【ウベダ】中世のスペインがここにある! ルネッサンス様式の世界遺産の街を歩きまわる

【ウベダ】中世のスペインがここにある! ルネッサンス様式の世界遺産の街を歩きまわる

世界遺産になったとはいえ、まだまだ日本からの観光客の少ないウベダです。情報も少ないようなので、たっぷりと紹介します。ルネッサンス時代の建物が並び、歩いてまわるのにちょうどよい大きさの街です。スペインらしさがたっぷりのこるウベダを一緒に歩いてみましょう。


世界遺産の街、ウベダに行ってみよう!

2003年にお隣のバエサと一緒にユネスコの世界文化遺産に登録されたウベダを紹介します。ルネッサンス様式の歴史指定地区だけではなく、街全体がコンパクトですから端から端まで歩いて行けます。

ただ歴史指定地区には素敵な路地がたくさんあるので、とにかく歩き回るのが楽しい街です。ただひたすら歩きましょう。もしかしたら、角から騎士団長が現れるかもしれません。

城壁沿いに街に入る

オリーブが並んでいます。

車でウベダに入る場合は、城壁沿いに入ります。そこからは遥か遠くまでオリーブ畑の広がりが見えます。ウベダの街は比較的平坦で坂の少ない街ですが、標高は結構あります。雨上がりの日に来ると、霞が眼下に広がってとても綺麗です。

オリーブ畑が見える展望台の前には家が並びます。

展望台のようになっていて、そのまえが駐車場、そして公園があり、家が続きます。元々は普通の家だったのですが、車で来る人が増えてだんだんとバルやお店になりつつあります。街の中心部の方が伝統的なバルが多く、この辺りは古い建物を利用しながらも、どちらかというとアーティスティックなお店が多いようです。

おみやげ屋さん

展望台の前をずっと歩いて行くと(だいたい10分くらい)曲がり道がありその角にこのおみやげ屋さんがあります。いろいろ売っていますが、このお店ははとくに銅製のものがステキです。ピカピカに磨いた銅のお鍋が壁にかかったお台所は憧れですが、お手入れが大変そうでしょうね。おみやげ用にドールハウスにも使えそうなミニチュアの銅なべセットがあります。

歴史地区へ続く道

スペイン語でトレン

そして観光列車(実はバスですが)に出くわしました。ひとまずこれで一周してから、そのあと歩いてじっくりまわるというプランもいいかもしれません。

この道にも古い建物が続きます。

この通りは住民のみ車で入れる地域です。日当たりがよく暖かいので、1月、2月でもテラッサで食事をする人がいます。このバルのトイレは、生理用品、コロン、コンパクトティッシュなどが常備されてとても親切です。おまけに少しだけ食べたいなーという場合の小さめメニューがリーズナブルな値段であります。ウベダのイチオシ一のバルです。

バルのお向かいにある陶器屋さん

こちらは6世代で陶器を作っているお店。と言っても現在稼働中なのは4世代だけです。それでもすごいですよね。ウベダは陶器のお店がたくさんあります。人間国宝というのかどうかわからないのですが、無形文化財に指定されたティトさんをはじめとして、陶工が集まっているのは多分ここによい土があるからなのでしょう。

店内はごく普通の一軒家。階段にも陶器が置かれています。

陶器にバラエティーがあるのは、20代の息子さん、40代のお父さん、70近いおじいさん、そして他の家族も一緒に作っていてそれぞれに得意分野と好みがあるからだそうです。手作りらしいいびつさがある食器は、いつまでも飽きずに使えます。小鉢になりそうなものが多いので、日本食にも重宝しそうです。

これがハエンで一番伝統的なブルーと白の模様です。

ダンスの公立学校

こちらは公立のダンス学校です。国立のダンスのためのコンセルバトリオ(コンセルバトリー)とは別に、市が経営している教室で誰でも学べます。ここからコンセルバトリオに入学する子もいるくらい本格的なクラスです。午後に行くとカスタネットやギターの音が聞こえて来ます。

