【スペインの城シリーズ】コルドバからすぐ行けるアルモドバル・デル・リオにあるカスティーリョ

【スペインの城シリーズ】コルドバからすぐ行けるアルモドバル・デル・リオにあるカスティーリョ

コルドバからわずか30分のところにある城を紹介します。バスの便も比較的よいアルモドバル・デル・リオはアンダルシアでもっとも保存状態のよい城です。19世紀の終わりに城を愛するひとりの男性が全財産をかけて修復しました。そこには愛に包まれた城があります。


アルモドバル・デル・リオの城のものがたり

アルモドバル・デル・リオの城

アルモドバル・デル・リオにある城は、アンダルシアでは一番保存状態の良い城だと言われています。もちろん、ハエンにあるサンタ・カタリーナ城はパラドール(国営ホテル)ですから、ちゃんと修復されて使われているのですが、破損されて失った部分も多いのです。その点、アルモドバル・デル・リオの城は全体的に修復され、使われていた時代の面影が残っており、映画「スローン・ザ・ゲーム」の撮影にも使用されました。

そのくらいきちんと修復されているアルモドバル・デル・リオの城ですが、なんと修復は個人によってなされたんです。その人の名前はラファエル・デスマイシエレス(Rafael Desmaissieres)伯爵、19世紀にセビージャで生まれました。ラファエル・デスマイシエレスは幼いときから好奇心のかたまりで、イギリスで特殊な自転車が発明されると早速買って、試してみなくては気がすまない性格。

そのような性格の伯爵ですから、世界旅行に旅たちます。19世紀の終わり、スペインでは教育といえば、ラテン語、ギリシア語、稀にヘブライ語、そしてフランス語というのが一般的でした。その時代に伯爵は英語もきちんと学んで出かけました。中国、インド、インドネシア、オーストラリア、タヒチなど。19世紀の終わりですから船でゆっくりまわったのでしょう。そしてそれらの国が自国の文化をきちんと継承していることに感銘を受けてスペインに戻ります。

そして放置されたアルモドバル・デル・リオの城を見つけ、修復することを決心します。そのためにはかなりの財産が必要でした。修復の専門家であるアドルフォ・フェルナンデス・カサノバ(Adolfo Fernández Casanova)にすべてを委任し、修復は1901年から1936年の長い期間を経て、アルモドバル・デル・リオの城は蘇ります。

ウィキペディアの写真をお借りしてアルモドバル・デル・リオの城を見てみましょう。アルモドバル・デル・リオはグアダルキビル川のそばに位置します。そのため、古くからここでは農業や畜産業が営まれていました。今もハイクォリティのオリーブオイルが作られています。ラベルにお城の絵がついていて、ボトルもおしゃれです。

アルモドバル・デル・リオ城、夏の風景

こちらは以前アルモドバル・デル・リオに来たときの写真です。たくさんの羊たちが羊飼いのおじさんと牧羊犬に連れられて草を食べていました。写真ではわからないのですが、羊たちが動くと首から下げたベルが鳴って、癒し効果抜群の音が奏でられます。その間に、羊たちがいななくのですが、ずっと聞いてると、歳をとったメス、年若い少年、子供などちゃんと羊の個性が伝わってきます。

お城から見たアルモドバル・デル・リオの街

12月の終盤ですが黄色い花がたくさん咲いていました。コルドバ県は暖かいのです。

コルドバではたいてい花が咲いています。この日は20度近くありました。1月でもゼラニウムが咲いているくらい暖かいのですが、だからと言ってまったく寒くならないわけではありません。コルドバ市内はさすがに雪は降りませんが、車でたった30分移動したアルモドバル・デル・リオでは時には雪が降ります。

