【ウベダ】世界遺産の街の陶器に魅せられて! 陶工ティトさんに会いに行こう

【ウベダ】世界遺産の街の陶器に魅せられて! 陶工ティトさんに会いに行こう

アンダルシア、北東部のハエン県にある世界遺産の街ウベダに住む陶工ティトさんのお店を紹介します。スペインといえば陶器やタイルが人気ですが、一般にスペインの陶器といって思い描くものより、シックなデザインです。でもこれもスペイン。スペインの国宝級の陶工の作品をじっくり見てくださいね。


世界遺産の街、ウベダ

ウベダを代表するルネッサンス様式の建物

ウベダは2003年にお隣の街バエサと一緒に「ルネッサンスの双子都市」としてユネスコの世界文化遺産に登録されました。双子のように一緒に同じように大きくなった双子都市です。特にルネッサンス時代に栄え、ルネッサンス様式の建物がたくさんあります。この中世の雰囲気がいっぱい残ったウベダに、いわゆる人間国宝的な陶工、ティトさんのお店があります。陶器が好きな人に、ぜひ訪れてほしいお店です。

ティトさんのお店に入ろう! お店の入り口

ティトさんのお店には、たくさん作品が飾っています。それなりに売れているんでしょうけれど、昔の作品などもあり、まるで美術館のようにいろいろな陶器が並んでいるのでいて、見ているだけでも楽しく過ごせる空間です。

入り口の左側には住宅に入るための階段があり、階段の壁に絵皿が並んでいます。スタイルはいろいろ。ハエンの典型的な陶器は、白地にブルーです。古典的ですよね。そして、一般的にティトさんの作品と言われている作品が緑色の陶器です。緑の下地にブラウンで連続模様が描かれています。

入り口には大きめのツボが並びます。真ん中に「ビデ」がありますが、どれだかわかりますか? もちろんわかりますよね。女性が描かれているツボがビデです。ビデはご存じのように、スペインのトイレには必ずあるものですが、1970年代に日本人の旅行者が知らずに、ビデの方で用を足して詰まってしまうという事件が頻繁に起こっていました。つまり、今では便器とビデはほぼ同じような形で水が出るようになっていますが、昔は写真のような陶器のビデを使っていたのです。

ビデに水を入れてベッドの横、または下に置いて使っていました。いちいちシャワーを浴びるということもできなかった時代のビデ。不思議なのはビデはフランスで生まれたのですが、カトリックの国でしか使われていないということです。ピューリタンは使わないというのは、いろいろと宗教的な意味合いがあるのでしょう。しかし、今ではアメリカ合衆国では「贅沢な家」を建てるときはビデを置くらしいです。これは宗教とはまったく関係ないことですね。

ティトさんのお店の中にはパティオもある

ティトさんのお店は一見ごく普通の集合住宅と変わりないように見えるのですが、内部に入るとちゃんとパティオがあってその周りにもたくさん陶器が並べられています。パティオがあるのは典型的なアンダルシアの家の構造。ですから、陶器を見るだけではなく、アンダルシアの普通の家を観察できて一石二鳥ですね。こんなパティオのある家に住んでみたい!と思いませんか?

水差しなどが並びます。壁に飾ってあるものの中には、歴史の感じられるものも。

ティトさんのお店で何かひとつ買おうかなと思ったら、個人的にオススメはワイン用ゴブレットです。値段的にもちょうど良いですし(5ユーロくらいからあります。)、やはりワインを日常的によく飲むスペインのゴブレットというのがポイントでもあります。ワインと一緒にプレゼントしても素敵です。それにかりに普段はまったくワインを飲まない人にも、きっと喜んでもらえます。というのも、番茶を飲むにもかなり使い勝手が良いから。番茶を入れるとトラディショナルスペインがモダン和風に変化します。お酒を飲めない母がいくつも買って、お茶を飲むために使っています。てのひらに馴染んでなかなかステキですよ。

パティオを一周しました。

スペインを代表する陶工、ティトさん

ティトさん登場!

ウベダからマドリード行きのバスに乗るとビデオが見られます。ウベダの紹介ビデオなのですが、半分くらいはティトさんについてのレポートでした。小学校の教科書にも掲載されていて(日本でいう「新しい生活」という教科です。)、子どもたちも名前を知っているスペインを代表する人です。

かなり存在感がありますよね?

