ボリビア人の食生活でパンは欠かせない

ボリビアの食文化は地方によって様々ですがパンを食べることは共通しています。
ボリビアの食生活ですが、気候や地方によってそのスタイルが大きく異なります。標高3800mにある首都ラパスなどの山岳地帯ではスープ中心の食生活になります。年間を通して寒く厳しい気候を乗り切るために野菜中心のスープなどで暖をとります。メインはジャガイモ中心のメニューになります。
また標高が高いために高山病の影響もあります。地元の人でさえ、しばらく標高の低いボリビアの町に滞在していてラパスに帰ってきて体調を崩すことがあるようです。地元の人にとっても標高3800m、富士山の頂上に匹敵する高さの町での生活にエネルギーを費やすようです。
それで、健康志向の野菜中心のスープと栄養素の高い地元でチューノと呼ばれる小さなジャガイモをとりこんだメイン料理が食されることが多いです。山岳地帯の寒い生活を乗り切るための知恵が食生活の中にも表れているようです。
そして、熱帯地方では朝食、夕食とパンと紅茶、コーヒーなどで軽く済ませます。そして昼食がメインとなりスープや鶏肉料理が主に食されます。揚げ物やコーラなどの炭酸飲料を多く消費するイメージがあります。ボリビアの熱帯地方は気温が40度近くになることもあり、ジャンクな食事が好まれる傾向にあります。
そして、山岳地方、熱帯地方のどちらにも共通しているが朝食、夕食にはパンを食べるということ。そのパン事情についてご紹介します。
ボリビアのパンについて

フランスパンを思わせる固いパンがボリビア人は大好きです。
ボリビア人はパンが大好きで大抵の家庭では朝と晩にパンを食べます。ボリビアで生活していて感じることの一つですが、売っているパンが美味しくない。ということです。最近ではボリビアも経済発展を遂げてきて少しずつスーパーなどでも多くの種類のパンを売るようになってきています。
それでも、あまりおいしくはありません。なぜか?それはボリビアのパンは固いものが多いです。フランスパンの様なパンが好きなボリビア人が多いです。そして、ボリビア人家族とパンを食べていた時の事、いつものように少しかたいパンを食べるのですが、内側の柔らかい部分を手でくりぬきます。
そして、外側の固い部分のみを残して食べるわけです。正直、私としては意味が分かりませんでしたが、尋ねてみると、これが一番おいしい食べ方だとのこと。私たち日本人としてはやわらかいふっくらしたパンが食べたいと思うものですが、ボリビア人はその逆なのかもしれません。
ヤマザキのふっくらした食パンやコンビニのもちもちしたサンドウィッチや菓子パンは夢のまた夢。こちらボリビアでは固いパンが主流なのかもしれません。やわらかいパンがものすごく恋しくなります。

ボリビアで避けては通れないパン・カセーロ
ボリビア生活で避けては通れないものがあります。それはパン・カセーロです。スペイン語で手作りパンの意味があります。たくさんのボリビア家庭でこのパン・カセーロが作られています。そして町で売り出されます。このパン、ボリビアで生活したことがある人は一度は見たことがあるはずです。
触感としてはハンバーガーのバンズに近いものがあります。しかし表面は固く、チーズや砂糖がまぶしてあることがあります。1日2日ならなんとか食べることができます。しかし、毎日となるとこれはかなり厳しいものがあります。このパンを食べるたびに日本のやわらかいパンがものすごく食べたくなります。
あと、このパンはすぐに作るためにふくらませるための重曹を大量に使っていたり、ラードが入っていたりするので胃腸の弱い方はお腹を壊す恐れもあります。ボリビアの田舎や都市部でも、多くのボリビア家庭でこのパン・カセーロは食されています。市場などでもよく売られています。
ボリビアでパンを探しているとかならずこのパン・カセーロに出会います。そう、ボリビア生活で決して避けては通れないパンなのです。

