人民の憩いの広場となっている中国広東省省立中山図書館!地元の人が大好きな中山図書館の「地元民風」活用法

人民の憩いの広場となっている中国広東省省立中山図書館!地元の人が大好きな中山図書館の「地元民風」活用法

少し前に別記事で、中国広東省広州市にある「広東省立中山図書館」をご紹介しました。読書好き・勉強熱心な人はもちろんですが、実はこの図書館、老若男女問わず多くの市民に愛されているんです。図書館=本を読むところとは限りません。今回は、広東省の省立図書館が市民に大切にされている理由とその上手な活用方法をご紹介したいと思います。


広州市を代表する図書館の一つが広東省立中山図書館です

図書館の正門がある道路の風景。

中国の広東省広州市の中心部には、古くからある大型図書館がいくつかあります。今回ご紹介する広東省立中山図書館も、創立1912年という歴史ある図書館です。

読書好きの人に重宝される、静かで落ち着いた雰囲気の図書館です。もちろん図書館内はとっても居心地が良いのですが、実はこちらの図書館に訪れる多くの人は、図書館の中を利用するとは限りません。そうです、図書館の「外側利用者」も多いんです。

では、中山図書館がどうしてこれ程人民に好かれているのか、人民たちはこの図書館を日常的にどのように活用しているのかを見てみましょう。まずは、図書館の外側をぐるっと回ってみます。

道路側から見た中山図書館。

※広東省立中山図書館についてのより詳しい情報に関しては、「読書好きに朗報!広州市の文化と教育の中心地にある「広東省立中山図書館」は、騒がしい中国の中でも静かに読書ができる貴重な空間」という記事をご覧ください。

どこか大学か美術館のような門構えの図書館となっています。

省立中山図書館が位置するのは、広州市の中でも古く歴史あるエリアとされている越秀区です。広州地下鉄一号線の「农讲所(ノンジャンスォ)」駅から徒歩五分程のところにあり、他にバスもたくさんあるのでアクセスは良いです。

実は、农讲所駅の駅前にはもう一つ大きな図書館があるのですが、そちらは俗に言う「子ども図書館」となっています。小学生かそれ以下の子どもたちとその親たちが大勢来ていて、本を読んだり遊んだりしているので、それはそれはにぎやかです。

中山図書館はどちらかと言うと「大人の図書館」なので、とっても静かで良いですよ。

中山図書館は、中国の「一級図書館」と認定されています。

中国の一級図書館とは、中華人民共和国の国務院による審査を経て国家一級図書館と認定された図書館を言うようです。審査基準は主に以下の通りです。

・図書館の面積が6000㎡以上あること。
・年間経費が80万元(おおよそ1360万円程*)以上であること。
・職員の60%以上が大専以上の学歴の持ち主であること。
・年間5000種以上の図書が収蔵されていること。
・年間で20万冊以上の貸し出しがなされていること。

広東省内には多くの一級図書館がありますが、中でも中山図書館は1番か2番目に当たる広東省を代表する図書館となっています。

美しい魯迅(ろじん)記念館

まず見えてくるのは、図書館ではなく美しいクリーム色をした教会・・・?いえいえ、こちらは実は「魯迅記念館」なんです。

広東省立中山図書館の正門です。

ご存知の方も多いかもしれませんが、魯迅(中国語ではルーシュンという発音)は中国の代表的な文学者で、他に思想家、翻訳家としても活躍した人です。私はいまだに読んだことがないのですが、「狂人日記」や「阿Q正伝」などの小説は有名ですね。

彼は広東省の人ではないのですが、これ程有名な人ですから、中国の各地に魯迅記念館が建てられていてもおかしくはないでしょう。日本でも、義務教育中に教科書の中で魯迅の名を知ることになっていますよね。

この辺りでは、こんな素敵な色の建物は珍しいので人目を引きます。

このクリーム色の壁と、正面の窓の形がやや十字架に見えることからパッと見が教会に見えるんですね。

魯迅記念館の正門まで来ました。ちなみに中国語の記念は「紀念」なので、こちらも「紀念館」となっています。

堂々たる魯迅紀念館。今ちょうど男性が見学しに入ったようです。

1988年に中国の国務院によって国の重要文化財(正式な表現はわかりませんが、保護の対象)になったということのようです。

魯迅記念館の解説です。1959年から正式に開館しています。中国語がわからなくても大体読めますから、興味のある方は読んでみてください。

英語で「ベルタワー」となっている記念館建物の上方にも、歴史があるようです。

こちらは見学に関する条件です。

魯迅記念館は、無料で見学することができます。月曜日が休館日のようですが、それはお隣の中山図書館も同じですので、月曜日はこの敷地全体に入ることができないようです。

身分証や学生証、運転免許証などの身分を証明するものを提示することが求められるようです。私たち外国人は、パスポートですね。閉館時間(17:00)の40分前から入館できなくなることを考えると、無料ながらもそれなりに見ごたえのある記念館なのかもしれません。