存在感あるーという私の気持ちがわかったのか、「焦らなくていい。ゆっくり何枚撮影してもいい。時間はたっぷりある。」とおっしゃっていただきました。でもポートレートってやっぱり撮影のときに緊張します。

「芸術家」という雰囲気ですが、意外と気さくな人です。母と一緒に行くと、いつも母にこっちに来て座れと(しつこく)誘ってくださいます。母はナンパ師と言いますが、母は1927年生まれ、ティトさんは1943年生まれですから、それはないと思うのですが、どう思いますか?

この日はまだそんなに寒くないせいか、暖炉に火は灯されていませんでした。ティトさんはいつも暖炉の前に座って、陶器に絵を描いたり、できあがった作品を見たりしています。たいていの場合、ティトさんはこのお店の中にいるので、陶器に興味のある人は、話しかけて見ましょう。きっと喜んでくれますよ。

ティトさんのお店で買うならこれがオススメ!

ティトと呼ばれていますが、本名はフランシスコ・マルティネス・ビジャカニャス(Francisco Martínez Villacañas)で、パコ・ティトとも呼ばれます。フランシスコの愛称はパコ。初めてスペインに住んで、スペイン人と知り合い名前を教えてもらった時に、日本人が一番戸惑うことがスペイン人の愛称がただ元の名前を縮めただけではないことです。フランシスコはパコ、ホセがぺぺなど。いろいろとカトリックの逸話に関係してるのですが、その話はまたの機会に。

そしてティトはおじさんに当たるティオの変形。少し柔らかく、おじちゃんという感じ? 先代であるティトのお父さんもティトの名前で陶工をしていました。ティトってなんだかかわいい音感ですよね。スペイン語って口にしているとだんだんその良さがわかってくる言語だと思います。

ティトさんのお店には、お庭も!

ティトさんのお店の中にはパティオ(中庭)がありますが、中庭とは別に庭もあります。古い作品が並べられ、それとは別に作ったばかりのまだ焼かれていないものが乾かされていたりします。古い水のシステムのようなものもあり、昔の生活を垣間見られます。

白っぽいツボは水用です。夏もこのような水差しに水を入れておくといつも冷たい水が飲めます。

大きなお皿をスペイン語ではフエンテ(fuente)と言います。つまり泉という意味です。泉は水が湧いて来ますよね? この大きなお皿からは、いつまでもなくならないくらいたくさんの料理が溢れ出てくるのです。

大きな深めのお皿がたくさんありますよね。かなり大きくて、ちょっとサラダを盛っても、収まらないくらいとにかく大きいのです。この大きなお皿に家族、昔のスペインの家族だからきっと10人以上の大家族グランファミリアが食卓を囲み、大きなお皿から自分のお皿に料理を盛り分けるとき、きっとワクワクしていたことでしょう。

ティトさんの店の前の広場

オレンジの木にオレンジの実がなっています。市役所のある広場です。

ティトさんのお店はウベダの歴史指定地区にあります。パラドールがあるところからすぐです。市役所広場(Plaza de Ayuntamiento)にあるので、ヒトに訊けばすぐにわかります。ステキなカフェテリアもある広場ですから、観光に疲れたらここに来て一休みし、陶器鑑賞をしましょう。

ティトさんのお店です。外からは普通に集合住宅のように見えますよね? 見過ごさないで必ず中に入りましょう。

ティトの作品はウベダ市内のお土産やさんにも売っています。観光客に人気なのは緑色の作品なのでお土産物屋さんは緑の陶器を主に扱っています。緑はアンダルシアの色だからそうです。アンダルシアの旗も緑。

Plaza del Ayuntamiento 12

Úbeda - Jaén

tito@alfareriatito.com
953 75 13 02

ティトの作品が見られる場所は、バルセロナ県アルヘントナのボティホ美術館、セビージャのカサ・デ・ムリーリョなどでも見られます。

ティトさんに会いにウベダに行かない?

スペインといえば陶器やタイルが有名ですが、やはりいわゆるお土産やさんのものではなく、陶工のサインの入ったオリジナルセラミックがオススメです。実はお土産やさんの陶器より安いものもいっぱいあるんですよ。ひとつひとつ愛情を込めて作られた陶器は特別な味わいがあります。

ぜひティトさんのお店を訪ねてくださいね。

この記事のライター

スペインに住んで18年になります。小さな素敵な町やお祭り、工芸品などスペインらしいスペインの旅を楽しむ情報をお届けします。

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