入り口の次にまた別の入り口

丘の上にある城の入り口までかなり歩きます。これが最初の入り口。

アルモドバル・デル・リオの城を最初に作ったのはベルベル人と言われています。西暦760年に砦を作り始めました。その後、同じイスラム勢力ですが、タリファ・カルモナ、そしてタリファ・デ・セビージャが次々と勢力をふるい、城は少しずつ大きくなっていきます。そのため窓の形や入り口の形がイスラム様式になっています。興味深いのは、その後カトリックの支配になってもその形は維持されていたことです。カトリックの人たちもオリエンタルの装飾を美しいと思ったのでしょう。

これが2番目の入り口。クリスマスシーズンなので入り口の上の部分に飾りがあります。

内部に入るとまた入り口です。

入り口で料金を払い、細い路地のような通路を通っていきます。

入り口の形がイスラム様式

きっと昔は各入り口でしっかり調べられていたんでしょうね。当時のセキュリティーシステムということでしょう。

アルモドバル・デル・リオ城のトイレ事情

女子トイレのマーク

年齢的にトイレの必然性が高いせいもあるのですが、どこに行っても一番気になることがトイレです。大昔に神戸に行ったとき、どこのトイレにもきちんと花がいけてあってきれいだったことが影響しているのかもしれません。トイレがきれいな場所ってやはり安心します。

ということで、アルモドバル・デル・リオのトイレはどうでしょうか。

アルモドバル・デル・リオのトイレの男子・女子マークが、とっても中世、それもおとぎ話の中の中世のようなイラストで気に入りました。そして内部も天井から鉄の黒いシャンデリアがぶら下がり(写真には写っていません。)、壁も石造りでなかなか素敵なトイレでした。ただし、便器はごくごく普通に「ロカ(Roca)」を使っています。ロカはスペインで一番一般的な便器やお風呂などのメーカーです。

アルモドバル・デル・リオ城を散策する

長い年月を経て、リフォームと建て増しを重ねているので、様式の違う建物があります。つまりアネックスというか新館のようなものです。

城のパティオ(中庭)。ここでアクティビティーがあるようです。温室のようになっているのは冬の間は寒いから。夏はオープン

王様の部屋のバルコニー

王様の部屋(Sala del rey)、窓がイスラム様式

それぞれの部屋に人形が置いてあり、どのように部屋が使われていたかの説明があります。王様がいる部屋、王様のお着替えの部屋、武器倉庫、刑罰の部屋など。食堂や寝室のように調度品が美しい部屋はガイド付きのツアーでのみの公開だそうです。

アルモドバル・デル・リオのガイドは王様の執事または修復したラファエル・デスマイシエネス伯爵に扮装しているそうです。英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語に対応していますが、前もって予約が必須。執事が案内してくれるなんて、すてきですね。

ひたすら階段を登る、そして降りる

この階段の上に何があるの? 登ってみなくちゃわかりません。

お城見学は体力勝負です。まあ、普通に若い人ならそんなに大変でもないのかもしれませんが、上がったり降りたりしながら進んでいきます。私はガイドなしコースで、矢印に従って歩いていたのですが、ガイド付きツアーだと、もっと素敵な部屋が見られるらしいです。(あとでホームページを見て知りました。)それでもトータル1時間以上は歩きます。

屋上があるだけなんですが。

登って降りてを繰り返していると一体どこにいるのかわからなくなります。よく似た入り口があるから同じかなと思うと内部に入るとまったく別の部屋だったり。城にはいくつか塔があるので、どの塔も同じかなと思うとそうでもなく、それぞれの塔で展示物が違います。

刀コレクションのある屋上

ここに伝説とかあるのかどうか。岩を貫く剣。

劔コレクションです。

こちらの塔は刀コレクションの塔ですが、もちろんレプリカです。レプリカとはいえ、本物同様にきちんと作っているので、歴史的価値はないかもしれませんが、ガラスケースの中に入っていてじかにはさわれません。日本刀とはまったく違って、分厚く、骨までバラバラにされそうな刀です。こういう刀で殺されるのはちょっと嫌ですよね。

城の遺跡

写真たての写真はこの城を修復した人。その他、壁などの破片。壁に文字が書かれているのは、中世の建物の特徴です。

お城がらみのお土産やさん。

お店では、レプリカの剣や盾、本や文房具、絵葉書、アルモドバル・デル・リオの特産品が売られています。

Medieval Shop - Castillo de Almodovar

https://castillodealmodovar.com/en/room/medieval-shop

El castillo cuenta con una tienda medieval para que pueda adquirir recuerdos que le harán revivir aún muchos meses después esta preciosa experiencia.

