【スペイン】マドリードから行く不思議空間! 中世の街メディナセリに出かけよう

【スペイン】マドリードから行く不思議空間! 中世の街メディナセリに出かけよう

マドリードから1時間半でたどり着く石造りの家々が並ぶ中世の街「メディナセリ」に出かけてみませんか? 白い村とは別の意味で、とてもスペインを感じさせてくれる街です。人口は1000人にも届かない小さな集落ですが、そこにはぎっしりとスペインが詰まっています。


メディナセリ、ローマ時代から続く街

arco romano

カスティーリャ・イ・レオン州のソリア県(Provincia de Soria)にあるメディナセリはアンダルシアとは別の意味でとってもスペインを感じさせる美しい村です。メディナセリはマドリードから車で約3時間くらいです。ローマ時代以前からケルティベリア人(Celtíberos)、イベリア系ケルト人が住んでいました。今もローマ時代の遺跡が残っています。青い空の下でローマ人の作ったアーチはとても映えて、空がもっと高く感じられるのが不思議です。中世の人たちはローマ人をどのように感じていたのでしょうか。昔の人たちがこのアーチを壊すことなく、そこにあることを認めていたということにとても興味があります。

アルコ・ロマーノからの風景

メディナセリの周りはご覧のとおり見渡す限り大地が広がる、そんな場所です。メディナセリ、Medinaceliはケルト語が語源で、メディナが街を表しceliはOkelisがoceliに互恵変換したと考えられています。意味は丘(colina)。また他の説ではmadīnat Sālim、つまり安全な街、セキュリティーの街とも言われています。丘の位置などが防御にも見張りにもちょうどよくて、かつて栄えた街なのでしょう。

メディナセリの「マジョール広場」

Plaza Mayor

メインの広場であるマジョール広場です。ここにメディナセリの宮廷、Alhóndiga(アルホンディガ)と呼ばれるいわゆる倉庫(現在ツーリストインフォメーションとして利用されています。)など主要建物が並んでいます。

メディナセリは建築物にレンガなど人工的な素材を使うことが禁じられていますから、もちろん広場の床も石を敷き詰めています。街の維持費だけでもかなり高額になりそうです。

建物の下のアーチは横から見るとこんな感じ。

多くのスペインの街で見られる建築様式です。現在でも多くの建物がこのような形で建設されます。1階部分が店舗になっていて、2階から上は道幅の長さ分飛び出した形、つまりその分広く作られています。そのため店舗部分はアーケード街のようになり、雨が降っても歩いている人が濡れずにゆっくりウィンドウを覗きながら歩けます。そして上階の住居部分は広くなるので一石二鳥というわけです。

詩人Gerardo Diegoの詩

広場の建物の下のアーチを支えている柱の一つに、タイルでできたパネルがはめ込まれていました。グループ27と呼ばれる、フランスでいえば(たぶん)サルトルがサンジェルマン・デプレにいたあの時代の文学のグループに属していたヘラルド・ディエゴの詩が掲げられています。「ダイヤモンドのような天空の街、メディナセリ」と歌われ、メディナセリは天に一番近い街とも呼ばれていました。

メディナセリの街を歩く

細い道が続く

メディナセリの街はその後特に中世に発展しました。そして市民戦争の時代も含めて特に争いなどがなかったため、街はきちんと保存されています。道も馬が街を走っていた頃の幅をキープしていて、それがメディナセリの「特徴」となっています。
そういうわけでメディナセリの道は狭く入り組んでいます。場所によっては両手を広げると左右の指に壁が当たってしまうくらい道が狭くなっています。中世の頃から爆撃も受けずに守られてきた街ですから全く変わらない姿が残っています。

あちらこちらにあるアーチ

レンガと違って、決まった置き方があるわけではないので、石職人はデザインを考えながら積み上げていかなくてはなりません。ランダムにも見えますが、積み立て方をいろいろ工夫しているのでしょうか。

