中国版お中元!「月餅」ってそんなに美味しいの?今年もまもなくやって来る本場中国の中秋節を覗いてみよう!

中国版お中元!「月餅」ってそんなに美味しいの?今年もまもなくやって来る本場中国の中秋節を覗いてみよう!

近年、日本でも月餅(げっぺい)の存在は知られるようになってきました。中国のお月見の際に食される月餅は、中国人にとって非常に大切な贈り物となっていて、日本のお中元のような意味合いを持っています。今回は、本場中国のお月見「中秋節」の習慣と、中秋節に欠かせない「月餅」にフォーカスして、今の中国の様子をお届けしていきましょう。


本場中国における中秋節とは?

中秋節とは、中国の伝統的な四大祭りの一つで、北京語では「中秋节(ヂョンチュウジエ)」と言います。(ちなみに他の三つのお祭りとは、有名な旧正月である「春節」や「元宵節」、そして「端午節」です。)中秋節は毎年旧暦の8月15日となっていて、今年は10月の4日に当たります。

中華人民共和国成立を記念する国慶節(こっけいせつ)のお祝いが、毎年10月1日から一週間程あります。それで今年は、その調度真ん中に中秋節のお祝いが食い込んできて、全部で八日間の大型連休となるようです。そうです、中国において中秋節は、国によって定められた祝日となっているんですよ。さすが、中国人が大切にする四大祭りの一つですね。

中秋節を象徴するのが「月餅」という丸いお菓子で、北京語では「月饼(ユエビン)」と呼ばれています。中国人にとっての中秋節と言えば、家族で食事をして月餅を送り合うことに尽きますが、実は日本のお月見の習慣に影響を及ぼしたエピソードもあって、日本とはちょっと違うところがまた面白いんです。どんな所が違うのでしょうか?

中国の中秋節でウサギがついているのは、お餅でも月餅でもなかった!

今は実際にそうしている人は少ないかもしれませんが、日本のお月見と言えば、家族揃って縁側で秋の名月を見ながらお団子を食べる…というイメージですよね?そして、子どもたちとは、月の黒く陰って見える部分が「お月様で、ウサギが餅つきをしているように見えるでしょ?」といった話をするんじゃないでしょうか?

下の写真は、中国のとある大型チェーンのスーパーでの中秋節の広告です。この図を見た限りだと、中国でもお月見にまつわる同じような話が伝わっているように思えるのですが、実は結構違います。中国の中秋節でもウサギが登場して、月で何やら臼をついてはいるんですが、実は中国の月でウサギがついているのは、お餅でも、あの月餅でもないんです。一体何だと思いますか?

スーパーでの中秋節の広告。一見したところ、イメージは日本のお月見と一緒なのですが…。

答えは、薬です。しかも、不老不死の薬なんです。日本では、ウサギが月で一生懸命餅つきをしているという割と可愛らしいエピソードとなっているのに対して、中国では、月でウサギがすり鉢で謎の薬を調合している…というちょっと現実的というか、怖い話になっているんですよ。

では、何故ウサギなのでしょうか?その答えには、この次の写真に出てくる女性が深く関係しています。

中国のお月見にはこちらの女性も登場

日本でお月見と言うと、ウサギの餅つきくらいで、特に他の登場人物は思い付きませんよね。でも中国の中秋節には、ある女性が登場します。彼女の名前は嫦娥(日本語の読み方は「ジョウガ」、北京語では「チャンオー」に近い発音)です。

こちらが中秋節の伝説に出てくる女性ジョウガです。ウサギもいますね。

ジョウガは美しく聡明な女性で、夫と共に幸せに暮らしていました。そんなある日、夫から不老不死の薬を預けられます。その薬を飲んだ人は、仙人になって天に昇ることができるということです。後にジョウガは、押し入った泥棒に薬を盗られないためにその薬を自ら飲んでしまい、天に昇っていきました。

ジョウガを失った夫はひどく悲しみ、毎年ジョウガが旅立ったその満月の日に、彼女の好きだった果物を供え、彼女をしのんだと言われています。それが8月15日なんです。この伝説、ちょっと七夕とも似た部分があると思うのは、私だけでしょうか?

