【スペインの城シリーズ】パラドールにもなっているハエンの城、サンタ・カタリーナ

【スペインの城シリーズ】パラドールにもなっているハエンの城、サンタ・カタリーナ

スペインの城シリーズ、第4回目はアンダルシア北部のハエン県の県都、ハエンの丘にあるサンタ・カタリーナ城を紹介します。サンタ・カタリーナ城はパラドールになっていますから、宿泊したり喫茶を楽しんだりできます。今回は宿泊できる城の紹介です。


ハエンの城、サンタ・カタリーナ

ハエン市内に入って、街の中心部から坂を登っていくとハエンの城の入り口が見えてきます。ハエンの城、サンタ・カタリーナは、ハエン市内のどこにいても遠くに見える、ハエンのシンボルのような存在です。現在はパラドールとして使われています。パラドールというのは国立ホテルで、4つ星から5つ星くらいのレベルのホテルです。お城に泊まれるなんて素敵ですよね。

1990年に初めてハエンを訪れたのは「地球の歩き方」に穴場の観光地ハエンとして紹介されていました。パラドールになっている城もあるので一見の価値ありとかなんとか書いていて、それで訪れたのでした。

1990年の旅は、3ヶ月間20万円の予算でスペインを歩き回っていました。もちろん、そのような旅ですからパラドールには泊まりませんでした。路地にあるおじいさんと呼んでも差し支えないくらいの年配の男性が営んでいるオスタル(安いホテル)に泊まりました。1泊500ペセタでした。当時はほぼ1ペセタが1円で計算していました。

お城の中には、ヤシの木の一種がたくさん生えています。ハエンはアンダルシアの北部ですが、夏はやはりかなり暑く、8月はほぼ毎日40度を超えます。

ハエンの城は比較的広いので車で、建物の入り口まで入れます。パラドールに宿泊する際も荷物を持って移動せず、タクシーに乗ればかなりコンビニエンスにたどり着けます。パラドールを利用しなくても、庭や喫茶店、廊下などには自由に入れます。

スペインの国旗、アンダルシアの旗(緑)、ハエンの旗(紫)が風にたなびいてます。

ハエンの城、サンタ・カタリーナ城はハバルクス山脈のサンタ・カタリーナ丘にあります。ハエン市の北部です。このように遠くまで見渡せるシチュエーションなので、長い間、「城」の場所になっています。最初に、「城」ができたのはなんと青銅器時代だそうです。古代のイベリア人が青銅器時代に建造したのが始まりで、その後、イスラム時代、そしてキリスト教国と続きます。

ハエンの街にお城のあるサンタ・カタリーナ丘の影がかかってます。

ハエンの街です。スペインの大抵の街はある程度規制が厳しいので遠くから見るとこのように統一された雰囲気になります。魔女がほうきに乗って飛ぶと絵になりそうな雰囲気ですよね。1990年に来た時はこんなに大きくなかったと思います。あっという間に一周したように記憶しています。もちろん、現在でも、ほぼ街全体を歩いて見て回ることは可能です。人口10万人の街ですが、8,000人の村に住んでいる私にとっては大都会です。

お城の入り口が細長く見えますが、ちゃんとドア2枚分くらいの幅があります。高さが高いので細長く見えるのです。

お城の入り口に飾られた鎧。ここに飾ってあるのは(たぶん)レプリカだと思うのですが、大きさは内部に展示している鎧と同じです。昔の人って小さかったんですね。

サンタ・カタリーナ城もナポレオンに攻め込まれたことがあります。そのとき、一部が壊されてしまいました。

ところで、ナポレオンといえば、小さい男性というイメージが強いですよね。漫画などでもサルコジを風刺するとき同じく小さいナポレオンに似せて描かれたりしました。しかし実際のところ、ナポレオンは必ずしも当時の基準から言えば「小さい男の人」ではなかったそうです。イギリスなどアングロサクソンの国が当時皇帝にまでなったフランスヒーローを侮辱していただけなのだそうです。

大きな十字架、フェルナンド三世が建てさせた?!

城の十字架(Cruz del Castillo)。遠くに見えるのは母です。

大きな十字架はハエンのシンボルとして市民に愛されています。詩(ソネット)にもなっていて、1950年頃には、曲がつけられアントニオ・プリエト(Antonio Prieto)という当時の流行歌手が歌を歌っています。

カスティエルのフェルナンド3世(Fernando III de Castilla)(エル・サント el Santo、つまり聖人と呼ばれていました。)が13世紀にイスラム政権からこの城を奪ったときに、ここに十字架を立てるように命じました。そのときの十字架は木製で、その後、風によって何度も倒れてしまいました。また、市民戦争の時代にはアンチ・宗教の共和制の人たちが、倒して燃やしてしまいました。それで、1950年、ハエン市民たちが寄付を募って市民たちの手で新しい十字架を立てる計画ができました。その十字架がこの巨大な大理石の十字架です。ですから、この十字架は歴史的な重さというのはまだないのですが、市民が力を合わせてやり遂げたこと、という意味でとても大切なシンボルになっています。

カスティーリャのフェルナンド三世

「カスティーリャのフェルナンド三世」と書きましたが、フェルナンド三世だけじゃダメなの? と疑問に思う人もいるかもしれないので説明します。実はフェルナンド三世はたくさんいます。


