【スペインの田舎】で廃墟探索の旅!写真撮影、スケッチ旅行、ただひたすら歩く

【スペインの田舎】で廃墟探索の旅!写真撮影、スケッチ旅行、ただひたすら歩く

廃墟好きにはたまらない、廃墟探索が目一杯できるスペインの村。どこの村にも魅力的な廃墟がたくさんあります。北部スペインやアラゴン地方もオススメですが、アンダルシアの村にも味わいのある廃墟が。今回は、私の住んでいるアンダルシア、ハエン県カソルラの廃墟を紹介します。


カソルラには廃墟がいっぱい!

スペインには廃墟がかなりあります。なぜ、廃墟がたくさんあるかというと、取り壊して立て直すのはもったいない、しかし、修復するだけの財力がない、というのが理由でしょう。実は修復の方が新しい建物を建てるより高価なのです。というのも、古い建物をそのまま使おうと思えば、それに相応した「修復」をしなくてはいけません。元々の壁が厚さ60cmなら、他のところもそれに合わせる必要があります。バルコニーの鉄の枠組みも錆を落として塗り直すのは、「人の手」によって時間をかけてしなくてはならないことです。

これが私の住んでいるカソルラです。白い壁に同じアースカラーの屋根で統一されています。そのために風景として美しいですが、ここにも廃墟が混じっています。私もこの中に混じっている廃墟を購入して、リフォームし、住んでいます。古い家のほとんどは、レンガではなく、石を積み上げ、ジェッソで固め、その上から白く塗っています。

これが屋根瓦です。一枚一枚丁寧に焼かれています。不思議なのは人の住んでいない家の屋根にはペンペン草というのでしょうか?、ひょろひょろした草が生え始めます。草が生え始め、根っこによって侵食され、雨漏りが始まります。家の内部に人がいることで、建物もまた呼吸するのでしょうか。15年、カソルラに住んで散歩の途中などに家を観察していると人が住むのをやめた途端に壁も落ちていくのです。そして少しずつ「廃墟」に変化していきます。

歴史的建造物の廃墟

サン・セバスチャン礼拝堂(エルミータ・サン・セバスチャンErmita San Sebastián)

カソルラで一番偉大なる廃墟といえば、サン・セバスチャン礼拝堂です。カソルラから山道をぐんぐんと歩いて行ったところにある礼拝堂で、ここまで材料を運んで来て、礼拝堂を建てたというだけでも驚かされるような場所です。石を積み上げた壁から、イチジクの木が生えています。改築しようとすればかなり大変だろうと想像されます。礼拝堂は15世紀の建物と言われていますが、もっと古いものだと主張する人もいます。

サン・セバスチャン礼拝堂から見たカソルラ

サン・セバスチャン礼拝堂を作るためにこんなに高いところまで材料を運んできたのでしょうか。石はきっと周りにある石を積み上げたのでしょう。ここはカソルラのピクニックポイントです。


Fuente de las Cadenas

歴史指定地区(カスコ・イストリコ)、サンタ・マリア広場(プラサ・デ・サンタ・マリア、Plaza de Santa María)にある水飲み場です。16世紀の半ばごろ作られました。下に水が貯まるように作られているのは、ロバや馬が水を飲むためです。ロバや馬はとても清潔好きなため、少しでもゴミがあると飲みたがりません。人々は上部の水が流れているところから、猫や犬はその下の溜まったところから飲みます。

厳密に言えば、この水飲み場は今も使われているので、廃墟とは言えないかもしれません。しかし、修復しないで、少し壊れたままで廃墟のような状態にして使っているので、廃墟コレクションに入れました。

古いオリーブオイルの工場です。19世紀ごろの建物。今ではオリーブオイルの工場は全て住宅地から撤去されています。使われないまま、ここに放置されています。ヨレヨレなんですが、なんとなく味がありますよね。