ところで月のウサギの件ですが、ウサギはこのジョウガのペットだから彼女と一緒にいるんだそうです。不老不死の薬と月にいるウサギ…実は、そういう関係があったんですね!

月餅(げっぺい)とは?

ではここで、中秋節に付き物の中国菓子月餅についてご紹介しましょう。今では日本の中華街に行けば、一年中お土産としての月餅を購入することができるようですが、ここ中国では、毎年九月の中秋節前後にしか見かけることはありません。(旧暦の8月15日は、たいてい9月の中旬~10月上旬に当たるからです。)

余談ですが、中国人は日本人と比べてかなり適当(おおらかとも言う?)な性格の人が多くて、毎年正月過ぎてもクリスマスツリーが飾られっぱなしになっていたり、真夏にクリスマスソングが普通の歌謡曲として(?)かかっていたりします。でもこの月餅に関しては、この時季にしか作らないんですよ。

日本のお中元では、色々な商品をギフトとして選ぶことができますが、中国における月餅は縁起物ともなっていて、中秋節のギフトは絶対に月餅しかない!という感じです。ではそんな月餅の由来について、簡単に見てみましょう。

まんまるな月餅は家族円満の象徴

満月は家族円満を象徴していて、まんまるな月餅も、その月に見立てて作られ、同じように家族円満、一家団欒を意味しています。実際に中秋節には、家族で丸い円卓を囲んで一緒に食事をするというのが伝統的な過ごし方です。

月餅の他にも、スイカや栗、梨などの丸い果物を食べるそうです。中秋節には、家族円満の象徴となる「丸いもの」がポイントになってくるようですね。今でも伝統的な中秋節を過ごす人は多いようですが、それ程多くはないものの、公園でお月見をする人もいて、そこはちょっとだけ日本のお花見みたいです。

一般的な月餅です。月を見立てて作られています。

高カロリーでお腹を満たしてゆっくり寛ぐためのもの

月餅は、高カロリーで有名です。それもそのはず、昔もっと貧しかった頃は、脂質や炭水化物の塊とも言える月餅は、とっても腹持ちが良くて重宝されていたのです。確かに、お腹がしっかり満たされていれば、余裕をもって家族とゆっくり団欒できそうですよね。

月餅一個当たりのカロリーは、大きさや材料によってだいぶ違ってきますが、最低でも一個200キロカロリー以上、一般的な物で400〜600キロカロリー、大きい物だと800キロカロリーある物まであるようです。これは、たとえ小さめでも一日に何個も食べるべきではない数字ですよね…。

実際に、中国の著名な栄養士の中には、月餅を食べないようにと呼びかけている人もいるようですが、伝統には敵いません。中秋節が近づくと、街中が月餅だらけになります。

私も毎年あちこちから月餅をいただきますが、基本朝ご飯として食べるようにしています。一個でも結構ズシッとくるので、オヤツに食べようとは思えませんね。中国のお土産として購入するなら、一人一個で十分だと思いますよ。

月餅は月へのお供え?

日本のお月見で食べるお団子は、月へのお供えでもありますね。同じように、中国の中秋節での月餅はもともと、月にお供えするものです。古来の中秋節では、その日月餅を供えて月を祭り、家族の幸福や豊作を祈ったと言われています。

ただ、今実際にそういう意識を持って月餅を扱っている人がどれ程いるかと言えば、少なくともここ中国第三の都市広州では、あまりいないように思います。今では、月餅はギフトとしてのイメージが強過ぎるのかもしれません。

天狗を祭っているという説も

多くの場合月餅は、上記のように月にお供えするという感覚ですが、地域によっては少し違う伝説もあるようです。私が聞いたのは、天狗の話です。

天狗が月を食べてしまうことに困った人々が、月に見立てて作った月餅を天狗に供えると、天狗は喜んで月餅を食べるようになったということです。それで人々は、毎年中秋節には天狗に月餅を供えて、大切な月を守るようにしているんだとか。

日本にも中国にも架空の生き物である天狗の物語がありますし、興味深いですね。きっとどこかで繋がっているのでしょう。

月餅の気になるお味や評判は?

