【ウベダ】パラドールはルネッサンスのお屋敷! スペインの貴婦人になって旅をしよう

【ウベダ】パラドールはルネッサンスのお屋敷! スペインの貴婦人になって旅をしよう

スペインを旅行するときは、パラドールもチェックしましょう。パラドールはお城やお屋敷など歴史的建造物を使った国営ホテルです。ウベダにもルネッサンス様式のパラドールがありますから、ぜひのぞいてください。コーヒーを飲むだけでも、思い出になりますよ。


ルネッサンスの街、ルネッサンス様式の建物

左の建物がパラドール。

ウベダのルネッサンス様式の主要建物である「エル・サルバドル聖堂(Sacra Capilla del Salvador)」の隣が、ウベダのパラドールです。パラドールは、デアン・オルテガ宮殿(El palacio del Deán Ortega)ドナディオ公爵宮殿( palacio del Marqués del Donadío) と呼ばれていました。デアンというのは大学の学部長ですから、当時の大学という存在の大きさを感じさせられます。

この屋敷がパラドールになったのは、1930年でパラドールの中では2番目に古いものです。(1番古いパラドールはトレドにあるそうです。)

パラドールは2階建ての建物

パラドールを正面から見るとこのような感じです。どっしりとした雰囲気の建物ですね。

パラドールの入り口。12月なのでクリスマスの飾り。

パラドールは16世紀の建物で、ルネッサンス建築でスペインを代表するアンドレス・デ・バンデルビア(Andrés de Vandelvira 1505〜1575)です。バンデルビアは当時としては習慣に振り回されず、ユニークな建物を作っていたスター的存在の建築家でした。パラドールの隣にあるエル・サルバドル聖堂や私の住んでいるウベダから45キロメートルの位置にあるカソルラにあるサンタマリア教会、ハエンにあるヌエストラ・セニョーラ修道院など建築物を残しています。

パラドールに入るとすぐにパティオ。

パラドールの大きな特徴は、入るとすぐに広いパティオがあることです。ここはガイド付きウベダツアーのスポットのひとつで、午前中はよく観光客グループがガイドさんの説明を聞いています。気軽に入れますし、トイレも自由に使えますから、ウベダ観光のときは便利です。

階段から下を覗く。

階段を登るとゲストルームのあるフロアですが、階段には絨毯が敷いてあるので音が響きません。とても静かなホテルです。

2階はゲストルームになっています。

お屋敷を改造してホテルにしていますから、それぞれの部屋によりイメージがかなり違うようです。もともと主寝室であった部屋が一番広く、眺めもよいそうですから、予約するときは問い合わせてください。宿泊料はあまり高くなく、普通の部屋で2食付き25,000円くらいです。素泊まりで12,000円(2人使用)。

2階から見たパティオ

観光客グループの来ない、午後はパティオでお茶をしている人も多く見かけます。朝ごはんの時間外の午前中は次の章で紹介するカフェテリアでコーヒーが飲めます。

レセプション

ホテルといえば、入り口から見えるところにレセプションがあり、常にレセプショニストが笑顔で迎えてくれるものですが、ウベダのパラドールはレセプションが小さなお部屋でした。「働く」という観点からだと最高ですよね。用事のある人だけがレセプションのある部屋に入って、それ以外のときは静かに自分の仕事に集中できて。

パラドールのカフェテリア、コーヒーをどうぞ

パティオの横の階段を降りるとカフェテリア

古い建物の石の階段ってドキドキしますよね。この細い螺旋階段を降りるとカフェテリアがあります。ただ時間外だと働いている人がいなくて、すぐにコーヒーを飲めないかも。そういう心配はありますが、誰もいないからって入ってはいけないわけではないので、安心していろいろなものを観察しましょう。

暖炉で料理を作るときはこのような枠にぶら下げてお鍋を温めます。

入り口にお鍋があるのでちょっとびっくり。日本の囲炉裏だと天井からお鍋をぶら下げるのですが、ヨーロッパの暖炉は四角い箱の中に火を焚来ますから、こういう鉄の吊り下げ道具が必須なんですね。