城には一般公開されていないホールがあり、結婚式を挙げられます。お城で結婚式なんてすてきですよね。アルモドバル・デル・リオ城の公式インスタグラムに結婚式の写真がアップされていますから、チェックしてみましょう。

Instagram post by Castillo de Almodóvar • Sep 4, 2017 at 7:27pm UTC

https://www.instagram.com/p/BYoXzmJA9qI/?taken-by=castillodealmodovar

94 Likes, 5 Comments - Castillo de Almodóvar (@castillodealmodovar) on Instagram: “Les deseamos todos nuestros mejores deseos a Verónica y a Antonio, que ya son pareja y decidieron…”

城を見ながら食事

お城のふもとにあるレストランにはいつも地元の人たちがたくさん。
リーズナブルなレストランです。

クロケッタ(クリームコロッケ)とお肉のブラサ

お城のある丘のふもとにはブラサを専門としているレストランがあります。ブラサ(brasa)というのは、炭火であぶる肉類のこと。レストランによっては、前もって火を通している肉類を、炭火であぶって、ちょっとだけ炭の匂いをつけてごまかしているところもありますが、このレストランは最初からちゃんと炭火で焼いています。炭の香りが肉類に移り風味が増します。キャンプファイヤーで焼くソーセージがおいしくなるのと同じです。お肉や串焼きのちょっとオリエンタルな味わいのピンチョス・モルーノやステーキなど。

そしてうちでもしょっちゅう食べているのにクリームコロッケも頼みました。なぜか息子たちは同じようなものを食べちゃうんですよね。

なすびの黒みつかけ

そして男性軍には人気のない揚げなすびのはちみつかけ。はちみつ(ミエル、miel)と言っても普通の花から採取したはちみつではなく、サトウキビのはちみつ(ミエル・デ・カニャ、miel de caña)と呼ばれるもので、日本の黒みつにそっくりです。もしかしたら同じものなのかもしれません。スーパーで売っているのはヌエストラ・セニョーラ・デル・カルメン(Nuestra Señora del Carmen)という商標のもの。たいていのスーパーにあるのでお土産にいかがですか?

と、はちみつの説明が長くなりましたが、わずかに塩味のついた揚げなすにタラタラと黒みつを垂らしただけで、コルドバに来ると必ず食べたくなるものなのです。

アルモドバル・デル・リオへのアクセス

コルドバから近い、アルモドバル・デル・リオは車だとあっという間。もちろん、バスも頻繁に運行しています。バス会社はサン・セバスチャン(San Sebastian)で、8時の始発からほぼ1時間ごとに出ているので、比較的ラクな旅行です。乗車時間は37分。
コルドバのバスステーションは国鉄駅の真ん前で、チケット売り場はバス会社ごとに窓口があります。

アルモドバル・デル・リオ城はある男の情熱の軌跡

クリスマスに行ったのでワラで作られた聖女マリア様とサント・ホセ、幼いキリスト(ベレン)が飾っていました。

アルモドバル・デル・リオ城では、イベントもいろいろ企画されるので、ホームページをチェックしてお出かけください。

Home - Castillo de Almodovar

https://castillodealmodovar.com/

Bienvenido a la Fortaleza-Castillo de Almodóvar. Experimenta un emocionante viaje en el tiempo hacia el medievo. Sus torres, sus almenas, las mazmorras, ...

この記事のライター

スペインに住んで17年になります。小さな素敵な町やお祭り、工芸品などスペインらしいスペインの旅を楽しむ情報をお届けします。

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