中国での中秋節には絶対に欠かすことのできない月餅ですが、肝心のお味はどうなのでしょうか?日本のお中元とは違って、中秋節には月餅しかあり得ない!というからには、「どんなに市場競争が繰り広げられて、美味しくて人気のある月餅が開発されてきたのだろう」と思われるかもしれません。

確かに、昔と比べて月餅の種類はだいぶ増えたようですが、個人的な感想としては、あまり味の研究がなされているようには思えません。種類や好き嫌いはあるかもしれませんが、正直なところ、どれも似たようなものです。中国語にはこういう時にぴったりの表現があって、「差不多(チャーブドー)」と言います。差がほとんどないという意味です。まさに、月餅がそれです。

こちらはお安い月餅です。右の種類は9.9元(約165円)*、左の白いものは14.9元(約248円)です。このくらいなら、子どもたちのおやつにも気軽に買ってあげることができますね。

月餅のお味は、基本的にどれも甘々で、日本の温泉饅頭とちょっと似た雰囲気だと思っています。お腹が空いた時に、小さいのを一つパクッと頬張る分には美味しいかと思いますが、一回にたくさん食べるものではありませんし、毎日食べたいと思うようなものでもありません。たまに食べるから、美味しいんです。

上記は一番お安い部類の月餅ですが、月餅に多くを期待していない私としては、お安いもので十分だと思ってしまいますね。種類もたくさんありますし、特に問題はなさそうです。

こちらは29.9元(約500円)の月餅です。個人的には、味や質からして、月餅は高くてもこのくらいのお値段までで良いと思います。

昔ながらのスタンダードな月餅の他にも、今ではイチゴ味やチョコレート味、コーヒー味などのものもあるようです。私個人的には、あまり新しい味の月餅をいただいたことはないので、やっぱり昔ながらのお味の方が人気なのかもしれません。

では、従来の月餅には、どんな種類があるのでしょうか?

オススメの月餅と要注意の月餅

ここでは、オススメできる月餅とそうでないものをご紹介しておきましょう。もちろんそれぞれ好みがあると思うので、あくまで私個人の感想となりますが、特に要注意の月餅は覚えておいた方が良いです。

要注意のものは「あんまり美味しくない」程度ではありません。壊滅的なまずさです。一個二個ならまだしも、万が一箱で買ってしまったら大変なことになるので、気を付けてください。では、まずはあまり外すことのないスタンダードな月餅からご紹介しましょう。

月餅にも色々な種類がありますが、どれも美味しいとは限らないので、お土産にするには注意が必要です。

スタンダードが一番!こしあんの月餅

まぁ普通に甘くて美味しくいただけるだろうというのが、こしあんの月餅です。中国語では「豆沙(ドウシャー)」とか「红豆沙(ホンドウシャー)」と言います。月餅でつぶあんはあまり見かけないような気がしますが、つぶあんは「红豆(ホンドウ)」と言います。

上の写真でも、左下のがこしあんの月餅です。あんこたっぷりですね!特別美味しいわけではないかもしれませんが、手堅いと思いますよ。スタンダードには、他にもハスの実のあんやナツメあんなどがあります。

オススメは栗の月餅

もし記念に中国の月餅を買いたいのなら、私がオススメしたいのは栗月餅です。日本では、天津の甘栗が有名ですよね。秋になると、広州でもたくさんの栗屋台が登場しますし、日本で食べるのと同じように美味しいです。

月餅の場合、栗月餅もあんこと同じく甘々ではありますが、なかなか美味しいですよ。栗が苦手というのでない限り、是非オススメしたい月餅です。ただこれは、「月餅の中であえて挙げるなら美味しい」という意味で、結局月餅はどれも同じようなものと思っている私は、栗月餅を含め、自分で月餅を買ったことは一度もありません。

ご当地モノの美味しいものが食べたいのなら、中華料理を食べた方が断然いいですよ。中国文化に興味があったり、ちょうど中秋節の時に中国に来て、せっかくだから是非本場の月餅を試してみたいという方には、栗月餅をオススメします。

このように、大抵はあんがぎっしり詰まっています。皮もあんも激甘です。

最悪な牛肉入り月餅

次に、びっくりするお味の月餅をご紹介します。それは牛肉入りです。甘い皮のお饅頭に牛肉を詰めるって、どう考えても間違っていますよね!でもこちらでは、どういうわけか甘いあんに牛肉のミンチが混ぜてあるようなお菓子がそれなりにあります。気になるお味は…やっぱりかなり間違っています!

