【スペインの城シリーズ】カソルラの山のてっぺんにある城、カスティーリョ・デ・ラス・シンコ・エスキーナス

【スペインの城シリーズ】カソルラの山のてっぺんにある城、カスティーリョ・デ・ラス・シンコ・エスキーナス

スペインの城シリーズ第8回は、私の住んでいるカソルラにある廃墟になっている城、カスティーリョ・デ・ラス・シンコ・エスキーナです。城は博物館になっているものも多いのですが、この城はただそこにある、それだけの廃墟です。周りはハーブがたくさん生えて、静かで落ち着く場所。こういう場所に来るのもなかなか素敵ですよ。


誰もいない場所を求めて

カスティーリョ・デ・シンコ・エスキーナを目指す山道の始まり

セマナ・サンタ(イースター)の頃からカソルラは観光客で賑わいます。ここ数年、年ごとに遊びに来る人が増え、カソルラ山脈に行っても、人混みは避けられません。もちろん、本格的に登山をすれば、いくらでも静かな場所に到着するのですが、休日のお昼ご飯の後に、少しだけ自然を求めて歩きたいという場合は、カソルラ山脈まで行かずに、カソルラしないから見えるお城を目指します。

滝の大アップ

カソルラに15年生活して、ずっと存在しなかった滝がありました。2017年から2018年にかけての冬は雨が多く、水不足も解消されました。グアルダルキビル川も水量が多くなり、鳥などの動物が増えています。遠くに見えるこの滝の音も聞こえます。そのくらい静かな場所です。

自然に包まれた林を歩いて行く

遠くに見えるカスティーリョ・デ・ラ・シンコ・エスキーナス

湿気の少ない地域では、遠くのものも近くに見えるから不思議です。湿気があると、空気中の水分に光が反射するのですが、乾燥していると光が屈折しないで直接届くから、なんでも近くにあるように見えます。だから、ついつい歩いてしまう。すぐそこにあるお城に行けるんじゃないかと思ってしまうから。

カソルラ山脈

お城と反対方向には、カソルラ山脈が見えます。まだ、雪が残っています。シエラネバダほどではないのですが、雪のある時期は意外と長いです。カソルラ山脈だけではなく、カソルラ村にも雪が降ります。アンダルシアですが、零下になることもあるんですよ。

土から出てきたラベンダー

カスティーリョに続く道には、たくさんハーブが生えています。4月はまだ寒く、やっと芽が出てきている状態ですが、5月になるとラベンダー、タイム、ローズマリーなどが育ち、花を咲かせます。まだ、ラベンダーは花が咲いてないのですが、葉っぱだけでもとてもいい匂いです。ラベンダーやローズマリーは、湿気さえなければ、レジデンスな植物なので、スペインでは庭や公園にもたくさん植えられています。しかし、街中で育つラベンダーやローズマリーはほとんど臭いません。もちろん、強い香りを放ってはいるのですが、周りに色々な匂いが立ち込めていて感じないのです。山の中は、ただ、木の匂い、風の匂い、土の匂いがあるだけで、ラベンダーの匂いが強烈に鼻を襲います。

林の中から見えるカスティーリョ

松の幹

冬の厳しさから、松の幹の木肌が硬くごわごわしています。山の中でももっと地上に近い場所の松はもっとすべすべしているのに。寒い場所にカスティーリョは造られました。

カスティーリョに続く道

カスティーリョに行くためには、松がたくさん生えている林を抜けて行きます。もっと暖かい時期ですと、鳥の声がうるさいくらいに聞こえるのですが、まだ、寒く、恋の季節ではないようで、鳥の声はほとんど聞こえません。時折、ワシが飛んでいるのが見えます。小さな動物を探しているのです。

林を抜けていよいよカスティーリョに近づく

カスティーリョの上に鷲の巣が見えます。

カスティーリョ・デ・ラス・シンコ・エスキーナス(Castillo de las Cinco Esquinas)は、別名カスティーリョ・デ・サルバティエラ(Castillo de salvatierra)とも呼ばれています。シンコ・エスキーナスは、5つの角という意味で、上から見ると五角形になっているのだそうです。また、サルバティエラというのは、地所を守ることを意味しています。このカスティーリョは、カソルラにどこから近づいても見えます。ということは、どこから来る敵も見逃さず、見つけられるため、しっかり守ることができるという意味なのでしょう。