オリーブオイル会社の事務所のある建物の窓

レンガ造りの建物は、20世紀の初め頃、ちょっとおしゃれなオフィスビルだったのではないかと思います。バルコニーのアイアン部分がよく見ると細かい細工がしてあります。こういう細かい作業は現在ではあまり見かけません。修復するのも、細かい手作業が必要なのではないでしょうか。ちょっと前まで、この窓から意地悪そうなおばあさんが顔を出していました。

レンガはマドリッド以北で作られます。レンガ造りの職人さんは、マドリッドの場合はエル・エスコリアル近くの山脈にある工房で働いています。気温が低いことがレンガ造りには欠かせない条件だそうです。そのため、気温が上がるとバカンスになります。毎年、2ヶ月以上働けない時期があります。

そのため、アンダルシアの古い家は石を主に使い、レンガはほとんど使われていません。

ついこのあいだまで人々が住んでいたところ

ほんの10年くらい前、年取ったジプシーの夫婦が住んでいた家

廃墟が魅力的なのは、そこで生きて来た人の息遣いのようなものを感じるからでしょうか。この家の窓からほんの少し前、ヤギの頭が見えました。あの頃、年老いたジプシーの夫婦は、家の中でヤギを飼っていたようです。それ以外に、犬や鶏がそこらじゅうを走っていました。家の周りには野生のイチジクの木が生えています。カソルラはやたらイチジクの多い地域です。そして、野生であるものの、信じられないくらい甘いのです。

洞窟の家

洞窟の家は、スペイン各地に見られます。内部は思いの外、広く、冬暖かく、夏涼しい、かなり居心地が良いそうです。カソルラは坂が多いので、一部分が土の下にあり、表側からは4階建ですが、裏から見ると5階建になっているような建物がたくさんあります。この場合、1階部分は地下室のようなものです。奥に入れば、洞窟状態になっていて、はみ出した岩をオブジェ風にアレンジしている家もあります。

写真の家は現在誰も住んでいないようですが、完全な洞窟の家です。重々しいドアが付いていて、開けて見たい気持ちを抑え切れません。

洞窟の家の様子を紹介しているビデオを貼っておきます。もし、興味があったらどうぞ!ビデオに出ている洞窟の家はラ・マンチャ地方です。

煙突です。煙突だけでも地域によって決まりがあります。この煙突は、厳密に言えば違反ですが、建築基準法が厳しくなかった時代に作られたものなのでしょう。長い期間、煙突の下で日が焚かれた証として、穴部分のまわりが黒くなっています。

スペインの煙突は、屋根付きデザインが主流です。屋根の下にツバメが巣を作ることも多く、飛び立ったひなが謝って煙突から落ちて、暖炉に落ちて来ることが夏の風物詩になっています。スペインのツバメは日本のツバメより大きいので、一旦落ちると飛び立つのを手伝わないといけません。

我が家を修復してくれた建築業の人が中学生のときにお祖父さんのために造った家。約40年前の仕事

手作りで作られた家のなんとも暖かい感じが好きです。石を積み上げて、こんもりと山形になっていて、ところどころ大きすぎる石がはみ出ているのが、アートタッチな雰囲気を醸しています。小窓がありますが、窓を付ける技術というのは結構上級レベルではないかと想像します。

古い家の窓が小さい理由は、ひとつは寒さが入らないというのもありますが、大きな窓を開けて、(穴を壁に開けて)それを支えるだけの力関係をきちんと計算できるかどうかが難しいからです。下手をすると窓のところから歪みが出てきます。今はここに住んでいたおじいさんもいません。小さな家で、読書をする生活もいいかもしれませんね。

川の上に作られた建物。多分水力を利用して、粉をひいていたのではないかと思います。川や海の水の上に建てられた建物は、涼しいので、こういう建物をリフォームして夏の家にしたいものです。

廃墟探索をしに来ませんか?

バルコニーを囲むアイアン

スペインのどの村にも廃墟がたくさんあります。それはいつか修復されて、また新たに使われるのを待っているから。廃墟を探索して、写真撮影やスケッチをするのも楽しい旅になります。

この記事のライター

スペインに住んで18年になります。小さな素敵な町やお祭り、工芸品などスペインらしいスペインの旅を楽しむ情報をお届けします。

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