カスティーリャのフェルナンド三世 (1199-1252), カスティーリャ・イ・レオンの王
ナポリのフェルナンド三世(1452-1516), 同時にカステーリャのフェルナンド五世として知られています。
ハプスブルク家のフェルナンド三世 (1608-1657), 神聖ローマ皇帝ハプスブルク朝、ハンガリー王
シシリアのフェルナンド三世 (1751-1825), のちにふたつのシシリアのフェルナンド一世
トスカーナのフェルナンド三世 (1769-1824), トスカーナ大伯爵、ハンガリー皇太子
ナバーラのフェルナンド三世(1833), カステーリャのフェルナンド七世として知られています。

神聖ローマ皇帝の場合はドイツ語読みで、日本語だとフェルナンディナントになるのであまり問題はないのですが、それ以外はフェルナンド三世でカスティーリャでは五世になったり七世になったり、結構面倒ですよね。歌舞伎の役者さんの名前みたいに難しいです。

お城の内部、廊下

廊下が続きます。

電気のなかった時代のことをちょっと想像してみてください。この廊下はきっと暗かったのでしょう。昼間もあまり窓がなく、光が差し込んできません。篝火(かがりび)を1日中焚いていたのでしょうか。

石造りの建物の内部は1年を通してほぼ同じ温度です。寒いとも言えます。夏に45度になってしまうハエンですが、古い石造りの家であればクーラーがなくても涼しいのです。ですから、きっとこの廊下も篝火を焚いてちょうど良いくらいの温度になっていたのでしょうね。

トイレを探しながら廊下を歩きます。

明かり取りの窓。

実は「ハエンの城」というのは3つの部分に別れていて、パラドールになっているサンタ・カタリーナ城は「新しいアルカサル」と呼ばれています。それから、「古いアルカサル」と古いアルカサルに続く、防御システムを強化するいくつもの塔があるアブレウイ(Abrehuí)と呼ばれる場所です。アブレウイはまだリフォームができなくてそのままになっています。

つまりこの廊下部分は比較的新しいと言えます。

お城の喫茶店

パラドールの喫茶店は、天井が高く、大きな暖炉があって落ち着いた雰囲気です。たぶん、冬に暖炉が付いている時期にくるともっと素敵な感じがするのでしょうが、寒い時期はどうしても山に登る気になれず未だに暖炉に火が付いてるのを見たことがありません。

暖炉の横のテーブル。きっと冬は特等席なんですよね。

パラドールの喫茶店のテラス席。

内部はとてもシックで素敵な雰囲気だったのですが、廊下などを徘徊していて建物の中にいるのが少し息苦しくなったのでテラスでコーヒーを飲みました。ケーキは、この日は2種類あって、チョコレートケーキとアーモンドケーキでした。

どちらもとてもおいしそうだったのですが、ダイスアーモンドが周りにくっついているアーモンドケーキにしました。アーモンドの入ったカスタードクリームとアーモンドの入ったスポンジケーキが層になっていてとてもおいしかったです。かなりボリュームがあったので夫と半分ずつにしました。

パラドールのゲストルームのバルコニー

絶壁の上に建つサンタ・カタリーナ城

これがパラドールのゲストルームの窓側です。

パラドールのゲストルームのドアがある廊下にはもちろんセキュリティーの問題ではいれません。ゲストルームのバルコニーが見えるテラスは自由に入ることができます。私たちと同じようにただ写真を撮りに来た中国人カップルがいました。

ハエン大学には、中国からの国費留学生がたくさん来ています。英語もスペイン語もきちんとできてすごいなと思っていたら、先日会った中国人は日本語もできました。私としばらく話したあとで、「ネーティブト話して嬉しい」と感激してくれました。あ、私、日本語のネーティブだった。(あたりまえですが。)

街の反対側。家が少なく、よく見えないですが、ひたすらオリーブ畑が広がっています。

音というのは上に登っていくって知ってましたか? 私は比較的平坦な場所に生まれ育ったので知らなかったのですが、音は上に上がるものだそうです。山上の静かな家に住んでいると地上でお祭りがあると音が全部上に行き、おまけに山上は静かだからすごくうるさく感じられるのだそうです。

そういうわけで、このパラドールの窓側は、ハエン市の反対側で、家も少なくただひたすらオリーブが続く場所が選ばれているのです。

10万人の中規模都市とは言え、その向こうにこれだけスペースが広がっているってすごいことだと思いませんか?

もっとよくサンタ・カタリーナ城の様子がわかるビデオを紹介します。

それから、もしハエンのお城に泊まってみたいなと思ったら、こちらから

ハエンのお城へのアクセス

ハエン(JAËN)へは、マドリード、コルドバから直通の列車が出ています。コルドバから約1時間30分、マドリードからは約4時間くらいです。

バスを使う場合、マドリード、アベニーダ・アメリカ(Avenida America )からハエン行き、サマール(SAMAR)社のバスを使います。
コルドバからはアルサ(ALSA)社のバスが便利です。

ハエンのバスステーションまたはレンフェ(国鉄)の駅から、サンタ・カタリーナ行きのローカルバスはありません。荷物が少なければ坂がかなりありますが、歩ける距離です。タクシーで10ユーロくらい。

喫茶でのんびりサンタ・カタリーナ城

スペインの城は、山の上にあるものが多く、どちらかと言えば、防御や戦争を意識して作られているのでお姫様気分で宿泊という感じではないかもしれません。しかし、重厚なインテリア、厚い壁、石造り、そして歴史の重さが感じられる空気。スペインの城を十分に楽しめるパラドールはオススメです。

この記事のライター

スペインに住んで17年になります。小さな素敵な町やお祭り、工芸品などスペインらしいスペインの旅を楽しむ情報をお届けします。

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