瓦礫と自然の石が混じり合っている地面

カスティーリョ・デ・ラス・シンコ・エスキーナスは、14世紀にイスラム勢力によって建てられたお城です。廃墟になっていて、ほったらかされ、1993年にやっと重要文化財に指定されました。まだ、発掘調査もされていません。スペインには、たくさん廃墟があちらこちらにありますが、発掘調査は費用もかさむのでそのままになっているものも多いのです。

ここで掘り始めたら、もしかしたらとんでもないお宝が出て来るかもしれません。ちょっとワクワクしますよね。もちろん、骸骨がゴロゴロ出て来る可能性もあるので、発掘調査は勇気のいる仕事です。

ずっと続くオリーブ畑

カソルラと隣村のラ・イルエラは2キロメートルしか離れていませんが、スペインの村は普通、かなり距離があります。農業の方法が、その原因でしょう。農家の人は大抵村に住み、時々、畑に行きます。畑には、畑用の家が用意され、ハエンでは「コルティッホ」と呼ばれます。農業の種類にもよるのですが、オリーブの場合、そんなに煩雑に畑に行く必要がないので、広い畑が続き、そして村に人々が済むのです。ですから遥か向こうまで、ただ、オリーブ畑が続いて行くのですね。

カスティーリョ(城)に到着!

カスティーリョの下

カソルラ

カスティーリョにたどり着くと、下にカソルラ村が見えます。こうやってみるとすぐそばなんですよね。カソルラ村から直接登った方が早いと思うかもしれません。私もずっとそう思って、カスティーリョにたどり着く道を探して、歩き回りました。でも、人が歩ける道は、隣村のラ・イルエラに行かないとダメなんです。

遠くの山のてっぺんに見えるのは、エルミータ・デ・ビルヘン・デ・ラ・カベサ(礼拝堂)です。そこには、カソルラの守護聖人がいて、お祭りの時には担ぎ出されます。礼拝堂の場所も、村人を見守るためにちょうど良い場所が選ばれています。

カソルラ
本当に近く見えますよね?飛び越えてカソルラに帰れそうな錯覚に陥ります。

城に唯一残された入り口

廃墟同様のお城は、この建物しか残っていません。中に入ると螺旋階段などがあるそうですが、内部には入れないようになっています。遠くから見ると小さいキュービックにしか見えませんが、やはり城ですから、一部しか残っていないにしろ、それなりの大きさです。この城は、モニュメントとしてよりも、ここに来て、かつて城に人々が住んでいた頃、見張りをしていた頃のことを想像する楽しさがあります。

静かさを聞きに行こう!

ひつじとやぎの群

静けさの中に、からんからんと羊たちの首にぶら下がった鐘の音が聞こえてきました。カウベルは、心を穏やかにする音です。見ると、犬も羊飼いも見えず、羊とヤギの入り混じった群が、草を食んでいました。羊飼いは見えないところにいるのでしょうか。

カスティーリョ・デ・ラス・シンコ・エスキーナへのアクセス

カソルラへは、グラナダから直通バスが出ています。マドリッド、コルドバ、セビージャからは、ウベダまでバス、そして乗り換えてカソルラへ。グラナダ、コルドバ、セビージャから乗るバスは、アルサ(ALSA)社、マドリッドからは、サマール(SAMAR)社です。カソルラからラ・イルエラ村へはタクシーで。2キロメートルくらいですから歩いて行けますが、ラ・イルエラからさらに歩くのでちょっと大変かもしれません。タクシーでラ・イルエラに行き、ラ・イルエラに宿泊しても楽しめます。暖炉のついた一軒家を借りて、短期村人生活を経験するというのも。小さなバルも並び、ラ・イルエラは、スペインの昔ながらの村の雰囲気があります。

地図を見ると、やはりカソルラからの方が近く見えますね。

この記事のライター

スペインに住んで18年になります。小さな素敵な町やお祭り、工芸品などスペインらしいスペインの旅を楽しむ情報をお届けします。

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