海外移住を考える人へ。中欧の国「ポーランド」がとにかく暮らしやすい理由

海外移住を考える人へ。中欧の国「ポーランド」がとにかく暮らしやすい理由

20数年間を日本で過ごし、初めての移住先がここ、中欧の国「ポーランド」でした。最初の1年間を終えてみての感想は、「とても住みやすい!」の一言。移住先としてはまだメジャーではない国だからこそ、日々新鮮な発見もあります。生活者の視点から、ポーランドの知られざる一面を紹介します。


とにかく治安がいい

ブロツワフの旧市街地にて。昼間からビールを片手にのんびり。

海外移住をするにあたり、まず誰もが気になるのが「治安」だと思います。ヨーロッパ各地で無差別なテロも目立つ中「ポーランドも危ないのでは……?」と考える人もいるかもしれません。実際、隣国のドイツなどでテロが発生しており、その距離は日本と韓国以上の近さ。

実際住んでみての感覚ですが、治安はとても良いと言えます。近年目立ってテロが発生しているのは、パリやロンドンなど、多民族が暮らす国。ポーランドは90%以上をポーランド人が占める、単一民族の国です。そのため今西洋側で起こっているような理由でテロが発生する可能性は、比較的低いと考えられます。

しかし、ゆえに移民への差別もないとは言い切れません。わたしは経験がないですが、通りすがりに「(国へ)帰れ!」と言われたことのある人もいます。どの国でもそうですが、観光客を狙ったスリなどは起こりうる可能性があります。その旨を前提に暮らしている分では、特に危険なことはないように感じます。

物価は日本の半分以下!?

量り売りのマーケット。必要な分だけ買うことができて便利。

これまた気になる問題、「物価」です。ポーランドは2004年にEUに加入していますが、現地通貨の「ズオティ」を使っています。1ズオティで、だいたい日本円にして約30円(2018年1月現在では32円)。時期によって変動しますので、旅行する際はレートをチェックしてみてください。

食費が安いのが何よりストレスフリー

現地の物価はというと……日本の半分以下ではないかと思うほど、かなり低いです。
まずは「食費」。よしながふみさんの『きのう何食べた?』では、男性ふたり分の朝・夜の食事(昼食は各自)を月25,000円でやりくりしていますが、わたしの場合、同じくふたり暮らしで1日3食、週1、2度の外食を含めて40,000円以内です。むしろポーランドでは高い方かもしれません。一人暮らしの学生や、現地の人はもっと安いと聞いたことがあります。

日本にいた頃は、漫画の史郎さんのように「魚が欲しいけど、今日は高いなあ」とか「白菜半分で298円か……」などと頭で考えて、買えたり買えなかったりもしていましたが、こちらにきてからはほとんどありません。よっぽど高いものじゃなければ、大抵のものをかなり安く購入することができるからです。日本だと輸入品店にしかないような固形のチーズやかたまりのハム、どのスーパーでも高いバターも、ポーランドでは100円程度から買うことができます。

外食をする時も、例えばイタリアンレストランでビール2杯、ピザとパスタを一皿ずつ頼んでもひとり1,000円以内。もちろんさらに贅沢をしようと思えばできますが、1杯飲めてしっかり食べられたら十分ですよね。ちなみにビールは、行きつけのパブの場合0,5ℓ1杯で200円程度です。安い!

simカードを使ってケータイ代も激減

何より安い! と思ったのがケータイ代。日本にいた頃はキャリア契約をし、分割された機種代に基本使用量、プラス通話代がかかって月々1万円程度支払っていましたが、こちらにきてからは月々1,000円ほどです※もちろん個人差がありますので、あくまでもわたしの場合です。

今使っているのは、simフリーのiphoneに、こちらで購入した「play」という会社のsimカード。ネットで必要な分だけをチャージして、通話、ネットやアプリなどを使っています。
だいたい20GB=20ズオティほどの計算なので、これだけで600円ほど。通話をする時は、友達であればLINEで十分ですし、国外でどうしても必要な場合は、チャージすればどこでも格安でかけられるskypeの通話を使っています。