まだ見学したことがないのですが、前から気になってはいるので是非近々足を運んでみたいと思います。

中山図書館・魯迅記念館敷地内の気持ちの良い庭園

緑が美しい庭が広がっています。スプリンクラーがたくさんあるので、葉っぱがいつも潤っていて気持ちが良いです。

公園のような庭の外側にはそびえ立つビルがいくつもあります。

地域住民に愛されている憩いの場~「地元民風」中山図書館の上手な活用法

ではここからが本題ですが、どうして省立中山図書館が地元民たちから愛されているのか、その理由を探ってみましょう。実は、近隣住民たちの多くは本を読みに来ているのではありません。では、一体何をしにやって来るのでしょうか?

図書館外側のニュースコーナーです。

こちらで地域のニュースを読んでいる人が結構いました。図書館内にも新聞室があるのですが、館内に入らなくても楽しめるようになっています。

おや?この女性は何をしているのでしょう?

ここは手洗い場ではありません。なんと、飲料水を無料で提供しています。中国では、水道水を飲むことができません。私たちは基本ミネラルウォーターの会社と契約をして、毎回大型の飲料水ボトルを家に運んできてもらっています。飲み水は「購入する」のが当たり前です。

友達の友達で、「しばらく水道水で生活していたらやっぱり具合が悪くなった」という人(外国人)がいました。卒倒するほど汚い水ではありませんが、水は毎日口にするので、その積み重ねが怖いです。

でも、基本的にその辺のご飯屋さんで調理に使われている水は恐らく水道水なので、飲んでも大丈夫と言えば大丈夫です。ただ私たちは、地元の人ほどには免疫がないのでしょう。飲むわけでなければ、例えば歯磨きに使う分には毎日でも問題ないですよ。

地元の家庭の中には、水道水を沸騰させて飲料として使っているところもそれなりにあるようです。特に、大都市まで出稼ぎに来ている一人暮らしの若者などは、ミネラルウォーターを契約して取り寄せることはないでしょう。高くつくと思いますが、毎回その辺のお店でペットボトルの水を買って済ませているという人も多そうです。

それで、こちらで無料の飲料水を提供しているのを見てびっくりしました。ただ説明を読むと、「100度で沸騰させているので安心して飲むことができます。」とのことなので、結局水道水を沸騰させただけのもののようですが。

それでも水道代がかなり節約になるということで、地元の人が滅茶苦茶水を汲みに来ます。上の写真の女性も、空のペットボトルを何本も持って来ていますね。大きな鍋やものすごく大きなボトルを何本も準備してきて、見るからに「私、無料の水を汲むためにここに来ました!」というおじさん・おばさんがたくさんいるのですが、誰も何も言わないので、特に問題はないのでしょう。

私は図書館を利用する時は、空の水筒を持って行って図書館内で飲むのに活用したりします。せっかくなので、本当はいっぱい汲んで帰りたいのですが、主人は「まずい」と言って飲みたがらないですし、確かに体にもあまり良いものではないと思うので、自粛しています・・・。

それでも、無料の飲料水はここ中国では画期的なサービスで、確実に中山図書館が地域市民から親しまれている理由の一つとなっていることでしょう。

こちらは、図書館利用者が参加することができるイベントを掲載する掲示板です。ポスターがたくさんありますね。

思ったより面白そうなイベントがたくさん掲載されています。

カラオケなど音楽関連のイベントや英語などの語学系イベント、ちょっと変わった「熱帯雨林の不思議な生物」というイベントもあるようです。

※この掲示板は2017年9月に撮影したものなので、現在とは内容が異なります。

私が一番気になったのは、ライオンの顔が印象的なポスターです。

ライオンのポスターには、「アフリカのセレンゲティ高原から来た秘密~アフリカ野生動物の写真展示会」とあります。どの程度のレベルかはわかりませんが、図書館で行われるイベントとしては面白そうです。