去年の中秋節前後の話ですが、私はある中国人の友人の旅行中に、彼女が飼っている亀の世話をするよう頼まれていました。大切な亀の世話をしてくれるということで、かなり感謝され、彼女の家にはたくさんのお菓子が用意してありました。亀の世話の際に、遠慮なく食べて行ってねというメモがあったので、遠慮なくいただきましたが、その中に月餅もありました。

ある日、私はとってもお腹が空いている中で亀の世話に行かなければならず、亀がゆっくりご飯を食べているのを見ていたら、彼女が置いていってくれた月餅に目がとまりました。上記のようにそんなに月餅が好きではない私は、これまであえて食べていなかったのですが、月餅はものすごく甘いだけあって、結構お腹にたまるんです。

腹ペコだった私は、ついに月餅に手を伸ばすことにしました。少し高級感のあるパッケージには商品名しか書いていなかったので、何味の月餅かは分からなかったのですが、きっとよくあるあんこだろう、お腹もペコペコだしきっと今日は美味しく食べられるだろう、と思ったのですが…。

一口かじってびっくりです。こんなにお腹が空いているにもかかわらず、二口目に行く勇気はありませんでした(笑)あくまで個人的な感想なのですが、激マズです。どうにも罰ゲームのために作られたとしか思えない味ですよ。

人生の一経験として、好奇心旺盛な方はもちろん試してみても良いとは思いますが、これを美味しいと食べることができる人がいるのが信じられません。あ、ネタにはなると思います(笑)あの時、この月餅を準備してくれていた友人がその場にいなくて本当に良かったです。一口かじった牛肉月餅は、きちんと持ち帰って処分しました。

面白いことに、先程あんこがスタンダードだと書きましたが、実はこちらの激マズ(好きな方がいたら、本当に申し訳ないのですが)月餅も、いわゆるスタンダードな月餅です。二つ上の写真にもバッチリ写っていて、上段の真ん中によく見ると「牛肉」って書いてありますよね。中国人にはそれなりに好みのお味のようです。異文化って、時に恐ろしいですよね。

元値が25.8元(約432円程)のものが、中秋節の半月以上前にすでに13.9元(約232円)になっています。季節ものだけあって、結構思い切って値引きするのかなと思いました。

しょっぱい卵が入っているのも要注意

牛肉ほどの破壊力ではありませんが、何らかのあんと共に、塩漬けにされた卵(卵黄のみ)が入っている月餅も多くあります。丸い卵黄をこれまた月に見立てているようですが、この卵は粽など月餅以外の食べ物の中にも登場する縁起物でもあります。

中国人は結構好きだという話を聞きますが、私はこの卵もとっても苦手です。甘々の月餅の中に入れられると、より一層塩漬け感が強調されて、もう味がグチャグチャですよ…。ただこちらの卵は、ミンチで混ぜ込まれている牛肉と違って、まん丸の形を残して月餅の中に入っているので、卵だけ取り出せば、周りのあんこなどはとりあえず美味しくいただくことができます。

勇気ある者だけが手にする(!?)ドリアン月餅も

フルーツの王様ドリアンは、ここ中国のほぼ最南端広州市では、当たり前のように見かける果物です。ドリアン好きは日本人にもそれなりにいますよね。私は、何回かいただいたことがありますが、やっぱり好きにはなれません。そんな私にとっては、ドリアン月餅も要注意月餅の一つです。

ただドリアン月餅の場合は、それ程注意していなくても、少なくとも食べる前にパッケージを破った瞬間には絶対にドリアンだと気付くことができます。月餅の中だろうがどこだろうが、あの匂いあってこそのドリアンなので。お好きな方は是非試してみてください。勇気のない私は、今まで一度も食べたことがないので、評価することはできません。

今まで食べた一番美味しかった月餅は?