入り口にあったのですぐにはお鍋だとわかりませんでした。教会の入り口に置いてある水を入れた容器に似ていると思ったのです。例えば入る前に手を洗うためのものとか。

カフェテリア内部。実際より暗く感じるのは光のせいです。

地下室だから暗いの? 実際にはこの写真ほど暗くありません。窓の光に合わせてシャッターを切ったのでこのように写ってしまいました。

この日もホールスタッフが誰もいませんでした。ちょうど閑散期で午前中はパティオに来る団体客(彼らは何も食べたりせず、歴史建物の解説を聞いて出て行きます。)が来るだけなので、レストランの方で仕事をしていました。やっと夫が見つけだして、コーヒーを2杯注文できました。

スペインのコーヒーは普通、1ユーロ20センチモで、ほぼスペイン全土で共通です。不思議にコーヒーの値段はいつも同じですが、政府が決めているのでしょうか? パラドールは1ユーロ90センチモでした。長い歴史の中ではコーヒーは基本ワンコインということになっていて、長い間100ペセタだったのですが、ユーロになっていきなり1ユーロ。でもさすがに、ワンコインでは難しくなったのでしょう。

天井にも注目!

建物を見るとき、天井もチェックしましょう。アルテソナード(Artesonado)と呼ばれるのは天井の装飾のことですが、カフェテリアのアルテソナードはシンプルに木材が横に一列に並べられたデザイン。普通の農家にも見られる一番トラディショナルなアルテソナードです。

カウンターがシンプルなデザイン。カスティーリョ様式

全体にカスティーリョ様式(estilo castellano)の家具が置かれています。カウンターもすっきりとカスティーリョ様式です。なんの装飾も施されず、ただ木の質感だけ。夫に言わせると「わびさび」様式。フランスのスウィートな装飾のあるカフェテリアとは、まったく違いますね。

椅子もラ・マンチャの典型的な椅子で、骨組みを木で作り、背当てと座る部分(尻当て?)として革を貼り付けているシンプルな作りです。

井戸があります。今は井戸のアイテムが飾ってあるだけです。

もともとお屋敷だったこの建物。カフェテリアはどうやらお台所だったようです。だから入り口に暖炉用のお鍋が飾ってあり、内部に井戸のアイテムがある、そういうお台所の物語がここにひっそり隠れています。

かつてここで料理をする人やお皿を洗う人たちがお話をしながら、物語を紡いでいたのでしょう。耳をすますと、話し声が聞こえてくるような気がします。

カフェテリアに続くパティオには大きな扉があります。

トイレに行くためにパティオに出ると、大きな扉がありました。ここになぜこのように大きな扉があるかというと、お台所に馬車でいろいろなものを運んでくるため。なるほどと。でもここは地下室なのになぜ馬車が入ってこれるのかなと思うと、建物の反対側は低くなっていて、地下室が実は地上なのでした。

坂がある街だとそういうちょっと不思議な家がけっこうあるんですよね。

パラドールのレストラン、思ったより質素

レストランはパティオの横

レストランもシンプルにカスティーリョ様式のデザインです。メニューもウベダの典型的な料理が多く選ばれています。その中でオススメはアンドラッホ(Andrajos)。アンドラッホというのはスペイン語でボロ切れという意味です。どんな料理か想像できましたか? ぐつぐつ煮たおいしいシチューのような料理に小麦粉を練ってのばしたものが入っています。つまりスペイン式のすいとんです。(若い人はすいとんなんて知らないでしょうか? 第二次世界大戦のころ食べていた食べ物です。)

ステキな主婦のいるお屋敷で食事を用意していただいてるように感じる、家庭的雰囲気のレストラン

グラナダからのプレゼント?

レストランに続く小ぶりなパティオ

見るためだけに作られる小さめのパティオというのは、日本の床の間とどこか似ているように思います。おまけにたいていの場合、石が敷き詰められたタイプの庭。そこにひとつの空間、世界観を詰め込んでいて、日本の思想は意外とスペイン人には理解しやすいのかもしれないと思います。

例えばローマ時代の風習や法律、社会システムに日本と共通するものが多いという事実も興味ふかいものがあります。

ウベダのパラドールに行ってみよう

やっぱりスペイン旅行をしたら一度は泊ってみたいパラドール。ウベダのパラドールは、お城ほどの威厳はありませんが、ルネッサンス時代、中世のお嬢様気分が味わえてなかなかステキです。パラドール以外にも古い屋敷を改造したホテルがたくさんあるので、またレポートしますね。

パラドールのお部屋は下のリンクから見てください。きっと泊まりたくなりますよ。

この記事のライター

スペインに住んで18年になります。小さな素敵な町やお祭り、工芸品などスペインらしいスペインの旅を楽しむ情報をお届けします。

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