パン・デ・アロースとは米のパンという意味
番外編になるかもしれませんが、ボリビアのパン屋さんではパン・デ・アロースという食べ物もよく売られています。スペイン語で米のパンという意味があります。米粉で作られたパンです。バナナの皮に包まれてオーブンで仕上げてつくられるボリビアならではのパンです。
このパン、ちょっぴりもっちりしていますがものすごく脂っこいので注意が必要です。2,3個食べると確実に胃がもたれます。見た目以上にずっしりしている印象も。ボリビアの熱帯地方で特に食べられているお米パンです。

マイースと呼ばれるトウモロコシ粉でつくられたパン。
こちらもボリビアの熱帯地方で食されているマイースというパンもあります。これは小麦粉ではなくトウモロコシ粉を用いてつくられたパンの事です。こちらも少しふっくらしている印象もありますが、脂っこいのであまりたくさん食べないように注意が必要です。
ボリビアで美味しいパンを!やっぱり頼みは日本人

ボリビア第二の都市サンタクルスの中心には日本食ショップが
ボリビア人は固いパンが好きなんだとわかっても、やっぱりやわらかくふっくらもちもちしたパンが食べたい!そう思うはずです。そんな時やっぱり頼りになるのは日本人です。ボリビアにはたくさんの日系人が住んでいます。パンを作って売っておられる日本人の方もおられます。
例えば、ボリビア第二の都市サンタクルスの中心にはスーペルメルカード・オキナワという日本食ショップがありこちらでも日本人の方が作られたやわらかいパンを手に入れることができます。あんパンやメロンパンなど懐かしい味を味わえます。

サンファン日本人移住地に美味しいパンがあります。
ボリビア第二の都市サンタクルスから100kmほどの場所にあるサンファン日本人移住地にはおいしいパン屋さんがあります。日本人の方がつくっておられる日本のパンを味わうことができます。サンタクルスの日本食ショップなどにも出荷されているようです。

懐かしい味の数々、
あんぱん、ドーナツ、メロンパン、チョコパンなど涙が出そうになるようなラインナップ。そうです。ボリビアで生活しているとこんなパンがあったらとずっと思います。でもなかなか手に入りません。でもこのサンファン日本人移住地に赴くなら美味しい日本の味のパンを食べることができるんです。
しかも、一つ4.5ボリビアーノ(70円ほど)ですので値段も安くて大量買いしそうになります。

ボリビア人が営む商店にも卸されています。
そして、ボリビア人が営む商店にもこの日本のパンは卸されています。きっとこのパンはボリビア人の間でも大人気であるに違いありません。毎週、山積みになっているこれらのパンがすぐに売切れてゆきます。クリームパンややわらかい食パン。ソーセージパンなどの豊富なラインナップ。
きっと、パン・カセーロで慣れてしまったボリビア人にとって大きなカルチャーショックをもたらすことでしょう。私の友人のボリビア人家族にもこのパン屋さんを紹介して、大量買いしてサンタクルスに帰ってゆきました。そして、美味しかった?とメールで聞くと、帰りの道中でほとんど食べてしまった。
ものすごくおいしかったとのこと。やっぱりボリビア人も知らないだけで、本当はやわらかいおいしいパンを食べたいんだなぁと思いました。サンファン日本人移住地で営まれているパン屋さんなのでボリビア中に出荷するのは難しいかもしれません。
それでもひとりでも多くのボリビア人に日本のパンのおいしさを知ってもらえたらなぁと思ってやみません。パン・カセーロはボリビアの文化ですのでそれを否定することは決してできませんが、日本のパンの味もぜひ伝わってほしいなぁと。
もし、ボリビアで長期滞在されていたり旅行で訪れている方でおいしいパンを食べたいと思われる方。ぜひ、サンファン日本人移住地を訪れてください。ボリビアに移住された日本人の方の貴重な歴史に触れることができますし、美味しいパンも食べられます。
ウユニ塩湖やラパスなどの観光スポットを回った後、サンファン日本人移住地へ来られるのはいかがでしょうか?
南米ボリビアに在住。まだまだマニアックな観光地や穴場スポットがたくさんある国ですので、少しづつ紹介できたら嬉しいです。