オランダの建築物に囲まれ、ミニチュアタウンの中を巨人みたいに歩き回れるテーマパーク!
皆さんはマドローダム (Madurodam)という、オランダの建物物のミニチュアを集めたテーマパークがあるのをご存知でしょうか?意外と知られていないけれど、子供から大人まで楽しめるこのミニチュアタウン、敷地面積はそこまで広くなく入り口から見渡せるほどの広さなのですが、そこに詰まった実物大の25分の1の大きさに縮小された建物や、動く乗物は見ごたえ満載です。
オランダに来たけれど各地まで回れない方に、オランダの全域の雰囲気や建築物を感じてもらえるテーマパークになっています。

112mあるオランダで一番高い、ユトレヒトのドームタワーも、手の届く範囲で頂上まで見られます。
■今年で65周年!オランダに根付いた、マドローダムの歴史と構成
マドローダムが建設されたのは第二次世界大戦後の1952年。子供の頃オランダ人ならよく親に連れてきてもらった、日本で言えばディズニーランドに匹敵するようなミニチュアタウンです。ちなみにオランダ人なら誰でも一度は行ったことのある他に有名なテーマパークといえば、エフテリング(Efteling)とワリビ・ホーランド(Walibi Holland)があります。こちらは乗り物系のアトラクションが多いようです。
行き方は、アムステルダムから急行電車に乗って50分程度で行けるデンハーグ中央(Den Haag Centraal)駅やデンハーグ・ホーランドスポアー(Den Haag Holland Spoor)駅から、路面電車(トラム)9番で約15分程度。レンガ造りの家や大使館が並ぶ道の間を通って行きます。降車駅「Madurodam(マドローダム)」の乗り降り場の左先には、大きい波型の屋根と「Madurodam」の看板があるので、すぐにわかると思います。

正面から見た入り口です。波型の屋根と白色で書かれた標識が目印。
クリスマスやハロウィンなど、季節のイベント等があるとこちらの玄関も装飾されるそうです。

マドローダムは、「StedenRijk(旧市街)」、「WaterRijk(ウォーターワールド)」、「VindingRijk(イノベーションアイランド)」という、3つのテーマ別エリアに分けられています。オランダの古い街並みの建物を見ることができる、StedenRijk(ステーデンレイク)、「友人であり、敵でもある水」というコンセプトを中心に展開するWaterRijk(ワーターレイク)。そしてVindingRijk(フィンディンレイク)は「世界のインスピレーションの源としてのオランダ」(建築、イノベーション、スポーツ、エンターテインメント、デザイン)を象徴しています。
■チケットはやや高めですが、3ユーロ引きで買える方法があります
チケットは大人1人17.5ユーロで、現地でお買い求めできます。デンハーグ近隣のホテルや観光施設に置いてあるパンフレットで2-3ユーロ引きになるクーポンがあるので、行くと決めている人は行く前にクーポンを探してみてください。また、ウェブサイトで予約をしておくとこちらも3ユーロ引きになります。
チケットを購入すると園内専用のカードがもらえます。入口に入った後すぐにある入力機で、そのカードに簡単な個人情報(名前・メールアドレス等)を入力すると、入園に配置してある各機械にそれをかざすと様々な体験アトラクションや各地の説明を聞くことができます。カードは出口で回収され、園内で撮った写真やアトラクションの記録などが後日登録したメールアドレスに送られてくる仕組みになっています。この様なインタラクティブに遊べる仕組みは画期的ですね。
マドローダムに必要な所要時間は、私達は1~2時間位だろうと予測していたのですが、小さなミニチュアに見入ったり、その写真を撮ったり、園内を見渡せるカフェで一息ついたり、各場所に配置してある情報盤で遊んだりしていたら、いつの間にか4時間半も経っていました。人によりますが、大人だけだと平均して2時間、子供も連れてだと半日~1日滞在できる場所でしょう。

