBay(ベイ)通りを少し過ぎたあたりに日系のお店がかたまっています。
居酒屋のDONDON(ドンドン)、ラーメンの三草亭、アンクルテツのチーズケーキ、抹茶の辻利、無印良品やユニクロもあり、今後どのようになっていくのかが楽しみな場所です。個人的には日本の100均に来てほしいのですが…。
マルチカルチャーを楽しんで!

滞在年数が伸びれば伸びるほど、トロントの良さはその多民族、多文化だということをしみじみと感じます。世界中のいろんな国の文化を持った人が集まって、それぞれお互いの文化を尊重しあいながら共存している場所。
子どもと一緒に公園で遊んでいても、みんな肌の色も違うし、髪の色も違うし、話している言葉が違うなんて日常茶飯事。そんな環境で育つ息子は将来どんな価値観を持つのか非常に楽しみです。
常夏の東南アジア某国で数年を過ごしたのちにワーホリでふらっとやってきたのは極寒のカナダ・トロント。最近、一児の母になりました。