その日は都合が悪かったので、あえなく断念。もし都合が良かったら、外国人でも利用できるのか聞いてみたいと思います。

この男性は、ずいぶん長い時間熱心に掲示板を眺めていました。写メを撮ったりして、入念にチェックしていました。

中山図書館正門前の風景。

老若男女が集まる憩いの広場。

覚えたての自転車で得意気に走り回っている子どもたちや、ヨチヨチ歩きのお孫さんを連れたおじいさん・おばあさん、古くからの友人とゆっくり語り合っている年配の人やずっとスマホをいじっている若者・・・本当にみんなここへ来て、思い思いに過ごしています。

こちらでは、知らない人同士が自然とお喋りし始めてお友達になっていくということが今でもよくあります。ここでもきっと「図書館友達」を持っている人たちが多いことでしょう。

特別ベンチなどはないのですが、写真にあるように木の周りに座れるスペースがあるので、長居する人も多いです。基本的にどの時間帯もここは人でにぎわっていて、中山図書館の利用目的の一つとなっているようです。

本は読まなくても、中山図書館に来ればリラックスした緩やかな時間を過ごすことができるんですね!

そしてここが、広東省立中山図書館です

右手に見えるのが先程の魯迅記念館、左手にあるのが省立中山図書館です。

広東省立中山図書館の住所は、広州市越秀区文明路213号となっています。アクセスは、記事の前半でご紹介した通りです。

どこか日本の小学校を思わせるような建物です。趣があって良いですね。

中山図書館の堂々たる正門です。

夕方の中山図書館前の風景。

日が暮れ始めても、まだまだ大勢の人が中山図書館正門前の広場でゆっくりしています。(撮影時は九月で、まだまだ真夏と同じような気候でした。最近はようやく寒くなってきたので、日が暮れてからはここまでの人はいません。)

閉館直前の中山図書館の風景。

中山図書館は夜9:00に閉館となるので、夜8:45頃から閉館の音楽が流れ始めます。(日本で言う「蛍の光」ですが、普通に素敵なピアノ曲です。)上の写真にも、閉館の音楽を聞いて流れのように表に出てくる人々が写っていますね。皆さん、随分遅くまで図書館を利用しています。

中山図書館の周りには大きなビルがいくつかあって、それなりに夜景も綺麗です。

近隣住民にも人気な省立中山図書館の「地元民風利用方法」まとめ

以下に、中山図書館の「地元民風利用方法」を簡単にまとめてみました。

・ニュース欄や地元民との交流から、最新の情報を仕入れる。
・無料で提供されているお湯を家庭用水にいかして、水道代を節約する。
・オリジナリティに富むイベントを活用して楽しむ。
・図書館前広場でゆっくり過ごす。

このように、人民たちはなかなか多目的にこちらの図書館を利用しています。

図書館は、本を読むためだけの場所ではありません。実のところ、地元の人たちが交流する姿を垣間見ることができる、とても地元らしさが出る場所なのです。旅行や出張で広州市を訪れる予定のある方で、「是非地元の人たちの日常の姿が見たい!」という方がいたら、中山図書館で半日くらい過ごすのも楽しいかもしれませんよ。

また、中山図書館付近には行列必死の人気スイーツ店や地元ならではのお店がいくつもあります**。是非地元らしいこのエリアに、足を運んでみてくださいね。

B級グルメの宝庫、中国広州!日本ではあまり知られていない「腸粉」の老舗へ

http://travelclip.jp/articles/54

「食は広州にあり!」言わずと知れたグルメ都市、中国広東省の広州市。日本では、本格広東料理レストランとなるとお高いイメージが強いと思います。もちろん中には高級なものもありますが、実は、広州はB級グルメの宝庫なんです。 今回は、広州の代表的なB級グルメの一つ「腸粉(北京語:チャンフェン)」とその老舗をご紹介しましょう。

こちらの記事の中でご紹介しているお店は、中山図書館のすぐ近くにあります。是非合わせてご覧ください。また、他の近隣人気店については、後日別記事にてご紹介する予定です。

*記事内に記載されている金額のレートは全て2017年12月のものです。

この記事のライター

中国広東省広州市に住む30代主婦です。今の目標は広東語をマスターすること!大好きな広州を、楽しく詳しくレポートしていきます★

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