【スペインの城シリーズ】アンダルシア・カソルラの城に見つめられながら散歩する

【スペインの城シリーズ】アンダルシア・カソルラの城に見つめられながら散歩する

スペイン城シリーズ第一回目です。スペイン各地、特にアンダルシアにある城、カスティーリョを紹介します。スペインはヨーロッパの中でも特に中世の城が保存されています。映画の撮影にもよく使われているのです。第一回目は私が住んでいるカソルラから始めます。


城ってなに?カスティーリョのある街を歩こう!

「太陽の国スペイン」にも雪が降ります。カソルラの冬の風景。

「城」というと何を想像しますか?お姫様と王子様が住んでいるところ?城を宮廷という観点で見ると、スペインの城はちょっと違うかもしれません。宮廷というときはアルカサール。カスティーリョというとき、城は攻め込まれたときに防衛するための場所であり、見張りをする場所でもあります。そのため、城は見晴らしの良いところにあり、街のどこにいても城が見えます。というより、城から見られているわけですが。少し小高いところに城があって、その周りに集落が広がります。遠くから近づくとこんもりと家の「盛り合わせ」のように見える街が近づいてくる、それがスペインの街のあり方です。そして、街と街、村と村の距離があって、その間を畑などが広がります。農業地、工業地、住宅地がしっかり別れているのです。

城が一番多いのは、アンダルシア、ハエン県

アンダルシアといえば、コルドバ、グラナダ、セビリアは有名ですが、その他はあまり知られていないかもしれません。マドリッドから南下していくとハエン県に入ります。内陸の地形で、山が多く、雰囲気も日本人の考えるアンダルシアとは少し違います。

西にコルドバ、東にグラナダがあるところです。イスラム勢力が、マドリッドに入らないために、ハエンには城がたくさん作られています。また、イスラム勢力が作った城もたくさんあります。激しく領地争いがあった場所です。

今回紹介するカソルラの城も、イスラム勢力の作った城です。

いろいろな地点から見えるカソルラの城

カソルラにたどり着いて登っていく道から見える城

カソルラは坂の多い村です。「坂が多い」というより、どの通りも弱冠傾斜があり、平らなところはほぼありません。写真は、カソルラの入り口で、70年代まで集落ではありませんでした。比較的新しい地域で、左が小学校、右側が中学校になります。

ここを登っていくとカスコ・イストリコ、歴史指定地域になります。

川沿いの遊歩道から見える城

村の中の道とは別に川沿いの遊歩道を通って、城に近づいていけます。この川はセレスエロ川(小さな桜の川)とよばれ、もともとはこの周りに野生の桜が茂っていたようです。セレスエロ川はグアルダキビル川の支流になります。グアルダキビル川はコルドバ、セビージャを通り、海に注がれます。

セレスエロ川の遊歩道には午後7時前後は犬を散歩させる人がたくさん通っています。夜、真っ暗になって、人通りがなくなっても安心して散歩ができる場所です。

バルコン・デ・サバレッタ(Balcón de Zabaleta)から。お祭りのときで市民により飾り付けがされています。

観光客が必ず記念写真を撮影するのが、ここ、バルコン・デ・サバレッタです。サバレッタというのは、カソルラのとなり村、ケサーダ出身で1907年生まれの画家です。サバレッタはいつもここから風景画を描いていたので、サバレッタのバルコニーと呼ばれるようになりました。サバレッタは、ほぼ、ピカソと同じ時代の画家です。となり村のケサーダにはサバレッタ美術館もあり、ピカソの親書なども一緒に展示されています。

Fundación Rafael Zabaleta

http://www.zabaletafundacion.org/

Fundación del pintor y artista Rafael Zabaleta

城まで登る道を歩いていくと近くに見えてきます。

内部にも入れます。内部は、風俗美術館になっていて、カソルラの農業の道具、中世の兵士たちの鎧などが展示してあります。鎧が意外に小さいので驚かされます。昔の人は兵士といえど小さかったのですね。城の細長い窓から見るカソルラの景色も素敵です。

