トロントには美術館、博物館が充実!しかもタダで入れる日がある!?

トロントのダウンタウンを走るストリートカー
私がカナダのトロントに来たのは少し前になりますが、見るもの聞くものが全部珍しい時期に美術館や博物館も巡りました。日本では興味のある特別展が来た時ぐらいしか行くことのなかった場所ですが、トロントのダウンタウンに住んでいるとアクセスのしやすい美術館や博物館がたくさんあることもあってかなり身近な存在になりました。
また、住むようになってしばらくすると、カナダ人と美術館や博物館の距離がかなり近いのにも気づきました。日常会話の中で「週末に美術館に行ってね…。」なんてのは当たり前、誕生日やクリスマスプレゼントに美術館の年間パスポートをプレゼントすることも決して珍しくありません。
では、美術館や博物館のチケットが日本より安いかと言うと決してそうではなくて、同じぐらいかむしろ高いぐあいです。でも、割引料金で入れる日や無料で入れる日が定期的に設けてあるので、そういう日をうまく利用すればかなりお得に行くことができます。この記事ではそういうお得情報も含めてまとめましたのでぜひ利用してみてください。
Art Gallery of Ontario(オンタリオ美術館)
トロントで一番大きい美術館はこちらです。一般的には頭文字を取ってAGO(エージ―オ―)と呼ばれています。AGOがあるのは、チャイナタウンにもほど近いDundas West(ダンダス・ウエスト)通りとMcCaul(マッコール)通りの交差するところにあります。地下鉄の最寄り駅はSt.Patrick(セント・パトリック)駅で、駅からは徒歩3分ほどで行けるとても便利な立地です。
美術館の歴史は非常に古く、設立されたのは1900年です。その後、何度もリノベーションや拡大を続け、現在の建物はまるで繭のようなユニークな外見でも知られています。遠くからでも良く目立つ流線形が非常に美しい建物で、個人的にはトロントで5本の指に入るぐらい美しい現代建築なのではないかと思っています。

Galleria Italiate
内部にも木材が多様され、美しいらせん階段などは展示されている美術品に負けず劣らず芸術的です。そして建築という点で特に立ち寄ってもらいたいのが、Galleria Italiaと呼ばれるスペース。AGOの印象的な流線型に当たる部分で、建物の内側から見える木とガラスと光の織りなす芸術は素晴らしいの一言です。
AGOの収蔵数は堂々たる6万8,000点。日本人にもなじみの深いヨーロッパの有名画家であるゴッホやピカソなども展示してありますし、カナダ出身のエミリー・カーの作品も数多く揃っています。また、彫刻家ヘンリー・ムーアのコレクションは世界最大を誇ります。
そして、AGOは美術館ですが中にはワークショップのためのスペースがあったり、カフェがあります。カフェの名前はcafé AGO(カフェ・エージーオー)です。AGOの会員になると5歳以下の子供は無料でセットメニューが食べられることもあり、いつもにぎわっています。
■Art Gallery of Ontario(オンタリオ美術館)にお得に入る方法!
AGOの入場料ですが、常設展だけを見る場合は大人が19.50ドル、特別展を見る場合は30ドルになります。そして、この常設展を無料で見ることができるのが水曜日の夜。午後6時から閉館する午後9時までは誰でも無料で入ることができるようになっています。
当日は午後6時を目指して多くの人が詰めかけますので、少し早い目に到着するのがおすすめです。また、コートや荷物を預けるところも混雑をしますので、身軽な格好で行くとスムーズに入場をすることができます。
名称:Art Gallery of Ontario(オンタリオ美術館)
住所:317 Dundas Street West, Toronto Ontario Canada
アクセス:地下鉄St.Patick駅から徒歩3分
営業時間:月曜日 定休日
火曜日 午前10時30分から午後5時
水曜日 午前10時30分から午後9時
木曜日 午前10時30分から午後5時
金曜日 午前10時30分から午後9時
土曜日 午前10時30分から午後5時30分
日曜日 午前10時30分から午後5時30分
電話番号:416-979-6648
Royal Ontario Museum(ロイヤルオンタリオ博物館)

