【スペイン料理】セニョーラスがよく使うスパイス10選をそろえてワンステップ上の料理

【スペイン料理】セニョーラスがよく使うスパイス10選をそろえてワンステップ上の料理

スペインで食べたあの味がどうしても出ない! と思ったらやっぱりスパイスに秘密がありました。筆者はアンダルシアで調理師資格をとりましたが、そのとき料理に使うワインとスパイスについてかなり勉強しました。ほんの少しだけスパイスを入れることでお料理の味がプロ並みになります。まず、使い方から説明しますので参考にしてください。


スペイン料理でのスパイスの使い方

モルテーロ2種

もちろんスペイン料理でも、直接お鍋にパラパラ入れてもOKです。しかし多くの場合、モルテーロ(moltero)というすり鉢のようなもので潰して使います。粉末のものも、他のものと一緒に混ぜてモルテーロでこねてから鍋に加えていきます。

例えばギソ(guiso)というスペイン風煮物の場合、肉じゃがと同じように材料を炒めてだし汁(スペイン料理の場合ガラスープ)で煮含めますが、そのときモルテーロでにんにく、軽く揚げたパン、アーモンド、クミン、タイムをこねてよく混ぜ、全体に均一な状態にしてから鍋に加えます。そのときワイン、オリーブオイルなどの液体を入れるとやりやすいです。

写真のモルテーロは、大理石のものと木製のもの。木製のものが安く軽いので一般的ですが、やはり大理石ですと硬いので簡単にこねられ、その上衛生的で匂いもつきにくいという長点があります。木製は10ユーロくらい、大理石は50ユーロくらいで購入できます。

アサフラン(azafrán)

右の奥の花の中にミツバチのお尻が見えます。

パエリアに使われるサフランのことです。サフランはインドの米料理にも使われ、ギリシャを始め各国で使われています。スイスではパンに入れるそうです。きれいな黄色い甘いパンはどのような味なのでしょう。

サフランは紫色の花に伸びる長い雌しべを乾燥させて保存しています。パエリアを始めとしたお米料理、煮物などに使われます。高価なスパイスですからたくさん使えません。サフランを水に少しの間つけておいて、その水と一緒に鍋に入れると少量でも色がきれいに出ます。

トミージョ(tomillo)

トミージョはタイムのことです。山に行くとあちらこちらで自生しているので、自然にスペイン料理には欠かせないスパイスになりました。調味料として使うだけではなく、お風呂に入れると血行が良くなるので、タイムの入った化粧水なども売っています。また、犬にのみなど虫がいて痒そうにしているときは、タイムの枝で撫でてやるといいそうです。

ロメロ(romero)

アルカウデテの城で見つけたローズマリー

ロメロはローズマリーのこと。カトリックのお祭りで「ロメリア」と呼ばれるものがありますが、このロメリアもロメロから来ています。ローズマリーは清める意味合いもあるのか、切り取ったローズマリーの枝を広場の地面に敷き詰めてその上を裸足で歩きます。ロメロは柔らかい甘さのある香りでポテト料理などにとてもよくあいます。

花が咲く前に切り取ってぶら下げ、乾燥させます。タイムも同様に乾燥させて保存します。

ピメントン(Pimentón)

ピメントンは粉末の赤ピーマンで、パプリカでも代用できますが、乾燥させて製品化する方法が違い、実質的には香りなどに違いはあります。しかしピメントンの目的が、上からふりかけて見た目をスペイン料理的に見せるためであれば充分です。

ピメントンは、全く辛さのないもの(ドゥルセ、dulce)から辛いものまであります。プルポ・ガジェーゴ(ガリシア風たこ)、パタタ・ブラバ(勇気あるジャガイモと訳せてしまいますが、ブラバソースという赤い辛めのソースのかかったポテト)などに使われたり、料理の上からパラパラとかけたりします。辛くても唐辛子はチレ(chile)で別のものです。

簡単なおつまみはエクストラバージンオリーブオイルに塩とピメントンを混ぜてパンにつけ流というもの。

ピミエント・チョリセロ(pimiento choricero)

秋の風景です。

ピミエント・チョリセロはスペインのソーセージの一種であるチョリソを作る時に使うピーマンです。チョリソの赤い色はこのピミエント・チョリセロの色です。普通、干して使うので、ピミエント・チョリセロと言うと干した赤いピーマンのことをさします。私の住むカソルラでは、夏にピーマンがたくさん取れるので、夏の終わりから秋にかけて各家の軒下にぶら下がったピーマンが見えます。そうやって、ビタミンA野菜が不足する冬に備えていたのですね。