住所: C/ Camino del Castillo s/n. Cazorla
電話: 953 10 14 02 - Fax: 953 10 51 21
開館時間: Del 16 de junio al 15 de septiembre:
火曜日〜日曜日 9:00〜15:00 (月曜休館)

アントニオ礼拝堂の道から

川をずっと登っていき、城まで登る道を行かず、対岸の道をいくとこのように城が見えます。城を囲むように集落が広がっているのがわかります。どの家も同じ屋根瓦を使い、壁を白く塗っているので村全体にハーモニーができあがります。瓦は、焼き物で高価なので、家を作り直すときは、一枚一枚外して、またもう一度使います。本当の意味でエコロジーですよね。建築基準法はかなり厳しく、改築するときに窓の数を増やしたり、大きくするときもちゃんと許可をもらわないといけません。

夕暮れのカスティーリョ

夕暮れもまた静かに降りてきます。スペインの夕暮れはだいたい9時半過ぎです。この写真のように赤い空になるのは稀なことなのです。それは空の色というのは、湿気と関係しているからです。日本が夕焼けや朝日が美しいのは、湿気があるからなのですね。赤い夕日を見た次の日は雨が振ることが多いです。

グアルダキビル川の源近くから見下ろして。

さらに歩いて山を登り、グアルダキビル川の源近くまでいくと、このように遠くに城と城を囲むいえ家が見えます。グアルダキビル川の源は高地になるのでいつもラベンダーの花が咲き、とても良い香りがします。その香りに包まれて、この風景を見ながら、鳥のさえずりを聞くのは最高です。

お姫様のお話:タラガンティア姫

タラガンティアの夜のライトアップ

カソルラの城はもともとアラブの王様のお城でした。最初に作られたのは、12世紀くらいで、作りはアラブ様式になっています。お城には王様とお姫様が住んでいました。しかし、お姫様は、カスティリャ(スペイン・キリスト教軍)の騎士を好きになりました。二人はとても愛し合っていましたが、王様は怒って、お姫様を閉じ込めてしまいました。戦争になり、騎士も死んでしまい、お姫様は閉じ込められた部屋で怒り狂い、とうとう蛇になってしまいました。そして、にょろにょろに抜け出し、イスラムもキリストも関係なく、そばにいる人に攻撃し、殺してしまいました。

という話が残っています。今も毎年、6月にお姫様、タラガンティアのお祭りがあります。

それぞれの家に城の風景

我が家の窓から見える城

カソルラで家を購入するときは、ポイントがどのように城が見えるかです。どの家も自分の家から見える城が最高だと思っています。この写真は我が家の窓から見える城です。夜になると、ライトアップしてキレイに暗闇の中に浮かび上がります。家を設計するときにお風呂に浸かって城が見えるように小さな窓を作ってもらいました。

よそのお宅を訪問して、それぞれの城を見るのも楽しみのひとつです。この家からこのように見えるのかとよく驚きます。そのくらい、どのような場所にあっても城が見えるようになっているのです。

カソルラへのアクセス

カソルラは国定自然公園カソルラ山脈の麓にあります。カソルラ山脈はヨーロッパで2番目に広い自然公園で、(1番はアルプスです。)ヨーロッパだけではなく、アメリカ合衆国からもわざわざ自然を満喫するために多くの人がやってきます。ここ、3、4年は特に世界的ブームなのか、(ちょっとオーバーですが)バカンスのシーズンは原宿並みの混みようです。(これは本当です。)残念ながら、日本の観光客は少ないので、ぜひ、いらしてください。少しずつ減少している、スペインらしい村のひとつです。

カソルラへのアクセスはグラナダから直通バスが出ています。グラナダのバスステーションからバス会社ALSA(アルサ)に乗って約4時間、20ユーロくらいです。40kmのところに世界遺産の街ウベダ・バエサがあります。

城巡りの旅をしよう!

カソルラの城、カスティーリョ・デ・ジェドラを紹介しました。城だけを見て歩く旅というのも素敵です。次回をお楽しみに!

この記事のライター

スペインに住んで17年になります。小さな素敵な町やお祭り、工芸品などスペインらしいスペインの旅を楽しむ情報をお届けします。

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