ROMの正面、レンガ造りの建物と新しく加えらえた近代的な部分の対比がわかりますでしょうか?
先ほど紹介したAGOは年間入場者数が美術館と博物館の中では第2位でしたが、こちらは堂々の第1位を誇る博物館です。名前はRoyal Ontario Museum(ロイヤルオンタリオ博物館)。巨大な恐竜の化石が展示されていることでも有名なので、どこかで写真を見たことがあるという方も多いのではないでしょうか?最寄り駅は地下鉄のMuseum(ミュージアム)駅で、駅からは1分ほどでアクセスできるとっても便利な立地です。
正式名称はRoyal Ontario Museum(ロイヤルオンタリオ博物館)ですが、一般的にはROM(ロム)と略して呼ばれることがほどんとです。遠くからでも目立つガラス張りの外見が非常に特徴的です。
ROMの近くまで行くと分かるのですが、このガラス張りの部分は改築時に後からつけられたもので、それ以前は伝統的な石と煉瓦の建物でした。改築のデザインが発表された時には、あまりにモダン過ぎるということで反対意見も多かったようです。今でもROMの話をすると「あ、あのデザインは許せないね!」と言うカナダ人も多数です。
収蔵数は約600万点。北米では最大規模を誇る展示数で、ゆっくり見て回ると半日は掛かります。中は多くのエリアに分かれていますが、ざっくり分けると自然史エリアと世界文化史エリアという構成です。展示物の中には日本の甲冑もあり、ちょっと誇らしい気分になります。海外で日本のものを見るとなぜか嬉しくなるものですが、博物館に収蔵されているとなるとその喜びもさらに大きくなりますね。何度も行っているのに毎回説明をしっかり読んでしまいます(笑)。
ROMの一番の見どころといえばやはり巨大な恐竜ではないでしょうか。全長が27メートルもあるバロサウルスという恐竜の骨格標本がどーんと展示してあり、小さな子供がポカーンと口を開けて圧倒されている様子をよく見かけます。世界に2体しかない貴重なものの1体だとか。
ROMは観光スポットとしてはもちろん、家族で訪れることのできるスポットとしても人気がありますが、実は若い人を中心にデートスポットでもあります。その秘密は、月に1度ほど開催されるFRIDAY NIGHT LIVE(フライデー・ナイト・ライブ)です。
この日にはなんと博物館の中がダンスフロアーに変身し、DJの演奏まであります。そして踊りながら食事をしたりお酒を飲んだりもできるのです。一般的な博物館のイメージはちょっと真面目なところという感じだと思いますが、そこにDJを入れてパーティーをしてしまうなんて本当にカナダ人の発想には驚かされます。
夫とこのライブに「いつか行こうね。」と話していたのですが、家から徒歩で行ける距離にあることもあって「いつでも行けるから…。」と油断していたらすっかり忘れてしまい、小さい子供がいる現在は「数年後に行けたらいいね…。」の場所になってしまいました。残念!
■Royal Ontario Museum(ロイヤルオンタリオ博物館)にお得に入る方法
ロイヤルオンタリオ博物館の入場料は20ドルです。そしてこの入場料が割引になるのが金曜日の午後7時から。週末に向けて混雑の始まる金曜日ということでいつも長い列がROMの外まで続いています。
名称:Royal Ontario Museum(ロイヤルオンタリオ博物館)
住所:100 Queen’s Park, Toronto Ontario Canada
アクセス:地下鉄Museum駅から徒歩3分、地下鉄St. George 駅から徒歩5分
営業時間:月曜日から金曜日 午前10時から午後5時30分
土曜日と日曜日 午前10時から午後5時30分
※夏の間は営業時間が延長されることがありますので、念のため詳細は公式ページで確認をしてください。
電話番号:416-586-8000
The Bata Shoe Museum(バータ靴博物館)