ルネッサンスの街並みがあるバスケス・デ・モリーナ広場

エル・サルバドル聖堂

エル・サルバドル聖堂(Sacra Capilla del Salvador)はルネッサンス時代に権力を持ったフランシスコ・デ・ロス・コボス(Francisco de los Cobos y Molina)が経済的に支援をして作られた聖堂です。フランシスコ・デ・ロス・コボスは当時の王国の書記。当時の王様カルロス1世は同時に神聖ローマ帝国のローマ皇帝カール5世(カルロスの名前はドイツ語でカール、スペインだとローマ皇帝の場合もカルロス5世と呼びます。ややこしいですね。)でしたから、内政はほとんどフランシスコ・デ・ロス・コボスに任されていました。そのため、彼の出身地に美しい建物が次々に作られて行ったのです。そして当時花形の建築家であったアンドレス・デ・バンデルビラ(Andrés de Vandelvira)がウベダに招待されました。エル・サルバドル聖堂は最初ディエゴ・デ・シロエが着手しましたが、最終的にはバンデルビラの代表作品として有名です。

興味深いのはサン・サルバドル聖堂に掘られた家紋。右と左に違う家紋が彫られています。男性が支え持っている家紋はフランシスコ・デ・ロス・コボスの家紋、そしてもう一方の女性が支えている家ロス・コボスの妻の家族の家紋です。この時代でも男女が平等だったということでしょうか。

現在でもスペインの法律はとても男女平等に作られています。たとえば夫婦で家を購入した場合、妻が働いていないとしても購入した時点で所有者は半分ずつ夫婦のものになります。そのためかどうかはわからないのですが、スペインでは遺産目当てに配偶者を殺すサスペンス映画や小説がほとんど見当たりません。

パラドール。右側にこれからパラドールの内部を見学する観光客グループがいます。

そしてお隣はデアン・オルテガ宮殿(El palacio del Deán Ortega)、現在はスペイン国営ホテル「パラドール」として使われています。パラドールに関しては別記事で詳しく紹介していますから、そちらをご覧ください。

【ウベダ】パラドールはルネッサンスのお屋敷! スペインの貴婦人になって旅をしよう

http://travelclip.jp/articles/452

スペインを旅行するときは、パラドールもチェックしましょう。パラドールはお城やお屋敷など歴史的建造物を使った国営ホテルです。ウベダにもルネッサンス様式のパラドールがありますから、ぜひのぞいてください。コーヒーを飲むだけでも、思い出になりますよ。

バスケス・デ・モリーナ邸の前から見たサン・サルバドル聖堂

庭園部分はカクカクに切り込んでいますが、建物の内部に入り、2階から見るとその美しさがわかります。庭というのは上から見下ろすためにあった時代の美意識なのかなと思いました。

トゥクトゥクのような小ぶりバス

こちらは大型のトレンと呼ばれる観光バスとは違って、グループで申し込める小さめバスです。赤くてかわいいデザイン、よく見るとメルセデス・ベンツのマークがくっきり! 多分乗り心地がいいと思います。

警察署

こちらは警察署です。地元警察のオフィスで、ウベダには凶悪犯罪などなさそうですので、ほぼ身分証の書き換えが主な仕事と思われます。ここは1558年に建設されたポシト (Pósito) 、つまり共同穀倉だった建物です。内部に入るとガラス張りで、近代的に改装されています。

キオスク

広場にある警察署横にあるキヨスク(スペイン語ではキオスコKIOSCO)です。スペインでは新聞配達の習慣がないので、新聞は読みたいときにキヨスクで買います。私のように田舎生活をしていると、キヨスクを見るだけで、「ああ、都会だな」と感じてしまうくらい、田舎者には都会的シンボルです。マドリッドなどにはあちらこちらにありますが、こんなにかわいい小人の家のようなキヨスクはないと思いますが、いかがでしょう。キヨスクでは、新聞の他に冷たい飲み物、駄菓子類、雑誌などが売られています。雑誌には雑誌本体の雑誌そのものより高そうな付録が付いていたりするので、お土産にいかがですか?

バシリカ・デ・サンタ・マリア(Basílica de Santa María de los Reales Alcázares)

同じ広場にバシリカ・デ・サンタ・マリア、一般的にサンタ・マリア聖堂と呼ばれる協会があります。13世紀から建設が始まった建物で、もともとはイスラム教のモスクでした。700年の間、リフォームを繰り返しているので、様式もかなりミックスされた建物です。

バスケス・デ・モリーナ(El palacio de Vázquez de Molina,または、El palacio las Cadenas)

サンタ・マリア聖堂の真ん前にあるのがバスケス・デ・モリーナ邸で、カサ・デ・ラス・カデナ、鎖の館とも呼ばれています。ここは現在では市庁舎として使われており、2階に古文書を収納した図書館があります。アラトリステの映画でも使われた古い雰囲気が保たれた図書館ですが、毎年5月にコンサートが開かれます。広すぎない一室で、壁が全部棚になっておりそこに古文書が収納しているので、音が柔らかくなります。普通の部屋ですと壁が石でできているのでエコーがつきすぎるのです。ここで開催される室内楽のコンサートは私と私の母のお気に入りです。