色々味批判っぽい感じになってしまいましたが、この五年間で一度だけ「美味しい!」と思える月餅をいただいたことがあります。それは、とある地方のホテルで出している月餅だったのですが、言ってみれば洋風月餅でした。

温泉饅頭風ではなくて、どちらかと言うと洋菓子風だったんです。その少し小振りの月餅は、バターの香りがして、大抵甘々の皮は少しパリッとしていて甘過ぎず、 こしあんも程良い甘さでした。他の月餅と違って、とても上品なお味でしたよ。わざわざ買うまではしないかもしれませんが、あの月餅だけは、もう一回食べてみたいと思えるお味でした。

現代の月餅は「社会現象」

ここまで読んでこられた方で、疑問を感じた人がいるかもしれません。大して美味しくもないのに、どうして中国の中秋節は月餅にこだわっているのだろう?と。確かにその通りですね。「これは伝統だから」と言えばそうなのですが、今はもっと他の理由もあります。

現代の月餅は、「伝統」から「社会現象」へと変化していると言われています。どういうことでしょうか?クリスマスや他の祝祭日と同じように、家族団欒を願って月餅を贈り合う習慣も、今や商業主義が前面に出たものとなっています。それに輪をかけているのが、中国人のものすごくメンツを重んじるという気質です。

お金儲け主義と何よりもメンツを重んじる文化から、今や月餅の贈り合いは、ともすると経済力の見せ合いの場となったり、賄賂的な役割を果たしてしまったり、色々弊害が出てきているようです。

「愛を言い表すなら今ですよ」とウサギたちが言っています。ウサギたちが、ちょっと悪徳セールスマンに見えてきているのは私だけでしょうか?(笑)

その弊害の一つと言えるかはわかりませんが、競争が高じた結果、高級月餅が出回るようになりました。「高級」って聞くと、いくらくらいのものだと思いますか?本当の高級月餅は、大体1000元(16900円程)以上のもののことを指します。

最初このニュースを見た時は、たいそう驚きました。日本の物価から考えても、1万5千円以上のお中元はかなり豪華なものだと思いますが、中国の物価から言ったら本当にびっくりするようなお値段なんです。

私の住むここ広州には、地方から出稼ぎに来ている人たちがたくさんいます。休みは週一日だけで、一日の労働時間は12時間という人も珍しくありません。そういった、アルバイトで生計を立てている人たちの一般的な月収は大体2000元(33800円程度)と言われていますから、高級月餅のお値段は、そんな彼らのひと月分のお給料の半分に当たるんです。

今中国において、全体の生活水準はかなり上がっているとは思いますが、それでもどんどん貧富の差が拡大していて、月2000元で必死に生活している人もいれば、高級月餅を買えてしまうような個人や企業もいるということなんですね。

ちなみに以前ニュースで見たのですが、企業用の本物の超高級月餅セットの中には、日本円にして数百万円のものもあるんだそうです。まさに成金…信じられない数字です。

中国で社会現象となった「高級月餅」を制限する法律が登場

2013年の中秋節の時期に、政府からの通達があり、高級月餅が言わば禁止されることになりました。通達の内容としては、中秋節に公費を使っての高級月餅の贈答や接待を控えるように、昔ながらの和やかな中秋節や国慶節を楽しむようにというもので、「節約令」とか「贅沢禁止令」などとも呼ばれているようです。

それで、とりあえず1000元を超える高級月餅を見かけることはなくなったようですよ。でも噂では、高級月餅は名前を変えて、結局は接待で使われているということですけどね。

素敵なケースの中のお味は?見た目立派な月餅がズラッと

先程高級月餅を話題にしましたが、その美味しさについてはあまり聞こえて来ません。もちろん私は、そんな高級な月餅をいただくような立場にはなく、食べたことがないので絶対ではありませんが、多くの場合月餅のお値段は、月餅自体の質の向上ではなく、ケースの格好良さなんだそうですよ。

例えば、有名ホテルのお高くて大きな月餅セットの箱を開けてみると、かなりゆとりを持って月餅が数個並んでいて、どれも素敵な包装紙に包まっているものの、開けてみると実際の月餅は結構小さめだったという話はよく聞きます。しかも、味も普通なんだとか…。

月餅も、もっと月餅そのものの質の向上の面で競争があればいいのに…と思ってしまうのは、私だけでしょうか?どうしてもメンツが先立って、中身よりも豪華な外見の物が人気が出る傾向があるのでしょうね。ここでは、高級までは言わないものの、やや高価で人気のありそうだった月餅をいくつかご紹介します。