石垣などを修復する場合、ひとつひとつの石のナンバーをふって、一旦取り外したものをまた元のように置きます。私のように大雑把な人間にはできないことです。

どの建物も石造りです。ご覧のように石を切り積み重ねて作られています。

メディナセリは人口741人(2016年統計)です。10年前は400人くらいでしたから、わずかですが人工増加中の街。決して寂れているわけではありません。でももし日本で1000人以下の街で家を購入しようとしたらいくらくらい必要でしょう? ところがメディナセリの家は意外と高価です。その上メディナセリでは建築法を厳しくして街の雰囲気が変わらないようにしています。メディナセリではレンガを使うことは法律で禁止されています。「レンガ造りの家」というとなんだか洒落たイメージがありますが、石造りの家が規定なのだそうです。そのため、購入する人はリフォームにも100パーセント石を使わなくてはならず、かなりの出費になるそうです。例えばアンダルシアの我が家の場合、レンガを使ってリフォームしました。150平米の小さな家で、だいたい48,000ユーロ必要でした。石の場合は少なくとも2倍は必要ですし、また家そのものの大きさがメディナセリの場合ずっと大きいので、たぶん4倍以上必要なのではないかと思います。

街はずれの礼拝堂(エルミータ)

arco arabe

アルコ・アラベを出ると街のはずれに出てしまいます。アルコ・アラベは写真で見るとアルコ・ロマーノより小さそうに見えますが、実は結構大きいのです。ただアルコの上の部分が長いので小さく見えるだけです。わずかに頂点が突出していて、アラブ式の雰囲気が出ています。

Ermita del Beato Julián de San Agustín

メディナセリにはたくさん宗教関係の建物があります。マジョール広場の写真の奥に見えたコレヒアータ・デ・メディナセリ(Colegiata de Medinaceli)や修道院、そしてエルミータと呼ばれる礼拝堂です。

エルミータの内部にはたいていの場合、日本でいうならお神輿に当たるものが収納されています。

シンプルな作りです。小さな明り取りの窓と屋根の上の鐘

メディナセリの街の外にある十字架

作家や詩人、アーティストが住んでいそうなメディナセリ

Galería de Arte

メディナセリとにかく静かなところにいたい人にはぴったりなところです。詩人が天に近い街と書いてるだけに、多くの詩人や作家が住んでいそうなところです。ステキなギャラリーもありました。ガレリア・デ・アルテ、メディナセリ(Galería de Arte,Medinaceli)と書かれた看板がかかっています。

メディナセリではギャラリーだけではなく、アートの催しがたくさんあります。オペラフェスティバルや古楽器フェスティバルなど。

宿泊とレストランでオススメのラ・セラミカ

Hostal,¨La Ceramica¨

ラ・セラミカは食事と宿泊ができるところです。カサ・ルラール(casa rural )というのは古い家を改造して宿泊施設にしたもので、暖炉があったり地元料理が食べられたりして、その土地の習慣などを楽しめます。

ラ・セラミカは伝統的な料理も楽しめます。うずらのエスカべチェは日本で南蛮漬けと呼ばれる料理に近い料理です。そのほかソリアではおいしい生クリームのようなバターが特産ですが、ラ・セラミカでも売っています。

また乾燥した地域はハモンセラーノなど加工肉がおいしいのも特徴です。

★★ Casa Rural La Cerámica, Medinaceli, España

https://www.booking.com/hotel/es/la-ceramica.es.html

La Cerámica ocupa un edificio de piedra exclusivo en el centro histórico de la bohemia localidad de Medinaceli y ofrece habitaciones de estilo rústico con...

メディナセリへのアクセス

メディナセリはマドリードのサラゴサの間にあります。E90高速でサラゴサに向かって行くと約1時間30分で到着します。

マドリードからバスで行く場合は、アルサ(ALSA)社のバスにアベニーダ・アメリカから乗ります。約1時間半で到着します。10ユーロ70センチモ(2017年12月現在)

ほんの少し、現実から逃避しよう!

自分の靴音しか聞こえない街。タイムトラベルしたように錯覚しながら、耳をすませると自分の声が聞こえてくるかもしれません。本当のあなたに出逢う旅。きっと明日が変わる、そんな旅に出かけよう。

この記事のライター

スペインに住んで17年になります。小さな素敵な町やお祭り、工芸品などスペインらしいスペインの旅を楽しむ情報をお届けします。

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