チケット売り場を出た様子。
最初は小高いところから入るので、園内全体を見渡せます。
見渡せる程度なので、あ、これだけか~と思っていたら大間違い。
予想以上に見どころがあり時間がかかります。
鉄道・飛行機・船・トラック…臨場感のある動く模型に大人も子供も大はしゃぎ!
動く乗物の模型として代表的なものは、ヨーロッパを代表する空港の一つ・オランダ・スキポール空港の飛行機があります。計8台程度ある飛行機は、25分の一の大きさでもやはり目の前にすると自分より大きく、鳥瞰図的にターミナル間を動く姿を全体から見られることは、実世界でもあまりありません。離陸や着陸時によく聞くエンジン音が流れると、臨場感はタップリ。子供たちも大人も大はしゃぎです。
ちなみにこちらでは本物のエアラインの模型が動いているのですが、日本のエアラインはありませんでした。恐らくスポンサーの関係なのでしょうが、オランダと日本の友好関係を考慮すると少し寂しいですね。オランダの子供も多く来るパークですので。JALやANAに出資してもらって、日本のエアラインを追加してもらうことをお勧めします。(笑)
アムステルダムの市内のエリアでは、運河を遊覧する観光客を乗せたボートがあります。レンガ造りの建物の間をゆっくりと周っています。端に達すると、ちゃんとUターンをするので、子供たちも見入っています。

アムステルダムの市内。遊覧船はこちら側まで到達すると、クルッと回って戻っていきます。

チーズマーケットで有名なアルクマールの市場。海岸にも面しているので船も見られます。
次に訪れた動く模型の広場はキーケンホフ公園のトラック。キーケンホフはオランダの世界遺産にも登録されており、花が満開の4~5月しか公開されない春限定の公園です。チューリップひとつひとつがピンでできているなど、チューリップ畑の細かさにも脱帽します。近くは花市場で囲われており、市場間を行き来するトラックが展示されています。

花市場の中を忙しく走っていくトラック。
また、チケット売り場で渡されたカードをかざすと、伝統的な花市場の競りの様子も体験できます。
鉄道が颯爽と園内を走る姿は大人も子供をも魅了します。グロニンゲン駅など数世紀前に建てられたランドマーク的な駅の模型も多く、歴史が感じられます。鉄道好きの方にもお勧めです。

園内の模型の間を颯爽と走っていく鉄道。
オランダのお菓子や木彫りの靴を作る工場からは、1ユーロを機械に入れると、トラックの上にそのミニ製品を乗せて運んで届けてくれる仕組みもありました。そのミニ製品はお土産として持って帰るのもいいですね。
他にもコインを入れると動き出す屋外遊園地や、バザー、教会の前の伝統的な儀式が動き出すなど、細かいディテールで楽しめることも多いのです。
■歩き疲れた時は、園内を見渡せるカフェのテラスで一休み
疲れたときは園内を見渡せるカフェで一休みしましょう。自分の食べたいものをトレーに乗せて取って、最後にお会計という食堂式システムです。オランダで小休憩に食べるアップルケーキ(生クリーム付き)もありました♪

奥に見える波型の屋根の建物が、MadurodamCafe(カフェ)です。
テラスと屋内があるので、天気がいい日はテラスでゆっくりできます。子供たちの歓声が聞こえてきたり、(ミニチュアの)オランダ各地で起こる催し物を俯瞰できます。
ところで、皆さんは日本にも似たようなテーマパークがあるのをご存じでしょうか?日光にある東武ワールドスクエアというパークです。こちらは日本の有名な建物だけでなく、世界中の世界遺産が飾られているので、海外旅行好きの方々にもお勧めですよ!
マドローダムは各建築物が精巧に作られており、一ヵ所でオランダ各地の名所旧跡を見られる最適の場所です。こちらで見学してから実際に行ってみるもよし、行ってみてからミニチュアを見て思い出すもよし。オランダの建築物を存分に満喫できる場所です♪
カフェ、自転車、ビール、オランダのアート(絵画、建築等)をこよなく愛しています。