缶が素敵な228元(約3800円)の月餅です。このような香港の月餅も人気のようで、よく見かけます。日本のお中元で3000円〜4000円なら、それ程すごくは感じないかもしれませんが、こちらでこのお値段は、季節の贈り物にしてはなかなかのお値段なんですよ。

こちら最上段の月餅は、348元(約5822円)となっています。見た目が立派なだけに、いいお値段ですね。

パッケージ的には、これなんかいかがでしょうか?中国っぽくて且つ特にセンスが悪くもありません。中身はどうかわかりませんが…。

こちらは208元(約3480円)で、広州酒家が出している月餅のようです。「酒家」とは中国語で「ホテル」の意味なので、広州ホテルが出している月餅だということですね。

中国人は、このような真っ赤なものが大好きです。縁起物ならとりわけそうですが、どういうわけか月餅のパッケージに関しては、特に赤いものが多いわけではなく、意外に思います。

珍しい冷凍月餅

最近では、これまでになかった冷凍月餅も登場しています。私の周りでは、あまり食べたとかもらったとかいう話は聞いていませんが、結構人気商品のようです。中国語では「冰皮月饼(ビンピーユエビン)」と言います。

氷皮月餅の特徴は、従来の月餅の皮が基本小麦粉で作られているのに対して、こちらはもち米で作られているところです。アイス月餅と呼ばれる冷凍のものと、アイスまでは行かない冷蔵のものとがあるようです。

特に、ここ広州では中秋節の季節も夏とほぼ同じで、半袖にクーラーは当たり前という気候なので、冷やっとした月餅はそれなりに美味しいんじゃないかなと想像しています。特に月餅が好きなわけではない私も、ちょっと興味はありますね。誰かくれたりしないかな(笑)

こちらが冷凍月餅コーナーです。

冷凍月餅も、それなりに種類がありそうですね。

こちらも冷凍月餅売り場です。英語では「アイスムーンクッキー」となるようです。

こちらは、比較的高級な冷凍月餅です。一缶468元(約7900円)、日本円でも高く感じますね!

この時季、パン屋さんにもたいてい月餅の山が

下段左はこしあんの月餅、右サイドは緑豆の月餅で、いずれも12元(およそ201円)となっています。もし自分用に一つ買うなら、私はこれがいいかなと思います。上段の少し大きいものは20.5元(約343円)で、これ一個で十分なボリュームの朝ご飯になりそうです。

なんとなく、パン屋さんの月餅の方が美味しそうに見えます。パン屋さんで作っているわけではないと思うので、多分スーパーなどとそんなに変わらないのでしょうけれど。今の時期はスーパー、パン屋をはじめ、お菓子メーカーやコーヒーショップでも月餅を購入することができますよ。

左は200元(約3347円)→125元(約2092円)に、右は180元(約3012円)→113元(約1891円程)に大幅値下げしてあります。こんなに下がるんだったら、月餅は出始めに買うべきではありませんね!少なくとも、中秋節の半月前までは待ってみましょう。

スターバックス特製月餅セット

こちらはお馴染みスターバックスコーヒーの出している特製月餅です。原価は598元(日本円で1万円ちょっと)だそうです。出ました!高級月餅です。右の看板はジャズダンス教室の案内で、この辺りでは珍しいので、月餅と関係ないのに、ついスタバと同じ大きさで撮ってしまいました(笑)

上の写真にあるようなブランドものの月餅を買う人も増えているそうです。でも、中国人の友人に言わせると、こういったブランド月餅を買う人は、自分の資力を見せびらかしたいだけなんだとか。中国での月餅競争に、ここ数年スタバが参戦した結果はどうなのか、個人的にはとても気になります。

月餅にあやかろうとする他の商品たちも

スーパーでかなり多くの面積を占める月餅コーナーの近くには、なんとか月餅にあやかって売れればという感満載の商品が並んでいます。このエリアで物色をしている買い物客の大半は月餅目当てだと思われますが、そのついでにふと目に入ったらいいな…という感じでしょうか。