バータ靴博物館の展示
世界にはいろんな博物館がありますが、意外と見たことがないのは靴だけを扱った博物館ではないでしょうか。このバータ靴博物館は一見小さい博物館に見えますが、収蔵数はなんと1万3000点を誇るかなり本格的な博物館です。
靴の博物館ですから当たり前なのですが、中に入ると本当に靴靴靴…。ミュージアムショップも靴のグッズでいっぱいです。展示物は太古の昔の靴から現代の靴まで、ヨーロッパの靴や中国の靴、アフリカの靴などありとあらゆる靴が展示してあります。
日本人には教科書などでなじみがある中国の纏足用の靴も、実際に目の前に実物が置いてあるとその小ささに驚かされます。また、古代エジプトの原始的な靴や1840年にビクトリア女王が結婚式で履いたシルクの靴などもあります。

こちらもカナダ人、Avril Lavigne(アヴリル・ラヴィーン)の靴
そんな歴史的な靴が展示してあるかと思うと、ジャスティン・ビーバーの靴も展示してあるところが常にカナダ大好き&カナダ人贔屓大好きのカナダっぽくてちょっと微笑ましかったりします。(ちなみにジャスティン・ビーバーはカナダ出身です。)
また、ジョン・レノンやピカソなどの比較的なじみのある人の靴も多いので、博物館はちょっと敷居が高そうと思う人や英語に自信がない人でも十分に楽しめるような場所になっています。
■The Bata Shoe Museum(バータ靴博物館)にお得に入る方法
バータ靴博物館の一般の入場料金は14ドルです。そしてお得に入ることができる日は木曜日の午後5時から8時までの間で、PayWhatYouCan、つまり入場料は寄付制となっており好きな金額を寄付することで博物館に入ることができます。博物館側からは一応5ドルという金額が提案されていますが、何ドルでも構いません。
名称:The Bata Shoe Museum(バータ靴博物館)
住所:327 Bloor Street West, Toronto Ontario Canada
アクセス:地下鉄St. George 駅から徒歩2分
営業時間:月曜日から水曜日 午前10時から午後5時
木曜日 午前10時から午後8時
金曜日と土曜日 午前10時から午後5時
日曜日 正午から午後5時
電話番号:416-979-7799
Gardiner Museum(ガーデナー博物館)
ガーデナー博物館の正面玄関
次にご紹介するのは陶磁器の博物館です。ROMのすぐそばの大変立派な建物なのですが、なんせ展示してあるのがやや地味な陶磁器ということもあって、知名度はそこまで高くはありません。もともとはトロントの実業家であるガーデナー夫妻のコレクションを中心として始まった博物館だと書くと、じゃ個人レベルの博物館でしょ?と思う方もいらっしゃるかと思いますが、このガーデナー夫妻がとんでもなくお金持ちだったのかとっても立派なコレクションです。
その証拠に収蔵数は約3000点。空間を広々と使った非常に明るい博物館で、18世紀のヨーロッパやアジア、古代アメリカの陶磁器を中心に展示してあります。もちろん日本の陶磁器も多数あります。
■Gardiner Museum(ガーデナー博物館)にお得に入る方法
ガーデナー博物館は通常の入館料金は15ドルですが、金曜日の午後4時から午後9時に行くと半額の値段で入館をすることができます。また、金曜日の午後7時には無料のガイドツアーがあるので、その時間を狙っていくのもおすすめです。
名称:Gardiner Museum(ガーデナー博物館)
住所:111 Queen’s Park, Toronto Ontario Canada
アクセス:地下鉄Museum駅から徒歩2分、地下鉄St. George 駅から徒歩5分ROMのすぐ近くです。
営業時間:月曜日から木曜日 午前10時から午後6時
金曜日 午前10時から午後9時
土曜日と日曜日 午前10時から午後5時
電話番号:416-586-8080
Ontario Science Center(オンタリオ科学センター)
最後にご紹介するのは体験型の博物館であるオンタリオ科学センターです。トロントの中心部からは少しだけ離れたところにあるので実は私も行ったことがないのですが、科学技術から人体の秘密に至るまで、実際に触ってみたり体験してみたりしながら知識を身につけることができるようになっています。
中にはアイマックスドームシアターがあり、オムニマックス映画を見ることもできるほか、ここで結婚式を挙げることもできたり、子供の誕生日パーティーも開催できたりします。
私がひそかに行ってみたいと思っているイベントがSLEEPOVERS(スリープオーバーズ)です。Sleepoverとはお泊りのことで、オンタリオ科学センターに泊まれるというイベントなのです。午後6時頃にチェックインをした後は、アイマックス映画を見てから夜の科学センターで遊び、DJの入るパーティーが開催されます。
寝る場所はベッド…ではなく、床などのその辺に寝袋を敷いてごろ寝をするというなんともワイルドな感じ。子供でなくてもワクワクしてしまいますよね。
■Ontario Science Center(オンタリオ科学センター)にお得に入る方法
残念ながらオンタリオ科学センターは入館料が割引になったり無料になったりする日は設けられていません。しかし、割引で入る方法としてあるのが、CN Towerの記事で紹介したCityPassを購入するという方法です。
これだとCN Tower、カサロマ、ROM、リプリーズ水族館、トロント動物園かオンタリオ科学センターの5つの入場料が36%オフになります。トロントに数日滞在してゆっくり観光する人にはおすすめの方法です。
名称:Ontario Science Center (オンタリオ科学センター)
住所:777 Don Mills Road, North York
アクセス:地下鉄Donlands駅よりバスで30分
営業時間:月曜日から金曜日 午前10時から午後4時
土曜日 午前10時から午後8時
日曜日 午前10時~午後5時
※夏の間は営業時間が延長されることがありますので、公式ページで確認をしてください。
電話番号:416-696-1000