パラシオ・ベラ・デ・ロス・コボス邸、フランシスコ・デ・ロス・コボスの家族の館、バンデルビラ設計の建物

モリーナ邸から歩いて2分くらいのモリーナ通りにパラシオ・ベラ・デ・ロス・コボス(Palacio Vela de los Cobos)があります。この館は19世紀から個人の持ち物ですが、問い合わせれば中に入れるそうです。次回はこの建物のレポートをしたいと思います。

音楽が聞こえてくる5月1日通りと5月1日広場

定食6.5ユーロと激安のバル。まだ入ったことがないので一度入りたいです。

プリメロ・デ・マジョ( primero de mayo)通り、つまり5月1日通りに入ると新しいバルができていました。街で働く人たちが次々に入っていきます。こういうバルはおいしいのです。

左のアーチのある建物はコンセルバトリー

通りからプリメロ・デ・マジョ広場への入り口にある建物がウベダのコンセルバトリーです。国立の音楽学校で、ここは初級(エレメンタル)と中級(プロフェショナル)があり、年齢にすると高校卒業までここで学びます。広場には野外音楽堂もあり、夏はそこでも演奏します。午後に行くとコンセルバトリーで学ぶ子どもたちがおやつを食べていて、日本人を見つけると人なつこく話しかけてきます。

日時計(コンセルバトリーの壁)

カトリックの世界では1日になんども祈りの時間がありますが、朝課、賛課、1時課、3時課、6時課、9時課、晩課、終課というように日本では呼ばれています。ただし、1時課が午前または午後1時にするわけではありません。実は午前6時なのです。スペイン語では、直訳すると12分の1のひとかけらとなり、それを1日の最初の祈り、primaと呼び、その後12分のの1の2番目のかけらと続きます。その呼び名の意味が「日時計」を見ると意味がわかります。最初にお日様が照らす場所から祈りは始まり、12分に別れる「かけら」を追いながら時間割通りに祈っていたのでしょう。

ウベダには小ぶりの日時計を作っている陶工がいます。素朴な粘土そのままの板に目盛りをつけ、金属の針を立たせています。おみやげ屋さんか、バリオ・アルファレロ(barrio alfarero)と呼ばれる陶工の集まった地域に行って探して見ましょう。小ぶりなものは10ユーロくらいからありますからスペインのおみやげとしても人気です。

広場

コンセルバトリーから見た広場です。左側に見える教会はウベダで一番古い教会、サン・パブロ教会(Iglesia de San Pablo)。

Iglesia de San Pablo

サン・パブロ協会はロマネスクとゴティックという全く逆の様式がミックスしていて、興味深い建築物です。そばによって細やかなところまでじっくり鑑賞してください。

この広場から近い市役所のある広場(プラサ・デル・アジュンタミエント、Plaza del Ayuntamiento)には国宝級の陶工のお店もあります。

【ウベダ】世界遺産の街の陶器に魅せられて! 陶工ティトさんに会いに行こう

http://travelclip.jp/articles/451

アンダルシア、北東部のハエン県にある世界遺産の街ウベダに住む陶工ティトさんのお店を紹介します。スペインといえば陶器やタイルが人気ですが、一般にスペインの陶器といって思い描くものより、シックなデザインです。でもこれもスペイン。スペインの国宝級の陶工の作品をじっくり見てくださいね。

ウベダへのアクセス

ウベダには列車の駅がありませんからバスで行きましょう。マドリード(メンデス・アルバロ駅)、コルドバ、グラナダ、ハエンから直通バスが出ています。マドリードからはサマール(SAMAR )社、コルドバ、グラナダ、ハエンからはアルサ(ALSA)社のバスです。

マドリードからは時間が長いので途中、休憩を15分くらいとります。

車利用の場合はA-4を利用してください。マドリードから3時間半くらい、コルドバから1時間半くらいです。

ルネッサンスの時代にタイムトラベル!ウベダの街を歩いてみよう

ウベダは小さな街です。日帰りでも大丈夫かもしれません。でもやはりじっくりと味わってほしい街です。パラドールや石造りの宮廷を使ったホテルがありますからゆっくり宿泊して、歩いてくださいね。

この記事のライター

スペインに住んで18年になります。小さな素敵な町やお祭り、工芸品などスペインらしいスペインの旅を楽しむ情報をお届けします。

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