この時期多くの中国人は見向きもしませんが、月餅コーナーのすぐ隣で一生懸命「安いよ〜」とアピールしているクッキーたち。確かに、どちらかと言うとこっちの方が美味しそうですけどね。

こちらは、パンコーナーで「月餅以外にもパンはたくさんあるんだよ〜」と主張しているパンたち。一応「中秋節に絡めて売り出しているようですが、手に取る人は少なさそうです。

広州市では、1〜2年ほど前から時々見かけるようになったマカロン。北京語では「马卡龙」と書いて「マーカーロン」と読むのですが、この名前、音で合わせているとは言っても「馬カード龍」という漢字の意味は、全くはちゃめちゃで変な感じがします。マカロンはこんなに可愛いのに…。

溢れかえる月餅は横に流して流して…

毎年中秋節の季節になると、月餅をよくいただきます。どうしてでしょうか?もちろん、日頃お世話になっている人や大切な友人たちのために、余分に月餅を購入している人もいるとは思います。中国人は、友人や家族親戚にはすごく寛大ですからね。でも確実に、他にも理由があります。それは「余っているから」「食べないから」です。

中秋節の時期、多くの人は月餅を余らせているので、どこへ行っても「持って行け、持って行け」となるのです。自分で買った月餅もあるかもしれませんが、職場や学校でもらったというものも多いはずです。上記でも強調しているように、月餅はたくさん食べるお菓子ではありません。甘過ぎてすぐ飽きてしまいますし、カロリーの塊ですから絶対に太ります。

それで、みんな食べない分の月餅は、人にあげてしまうんです。いただき物でもそのまま他の人にあげてしまうのは、合理的でありながらも、どうなんだろうと考えてしまいますね。

このように、月餅を贈り合う習慣はほとんど形式的で、メンツを保つためのものになってしまっているのが実情です。「伝統」が「社会現象」に、という言葉は本当ですね。

どこの店でもうず高く山積みになっている月餅。絶対売れ残りそうな予感がします。

月餅に輸入制限がかかっている!?

今やいわゆる「中国人」や「華僑」は、世界の至るところにいて、伝統を重んじる彼らは皆毎年の中秋節と月餅を食べる習慣を大切にしています。でも実は、中国製の月餅を輸入禁止としている国は結構多いんですよ。

どうして月餅が輸入禁止になったり、制限がかかったりしているのでしょうか?日本ではどうですか?簡単に見てみましょう。

中国製月餅の輸入を禁止している国々

現在、ドイツやフランスをはじめ多くの西洋諸国において、中国製の月餅は完全に輸入禁止となっています。また韓国やフィリピン、タイやインド、シンガポールなどの比較的近いアジアの国々においてもそうで、禁止措置をとっている国は34カ国もあります。

輸入禁止の理由とは?

世界の多くの国で月餅が輸入禁止となっている主な理由は、月餅の成分にあります。従来の月餅は、あんのほとんどに卵や肉を含んでいて、鳥インフルエンザなどの感染症の火種となりかねないということです。実際に、アメリカやカナダ、オーストラリア、マレーシアなどは、月餅輸入を全面禁止するのではなく、肉や卵の成分を含むもののみを禁止するという制限を課しています。

またもう一つの理由は、輸送の間に品質が劣化する可能性があるということです。確かに、月餅の賞味期限を見ると、一週間というものもあれば、一ヶ月程のものもあるみたいですが、(そもそも、どうして会社によってこんなに賞味期限に差が出るのかもちょっと不安要素ですが…。)手元に届く頃には悪くなっていたなんていうことは、ありそうですよね。

「月餅輸入禁止!」と聞くと、一見中国への経済制裁か何かかと思ってしまいそうですが、これらの理由から、実は中国も外国からの月餅の輸入には制限をかけています。これら二つの月餅が輸入禁止されている理由は、国民の健康と安全を考えたら、まぁもっともですよね。

ちなみに、月餅の中国国内での輸送は制限されていませんが、やっぱり腐らせてしまうことがないようにとの注意は呼びかけられています。

日本は条件付きで輸入OK

日本の場合、月餅輸入に対する規制はそれ程厳しくありません。五キロ以上の輸入に対して一定の制限を設けているということと、五キロ以下でも、箱に成分と賞味期限がちゃんと記載されていないといけません。きっと、日本の中華街に生きる中国人たちにとっては嬉しいことですね。