日本でもLINEを使ったり、家ではwifiを使ったりしているのに、基本料金が高くて下がることなんて滅多にありません。機種代も払い終わったと思えば新機種が出て、2年使えば壊れて……と繰り返しになり、なかなか支払いが減ることもありませんが、ポーランドでsimカードを使えば、基本料金0、自分にとって必要な量を低コストで使うことができます。

大抵クレジットカードで払える

予想外だったのですが、ポーランドはクレジットカードのシェア率がかなり高い気がします。例えばドイツに旅行に行った際、同じようにクレジットカードで払おうとすると「1つ100円程度のものにカードは使えないよ!」と、断られてしまったことがあります。ところがポーランドでは数十円だろうが何万円だろうが、楽にカードでの支払いが可能なのです。

わたしは現地の銀行「ミレニアム」のクレジットカードを使っていますが、PINの機械にカードを触れさせるだけで支払いが完了。慣れない通貨を1枚ずつ数えて払うより、ずっと楽。マーケットなど使えない店も当然ありますが、大型のショッピングモール、スーパーやコンビニ、駅のチケットマシーンなど、大抵の場所で問題なく使えます。

ポーランドに長期で住むことがあれば、ぜひ現地のクレジットカードを一枚持つことをおすすめします。ユーロ対応したカードにしておけば、ドイツやフランスなど、ユーロ圏に旅行に行く時にも使えますしね。

ポーランド料理は日本人の舌にも合う

ポーランドならではの食材を使った創作料理も美味。

個人的に心配だったのが「食事」問題。苦手なものが多く、「ポーランド 料理」で検索して出てきた写真を見ても、美味しいのかな……? と疑心暗鬼になっていました。特に酸味の強いものが苦手で、「ザワークラウト(キャベツの漬物)」や、ライ麦を発酵させてつくるスープ「ジュレック」など、発酵させたものをよく使うポーランド料理は、自分の口には合わないのではないかと思っていたのです。

実際のところ、食べてみると美味しいものがほとんどです。塩、胡椒のシンプルな味付けのものが多く、懸念していた発酵食品も、日本で言うところの「お出汁」のような感覚で、料理に深みを加えるためのなくてはならない素材だとわかりました。ポーランド料理については改めて紹介します。

ポーランドは「中欧」あるいは「東欧」と呼ばれる地域にある国ですが、ドイツやオランダなど、いわゆる「西欧」に旅行した時は、何を食べていいのかわからなくなり食事難民になりました。ポーランド以上に街を歩けば中華、ベトナム料理、イタリアン、スペイン料理、さらに日本食……とさまざまな国籍のレストランを見つけられますが、どれも(ポーランドに比べて)高い! それに、旅行をするならばその国ならではの料理を食べたいところ。ピザやハンバーガーなら毎日でも食べたい! という人なら問題ないですが、その国の料理をリーズナブルに、ローカルなお店で食べられるのが個人的にはベスト。それらを全て叶えてくれ、かつ美味しいポーランド料理はとてもおすすめです。

時給は約300円!? 生活はどうする?

ポーランドの現地通貨「ズオティ」。2018年1月現在で1ズオティ=約32円

治安がよく、物価も安いので移住するにはとても素晴らしい国ですが、思わぬ落とし穴(?)もあります。それは現地で稼げる「お金」のこと。

ポーランドは2016年から日本人がワーキングホリデーできる国に認定されています。国によっては暮らすのに十分すぎるほど稼げる可能性もありますが、ポーランドはそうではありません。現地の人でも平均的な時給は10PLN(日本円にして約320円)だと言われています。

もちろん仕事によりますので、特異なスキルを持っていたり、外資系の企業で働いたりする場合は変わってきます。ですが、日本人にとって物価が安い=稼げる金額も少ないのが基本。若い人は英語を話せる人が多いですが、年配の方を相手だと、ポーランド語でのコミュニケーションも必要です。
そういった問題も念頭においた上でどうやって暮らしていくのかを考え、ポーランドライフを楽しみたいですね。

この記事のライター

2017年1月より、ポーランドのポズナン在住。フリーランスの編集者、ライターとして活動中。旅と文学が好きです。

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