天気の良い日に訪れたい、アフタヌーンティーが楽しめるカフェと併設してある庭園
オランダは7~8月が夏真っ盛り!アムステルダムの平均最高気温は22度、高い日では28度(それでも28度ですが…)に上ることもあります。日本に比べ温度だけみると低いのですが、オランダは陽が照っている日はかなり強い直射日光があり、体感気温は30度近くに感じることも。日照時間も長いのでこの時期は外での音楽祭やフードフェスティバル等もあり、外や公園に出かけることが多い時期です。
今回はそんな天気の良い日に訪れたい、グロニンゲンにある地元のオランダ人女性にお勧めしてもらったアフタヌーンティーが楽しめる優雅な雰囲気の漂うカフェと、それに併設してある庭園をご紹介します。
■グロニンゲンの中心地に位置しているが、静かで優雅なひと時が楽しめる穴場
場所はオランダの北最大の都市グロニンゲン(Groningen )の中。中心地をぐるりと囲う運河の丁度内側に位置し、中央駅から歩いて大体20分位です。グロニンゲンに来たら必ず行くであろう市内でランドマーク的存在となっているマルティーニタワーの裏側(中央駅から反対側)から歩いてすぐです。

プリンセンホフの建物の全景。
プリンセンホフ(prinsenhof)は、ホテル・カフェ・レストラン・公開している手が行き届いた庭園を総称した名前です。中心地からとても近いにも関わらず、レストランや庭園の敷地内は静かで、ゆったりとした時間が過ごせます。

盛り付けも綺麗で、お料理の味もおいしいアフタヌーンティーメニュー。
ホテルは結婚式や会社のイベント等催事場としても使われています。ホテルは一泊150ユーロからと、一般的には高いですが、アムステルダムと比較するとそこまで高くないのに品質は確証されているので、北オランダを回りたい方には穴場かもしれません。ホテル内は宿泊客限定のエリアですが、レストラン・カフェ・庭園は外部客でも利用でき、庭園は無料で公開されています。
■中世15世紀から始まる、プリンセンホフの歴史
プリンセンホフの歴史は15世紀の中世に遡ります。現在カフェになっている部分が以前は教会の大聖堂に位置するだったそうです。そこを中心にプリンセンホフが形成しており、16世紀に入ってから他の棟も増設され、総督の邸宅として利用されていました。19世紀には軍隊の病院や警察の兵舎としても活用され、2005年まではラジオ局として使用されていたそうです。その後建築家たちにより改装され、現在のホテル・レストランの形になりました。
この様な歴史的にも価値のあるプリンセンホフを薦めてくれたのは、地元でフラワーアレンジメントをしているオランダ人女性。彼女月1の頻度でここに来て雰囲気を楽しんでいるそうです。私が行ったときは丁度お茶の時間だったので、Grand Café Prinsenhofという屋内のカフェでアフタヌーン・ティーセットを頼み2人で分けました(15.9€=2080円程度で大きいポットの紅茶付き)。

式典の食事会場にも良さそうな、窓から沢山光の入ってくるカフェ店内。中は改装されてモダンな家具と天井から吊り下げられているランプが素敵です。濃い青を基調として統一感がある屋内です。

無料Wifiも完備しており、コーヒーを飲みながらゆっくりする人も
サンドイッチ、スープとキッシュの軽食と、2段に重なっているお皿の上に各種のケーキやマカロンのスイーツが載っており、このお値段で満足のボリュームと質でした。特にフルーツやお野菜が新鮮で、味も濃くなく日本人好みの繊細な味だと感じました。

屋内からもお庭の一部が見えます。
■カフェタイムが終わったら、無料で開放しているお庭を散策
お食事が終わった後は是非お庭を散策してみてください。16世紀ごろから形成され親しまれてきた庭園は、メインが4つにエリアから構成されています。低い植木が綺麗に整備されている区間、バラとラベンダーが交互に植えられた鮮やかな区間、潜り抜けの出来る植木のアーチで構成された区間と、屋外の飾らないカフェが隣接している癒しの区間です。
訪れるにはやはり花が咲き緑が美しい春夏がお勧めでしょうか。ウエブサイトには冬の雪が降った写真も掲載されており、こちらも風情があり素敵でしたが、やはりお庭歩きを楽しむには初夏でしょう。時間がないときは無料開放してある庭園だけ散策もOKです。

庭に飾ってある金の装飾が豪華な日時計も有名です。

どの様に時間を読むのかの解説がオランダ語で載っていましたが、かなり難解な仕組みのためオランダ人でも理解するのに苦労していました(笑)。
地方に行くと意外と苦労する?オランダの英語事情
この様にオランダの公式の言語はオランダ語ですが、オランダはヨーロッパでも有数の国民が語学に長けている国です。国民の英語力のレベルは、英語母国語の国を除き、世界でもトップレベル。大概の人が英語日常会話が出来る上に、北ではドイツ語、南ではフランス語やフレミッシュと呼ばれるオランダとベルギーの地方で話されている言語が話せる方が多く存在します。
アムステルダム・ユトレヒト・ロッテルダム等の大都市に住んでいれば英語で暮らせます。カフェやレストラン・お店等の接客業に従事している人は大概が英語が話せ、日常生活には不自由しないでしょう。驚くべき点は、若い人だけではなく、65歳以上のおじいさん・おばあさんも普通に英語を話している点です。昔からドイツ・イギリスと比べ小国として経済を発展させていくために、貿易を中心に栄えてきたため、他の言語が得意でなければいけないという教育背景があったのでしょう。
しかし、行政関連の文書(税務署からの通知や住民登録やビザ申請の書類等)はやはりオランダ語、地方に行けばオランダ語での表記のみの所も多いです。地方のパン屋さんやスーパー等に行くと、英語を話せない人も多くいます。もちろん今回ご紹介したプリンセンホフの日時計や歴史など、看板に書いてある文字は全てオランダ語。文化や歴史背景をより深く知るために、その国の語学習得は必須ですね。
また、オランダに住む外国人で長期滞在ビザを申請するには、5年以上オランダに滞在した経歴と、オランダ語の試験が義務付けられています。もしビザが必要なのに落第すると、罰金が課せられ、再試験をしなければなりません(^^;)厳しいですが、ここは日本の外国人滞在と一緒でしょうか。

暖かな日差しの挿しこむプリンセンホフのカフェと、庭園の散策はとても街の中心地とは思えないほどの静けさと優雅さに包まれていました。北オランダにお出かけになられた際は、プリンセンホフで庭園とカフェに寄って、ゆったりと品の高い時間を過ごしてみたらいかがでしょうか。
カフェ、自転車、ビール、オランダのアート(絵画、建築等)をこよなく愛しています。