[カナダ・トロント]トロントのシンボル、CNタワーの高さは?料金や恐怖のエッジウォーク、回転レストランも
http://travelclip.jp/articles/492カナダのトロントのシンボルと言えばCNタワー!自立式建築物として長い間世界一を誇ったその高さは533mです。展望台からの絶景を楽しめるほか、床が回転するレストラン、命綱一本で展望台の外を歩けるスリル満点エッジウォークなどがあります。この記事では、そんなCNタワーの料金や少しお得に入れる方法なども含めてご紹介します。
Old City Hall(オールド・シティーホール)が将来は美術館に!

特別に一般公開された日の館内
今回、この美術館と博物館の紹介記事を書いている最中に発表になったのが、トロントのダウンタウンにあるOld City Hall(オールド・シティーホール)が将来美術館になるという正式発表です。
従来から話は持ち上がっていたのですが、2018年2月1日に正式に認可をされました。Old City Hall(オールド・シティーホール)は、今現在のCity Hall(シティーホール)が新しく建設されるまで使用されていた建物で129年の歴史を持つ非常に重厚な建築物です。
Old City Hall の重厚的な建物
現在は、年に一度開催されるDoors Open(ドアーズ・オープン)というイベントの時にしか一般公開されていないのですが、非常に美しい建物なうえ、観光にも非常に便利な立地なのでもっと活用法があるのではないかと言われていました。
現在は裁判関係の施設として利用されており、それらが新しい場所に引っ越するのに約3年ほどかかると予測されていますが、トロント市としてはなるべく早く美術館としてオープンさせたいようです。施設には、The Museum of Toronto(トロント美術館)が入るほか、トロント公共図書館の分館、結婚式場、ギフトショップやレストランも入る予定だとか。これは待ち遠しいですね!
常夏の東南アジア某国で数年を過ごしたのちにワーホリでふらっとやってきたのは極寒のカナダ・トロント。最近、一児の母になりました。