干したピミエント・チョリセロは一晩水につけて柔らかくし、皮は残して柔らかくなった身の部分だけ使います。スペイン風煮物ギソ、パタタ・リオハーナ(リオハ風ジャガイモの煮物)や代表的なバスク料理、ビスカイーナソースに使われ、赤い色を料理にプラスします。

日本でスペイン料理を作る場合は、赤いピーマンを干すか、パプリカで代用できます。ピーマン独特の苦味と甘さで味と色味に深みが出ます。

コミーノ(comino )

コミーノはクミンシードのことです。一般に”クミンシード”と呼ばれていますが、”シード”ではなく、果実なのだそうです。スペインでは、ホールタイプと粉末タイプが売られていますが、粉末の方が量を調節しやすいこと、肉類に絡めるときやりやすいことが理由で粉末タイプが多く使われているようです。粉末タイプはコミーノ・モリード(comino molido)と言います。何と言ってもスペイン人は辛い(ピカンテ、 picante)なものが苦手ですから、隠し味程度をギソ(スペイン風煮物)などにほんの少しだけ入れます。コミーノは消化を助けてくれる作用があります。

ローレル(laurel)

日本でもよく使われる月桂樹の葉です。マドリードのコシード・マドリレーニョというフランスで作られるポトフのような料理など、グツグツと煮る料理に使われます。驚いたことに私が住んでいるアンダルシアのカソルラではあまり使われないようです。何人かのセニョーラと話したのですが、基本的には使わない、たまに「ギソ(スペイン風煮物)」を作るときに気が向いたら入れる程度だそうです。ローレルがないとコシードのようなスープ系の料理は物足りないと思うのですが、どう思いますか? 誰も欲しがらないおかげでご近所のお屋敷の月桂樹の葉をよくもらいます。

ペレヒル(perejil)

ペレヒルはパセリですが、日本のパセリのように縮れた種類ではなく、イタリアンパセリと同じものです。市場に行って野菜を買うと、ひとたばもらえるので、基本的には購入しません。しかし、最近は都会に住んでいるとスーパーマーケットでお買い物をすることが普通になって、市場でもらえるひとたばの半分以下の量にまとめられたものを購入する人も増えているようです。

スープに入れたり、サラダに散らしたりするほか、モルテーロというすり鉢のようなもので潰して煮物に入れます。

ピミエンタ・デ・カジェナ(pimienta de Cayena)

カイエンペッパーは、辛いものが苦手なスペイン人は本当に少量しか使いません。しかし、お魚料理に少量入れることでスペイン魚料理の独特の風味が出てきます。サルスエラと呼ばれる色々な魚介類を一緒に煮焼きした料理や タイの煮物などに辛さが全く感じられない程度に加えます。

カネーラ(canela)

カネーラはシナモン、つまり桂皮のことです。お菓子類にはスペインでもよく使われます。例えばロスキージョ・デ・アニスというアニス酒入りのドーナツ型のクッキーも焼く前にシナモンをまぶします。ホールタイプもよく使われます。そのまま、牛乳に入れて温め、クリームを作ったり、レチェフリトというフレンチトーストに似たパンを使ったお菓子などに使います。500年くらい前にアラブ系の人たちによって伝わったそうです。お菓子は、もともとオリエンタル文化のものが多いですね。

スペインでスパイスを買うなら市場に行こう!

スパイスは日本と同様に小さなボトルに入ってスーパーマーケットなどでも売っていますが、やはり香りがキリッとしておいしいスパイスは市場の専門店で買いたいものです。カゴに盛り付けてグラム単位で購入できます。特にシナモンはものすごくおいしいです。シナモンロールを作るとチョコレートのように柔らかく溶けてシナモンそのものの甘さがあり、これがシナモンロールであったかと実感できます。ボトルに入ったものですと、ボトルというゴミもできますから、量り売りはエコロジーでステキなシステムです。小さな袋にいろいろ入れてもらえばお土産にもなります。

この記事のライター

スペインに住んで18年になります。小さな素敵な町やお祭り、工芸品などスペインらしいスペインの旅を楽しむ情報をお届けします。

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