ただ、世界の中国製月餅輸入禁止の動きには、他にも裏の理由があります。数年前、中国各地で恐ろしい「毒月餅」を生産する工場が次々と摘発されたんです。毒月餅とは、前の年に売れ残った月餅を回収して、ボロボロになった皮だけ剥いで中身のあんを再生して使い回すという、本当に恐ろしい代物です。

当時、とある学校で支給された月餅を食べた子供たち数百人が吐き気や下痢を訴える集団食中毒事件が起きていて、それもこの毒月餅だったのではと言われています。摘発されたのは一つや二つの工場ではなく、しかもニュースになったのは氷山の一角だろうと言われているので、毒月餅はまだまだ生産され続けている可能性が大です。

やっぱり、あんなに月餅コーナーがあって、相当売れ残るだろうなとは思っていました…(汗)まぁ食の安全について気にし出すと、中国では生きていけないので、たくさん食べないようにしたり、できれば出所をきちんとチェックするという風にして対処していきたいなと思います。

さて、今年はいくつもらうことになるのかな…?

みんなが大好きな月餅売り場です。

さて、今年の中秋節もだいぶ近づいてきました。自分で月餅を買ったことがない私も、きっと数個〜十数個はいただく機会があるでしょう。昔のような、風流な中秋節を過ごす人がどのくらいいるのかには興味がありますね。

皆さん月餅選びには真剣な様子が伺えますね!

こんな可愛い月餅の詰め合わせだったら、いただいたら嬉しいかもしれませんね。これが月餅じゃなくて、普通のお菓子だったら尚良いのですが…。

今年は、去年の苦い経験を教訓として、月餅をいただいたらまずその好意に感謝して、よくよく何味の月餅かを確認してから食べようと思います。色々書きましたが、月餅が、この時期中国の伝統的風物詩であることには変わりありません。興味がある方は、チャレンジしてみてくださいね。

*2017年9月のレートによります。

この記事のライター

中国広東省広州市に住む30代主婦です。今の目標は広東語をマスターすること!大好きな広州を、楽しく詳しくレポートしていきます★

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【ブルーマウンテンズ・ファームステイ】子ども受け抜群!アルパカと戯れ、電車型キャビンに泊まる週末家族旅行

【ブルーマウンテンズ・ファームステイ】子ども受け抜群!アルパカと戯れ、電車型キャビンに泊まる週末家族旅行

シドニーの田舎には数多くのファームステイが点在しています。その中でも筆者一押し、ブルーマウンテンズの外れに佇むアルパカ牧場を詳しくご紹介します。都会の喧騒から離れて広大な自然の中で様々な動物に触れ合い、牧場内に寝泊まりしてみませんか?素朴な田舎暮らしの醍醐味を存分に味わえ、子どもたちが大喜びすること間違いなし!


【スペインの音楽】vsメキシコの音楽! 愛を語るセレナーデはどちらがアモロッソ?

【スペインの音楽】vsメキシコの音楽! 愛を語るセレナーデはどちらがアモロッソ?

スペインのポピュラーミュージックの元祖ツナの音楽。スペイン国内だけではなく、ヨーロッパ各地で意外と人気のある伝統的な音楽です。スペイン旅行の際、もしかしたら偶然聞く機会に巡り会えるかもしれません。秋から春にかけて、あちらこちらで無料コンサートをしている、スペインの心の源のような音楽です。マリアッチの元祖でもあります。


サクッと立ち寄れるロサンゼルスのリトル・トーキョーにあるドーナッツがおいしすぎるお店・カフェ・ドルチェ

サクッと立ち寄れるロサンゼルスのリトル・トーキョーにあるドーナッツがおいしすぎるお店・カフェ・ドルチェ

ロサンゼルスのダウンタウンにはリトル・トーキョーという日本人街があります。とはいっても日本人がこのエリアに多く住んでいるわけではなく、日本に関するお店が集中しているエリアです。ここにあるカフェ・ドルチェはドーナッツがとってもおいしいんですよ!イェルプでも4〜5つ星でロサンゼルスローカルが認める人気カフェです。


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